高市早苗首相(自民総裁)は23日,通常国会の召集日冒頭に衆議院を解散した。衆議院選挙は今月27日公示,来月8日投開票の日程で行われ,解散から投開票日までが16日間と,戦後最短となるの異例の超短期決戦が展開される。

永田町関係者は,「高市首相が日本では女性初の総理・総裁に選ばれてから,内閣支持率も高く,『さあこれから国民の期待に応えなければならない』という時に,なぜか唐突に解散してしまった。首相は解散理由の一つに,維新(日本維新の会)との連立合意を挙げているが,その維新が事前に解散については全く知らされていなかったのは,両党の信頼関係がそれほど構築されていないということだろうか。また,『首相として高市早苗がふさわしいかを国民に問う』と,高い支持率を背景に『高市カラー』を前面に押し出しているが,なぜか『私を選んだからには好きにやらせてもらうわよ』と聞こえてしまうのは私だけだろうか。これまでの高市首相の政治活動を見ていると,その行動力や外交力に関しては大いに期待できる面もあるとは思うが,調整力に関しては予想以上に苦手で,批判の声が多い萩生田氏(萩生田光一党幹事長代行)の党幹部復職や杉田氏(杉田水脈元衆議院議員)の公認等々から,一旦ご自身で何かを決断したら、周囲の意見にはあまり耳を傾けず,頑固に押し通すタイプのように思える。もし『他人の意見をもっと聞く耳』を持っていたならば,首相の側近らは,こんな寒い中で,しかも大学受験シーズンで投票率が下がる可能性の高い『真冬の超短期決戦』を,選挙戦略的にも回避させることができたと思う。首相は,先ずは物価対策を早急に実現させるべきだったし,限定的であるが,選挙公約に消費税減税を掲げるのであれば,解散せずとも,今直ぐ野党と協力して消費税減税を速やかに実現させるべきであったと思う」と突然の解散に戸惑う。

永田町に拠点を置く選挙プランナーは,「自民は、『政治とカネ』の問題で政党支持率が低迷するものの,高市内閣の支持率が高く,今の情勢を見る限り,投票率が上がれば,無党派層の投票行動は自民有利に傾くだろう。一方,立憲と公明が合流する形で結成した新党『中道改革連合』(中道)は,投票率が上がらなければ,公明の組織力を背景に議席を伸ばす可能性が高く,さらに,投票率が上がったとしても,『生活者ファースト』のキャッチコピーが短期決戦でも国民に浸透できれば,新たな無党派層の支持の獲得も期待できるだろう。真冬の受験シーズンでの選挙が投票率にどのような影響を与えるのかを,首相は十分考慮したのだろうか。国民民主(国民民主党)や共産(日本共産党)など他の野党は,中道とは共闘せず,独自性をアピールすることで,議席を伸ばす方針であり,日本の政治は,かつてのような二大政党制に向かうのか,多党制に向かうのか,今回の衆院選は,今後の日本政治の方向性が示される選挙でもある」と,今回の衆院選に注目する。

今回の衆院選で,各党は小選挙区で289,比例代表で176の計465議席を争うが,高市首相は勝敗ラインを与党で過半数の233議席に設定し,「進退を懸ける」と言明している。有権者にとっては,突然の解散や目まぐるしく変わる政治情勢に,戸惑いと期待が交錯し,しかも投票先を考える時間が非常に短かい,「真冬の超短期決戦」となった。