ドナルド・トランプ米大統領を標的とした可能性の高い発砲事件が25日,ワシントン市内のホテルで発生した。ホワイトハウス記者会が主催する夕食会場で突然,複数の銃声が鳴り響き,トランプ大統領やメラニア夫人らは,シークレットサービスに促されて避難したものの,現場は一時パニック状態になり,シークレットサービス1名が防弾チョッキ越しに銃弾が当たり負傷した。なお,容疑者は会場付近で直ちに拘束された。

現地で取材したジャーナリストは,「イラン戦争や関連する過激なコメントなどで,世界中から批判されることが多くなっているトランプ大統領。トランプ大統領の行く先々での不審者・不審物の早期発見には万全の警備体制をしいていたようだが,容疑者は警備の不備を指摘しており,トランプ大統領1人をターゲットにしていたのではなく,政権幹部をも狙っていたようだ。現場はパニック状態で,防弾チョッキを着用したシークレットサービス1名が撃たれ負傷したが,命には別状なく,犠牲者が出なかったことに胸をなで下ろしている。トランプ大統領ご自身は大変元気な様子だが,家族から見れば,『夫』『父親』,そして『おじいちゃん』に変わりはないのだから,ご家族の方々は今後のトランプ大統領の政治活動を大変心配しているものと思う。一方,トランプ大統領に対する襲撃事件は2024年以降3回目で,彼の『政治的影響力』が世論を分断し,政治的暴力にまで発展させている現状には,現在のアメリカ社会の闇を見ているかのように思える。なお,暴力には屈しない姿勢をアピールするためか,トランプ大統領は,30日以内に夕食会をやり直すと表明している。また,世界各国の要人からは,民主主義に対する暴力への非難や衝撃的な事件で犠牲者が出なかったことへの安堵の声が上がっているが,イラン攻撃でアメリカに基地使用を認めなかったスペインのペドロ・サンチェス首相のメッセージには注目している。サンチェス首相は『今夜,大統領(トランプ)に対して行われた攻撃を非難する』とXへの投稿するとともに,『暴力は決して答えではない。人類は民主主義,共存,平和を通じてのみ前進する』」と続けている。このメッセージをトランプ大統領はどのように受け止めたのだろうか」とコメントする。

トランプ大統領襲撃事件の1回目は,24年7月,東部ペンシルベニア州バトラーで選挙演説中に銃撃を受け,耳を負傷し,容疑者はその場で射殺された。

2回目は,約2カ月後の9月,南部フロリダ州のゴルフ場でプレー中だったところを銃で狙われるも,警護官が発砲して事前に阻止する事件が発生した。現場から男は逃走するも拘束され,今年2月,同州の連邦地裁で終身刑を言い渡された。

トランプ大統領は,イラン戦争を巡るこれまでの突飛な発言からもわかるように,「対話」の重要性を唱えるメッセージ以上に,「戦い」を訴えるメッセージを強く発信しており,これが暴力を増幅させる一因となっているようにも思える。サンチェス首相のメッセージには,いかなる『戦争』にも反対する思いも込められているのではないだろうか。