世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求について,東京高裁は4日,「信者らの信教の自由などへの影響を考慮しても,解散命令は必要でやむを得ない」とし,解散を命じた東京地裁決定を支持。教団の即時抗告を棄却する決定をした。教団側は最高裁に特別抗告などをする方針だが,宗教法人法に基づく解散命令は高裁決定で効力を生じるため,清算手続きが開始されることになる。

カルト宗教を取材している宗教ジャーナリストは,「旧統一教会系の団体でよく知られている団体としては,勝共連合(国際勝共連合),超宗教超国家(世界平和超宗教),世界日報,ワシントンタイムズ,リトルエンジェルスがあるが,これら団体の背景に旧統一教会があることを当初は知らずに交流していた方々も非常に多いと思われる。勝共連合は,保守系の国会議員に限らず,地方議員との関係も広く構築しており,佐賀県にある『日韓トンネル』を視察に訪れた議員の数は,かなりの数に上っていると思う。また,北朝鮮による拉致問題に関して,その問題がクローズアップされる前から映画製作などを通じて訴えていたのは勝共連合である。さらに,かつて新宿で開催されたリトルエンジェルスの公演には,皇室関係者も出席しており,旧統一教会の人脈の広さには非常に驚かされたこともある。旧統一教会は様々な観点から,あまりにも日本の政治と深く関わりを持っていたため,その影響力から,『霊感商法』や『高額の寄付』などで社会問題化しても,日本では宗教団体として存続するものと考えていた。しかし,日本での安倍晋三元首相銃撃事件や韓国で韓鶴子総裁が逮捕されたことを契機に,旧統一教会が反社会的団体として認知度が、日本だけでなく本拠地である韓国でも高まっており,旧統一教会は大きな節目を迎えたようだ」と語る。

今回の東京高裁の決定を受けて,第一東京弁護士会所属の弁護士が清算人として選任され,宗教法人としての清算手続きが開始された。松本洋平文部科学相は「清算が円滑かつ確実に進められ,被害者の救済がなされることを期待する」などとのコメントを公表。一方,旧統一教会側は,「結論ありきの不当な判断だ。決して容認せず,特別抗告を含め信教の自由を守り抜くため闘い続ける」などとのコメントを出した。

なお,法令違反による解散は,オウム真理教と明覚寺(和歌山県)に続き3例目である。過去の2例はいずれも幹部が刑事事件を起こした団体で,旧統一教会のように民法上の不法行為を根拠とする解散は初めてのケースとなる。〆