毎年5月1日前後に世界各地で行われる,労働者の祭典「メーデー」。今年は,ホルムズ海峡封鎖の影響を受けて,燃料価格や物価の急激な高騰する中,労働者を中心とした戦争終結,平和を願う抗議行動が世界中で広がった。

エジプト在住のカナダ人ジャーナリストは,「例年世界各地でメーデーが開催されているが,今年の大きなテーマは,『戦争終結』『物価高騰に対応した賃金アップ』であろう。『戦争終結』に関しては,世界各地に所在するアメリカ大使館が抗議の対象となっており,大使館周辺の警備がこれまで以上に強化されているそうだ。『物価高』に関しては,日本政府は,日本の石油タンカー『IDEMITSU MARU』が,通行料を支払わず,ホルムズ海峡を通過できたことに安堵しているのではないか。中東諸国は日本を友好国とみなしている国が多く,今後,日本政府が緊張する中東情勢の安定と平和に寄与するような,外交努力をすることを期待したい」とコメントする。

連合(日本労働組合総連合会)は29日,都内の公園で第97回メーデー中央大会を開催。芳野友子会長は冒頭あいさつで,「今春闘での傘下労働組合の賃上げ率が3年連続で5%以上になった」と言及する一方,「実質賃金のプラス基調にはまだまだ」などと述べ,さらなる賃上げの必要性を訴えた。

また,全労連系の第97回中央メーデーが1日,都内の公園で開催され,秋山正臣全労連議長は式典あいさつで,アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の影響から,「もはや物価上昇による生活悪化だけでなく,生活そのものができなくなる恐れさえ生まれている」「さらなる物価高騰も懸念され,大幅な賃金の引き上げが必要です」などと訴えた。

なお,連合のメーデーには,政府代表として高市早苗首相が来賓として出席しており,高市首相は,「政府として賃上げ環境の整備に万全を期す。物価上昇を上回る継続的な賃上げ実現のために協力をお願いしたい」などと挨拶した。

一方,全労連系の中央メーデーでは,日本共産党の田村智子委員長が「長時間労働の是正が不可欠なのに,(政府や財界が)裁量労働制を拡大して『もっと働け』と求めている」などと訴え,「労働者の団結」と「戦うメーデー」を強調していた。

高市首相は本日(1日),2日にベトナムのフン首相,4日にオーストラリアのアルバニージー首相と首脳会談を行うため,外遊をスタートさせるが,今後の中東情勢の安定にも貢献でき,国際社会からも評価されるような実りある外交努力を積み重ねてもらいたい。