高市早苗首相が3日,熊本地震の被災地を視察し,官邸側が陸上自衛隊のヘリコプターから視察する写真やBGM入りで視察を振り返る動画をXにアップしたが,その内容が「まるで高市首相のPR動画のようだ」などと評され,物議を醸している。問題視されている映像は,高市首相が防災服姿でヘリに乗り込み,避難所でテーブル越しに向き合った被災者の声を聞いたり,上空からヘリの窓越しに手を合わせて黙祷する場面であるが,どうやら高市首相があまりにメインになり過ぎて,ご遺族の方々や酷暑の中で厳しい避難生活を強いられている被災地の方々への思いが伝わってこず,「政治利用しているのではないか」との疑念が指摘されているようだ。

現地でボランティア活動しながら取材するジャーナリストは,「高市首相が被災地を視察したことで,即効性のある政府の支援活動を期待したいが,今,現場で支援活動をするものとしては,この悲しくても,悲しみに浸る余裕すらないような被災地の厳しい状況にあっては,首相が現地入りするよりも,むしろ給水車が一台増えた方がどれほどありがたいことか。そもそも,これまでの被災経験の積み重ねによるノウハウや現地の情報が迅速・正確に入手できるような状況において,地震直後で被災地が混乱している中,わざわざ首相ご本人が現地を視察する必要があったのだろうか。対応に追われた現地の人たちもさぞかし大変だっただろう。官邸側の発信した動画を見ると,違和感がさらに膨らんでいく」と,地震直後の高市首相の現地視察に疑問を呈する。

木原稔官房長官は,官邸側の発信した動画をめぐり,一部で批判があるとの指摘に関して,国民に視察の様子を分かりやすく伝えるための「情報発信の一環」などと説明したが,国民にはこの動画から何が分かりやすく伝わったのだろうか。