憲法記念日の3日,全国各地で護憲派と改憲派がそれぞれ憲法をテーマにした集会を開催した。
護憲を訴える市民グループなどは,「憲法9条を生かした平和外交」や「核兵器のない世界」などをスローガンに掲げ,都内で「つながろう 憲法いかして平和な世界を! 2026憲法大集会」を,約5万人(主催者発表)を集めて開催した。
同集会には,立憲民主党,日本共産党,れいわ新選組,社民党などの国会議員らが参加し,「9条を含む平和憲法は世界に誇る日本の宝」「アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が封鎖され,世界中の経済が混乱している中,平和憲法を持つ日本の戦争終結に向けた役割は重要」などと呼びかけていた。
一方,改憲を訴える民間団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などは,「強く豊かな日本を確立」や「時代に適応できる憲法の実現」などをスローガンに掲げ,都内で「公開憲法フォーラム」を約850人を,オンラインなどで約1万人(いずれも主催者発表)を集めて開催した。
同集会には,高市早苗首相がビデオメッセージを寄せ,「憲法は国の礎であり根幹。その価値を摩滅させないために本来定期的な更新が図られるべきだ。政治家が行うべきは決断のための議論。各党の協力を得ながら決断のための議論を進める」と述べ,改憲への意欲を改めて示した。また,改憲に前向きな日本維新の会,国民民主党などの国会議員らも参加し,「憲法への自衛隊明記」などを求めていた。
永田町関係者は,「イラン情勢や高市首相の発言で,憲法改正に関する議論が国民的に盛り上がっており,これを機会に国民が憲法に関心を深めるのは望ましいことだと思う。一方,国民の優先的な関心事は,『物価高対策』,『年金・医療・介護』,『外交・安全保障』,『経済成長』,『雇用・賃金』,『子育て・教育』の順で推移しており,『憲法改正』への国民の期待は,優先順位としては真っ先に取り組むべき課題ではないのではないか。先ずは,『物価高対策』だろう。高市首相は日々大変精力的に仕事に取組まれているようだが,一生懸命働きながらも日々の暮らしに窮している国民の声に,もっと耳を傾けてもらいたい。加速化する憲法改正の動きに関しては,戦争の残酷さや悲劇を経験している戦中派の人たち,例えば,古賀さん(古賀誠・自民党元幹事長)や亡くなった野中さん(野中広務・自民党元幹事長)さんからすれば,『戦争はだめだ』『憲法9条は守るべきだ』と強い信念で訴えるのは当然のことだと思う」と「憲法改正」よりも「物価高対策」への積極的な取り組みを求める。
今年の憲法記念日は,不安定な国際情勢から国民が憲法の存在・意義を身近に感じる機会が増えたためか,例年よりも増して憲法に関する議論が高まってきたように思える。