ドキドキした。
Paul Rodgers 最高!!
先日、Queenのライブでポールが歌っているのを見て驚いたばかりだけれど
あのフレディー・マーキュリーの代わりに歌って違和感がなかったのは
Paulの卓越した歌唱力があるからだと実感できた。
伸び伸びとどこまでもまっすぐに響いていくPaulの声
低音はかなりハスキーなのに、不思議
いっしょに行ったnatsuさんと 興奮しまくりさぁ
で
あったのですね、家に。古い古いレコードが。
その昔、FMのディスクジョッキーなるものをやったことがある。
84年4月から2年間の契約DJだった。
NHK長野の独自放送の1つに『6時のジョッキー』というFM番組があり
タイトルどおり月~金曜の午後6時から50分間の放送だった。
わたしは木曜日担当。ハード目のロックをかけることになっていた。
そのときに出会ったのがPaulの最初のバンドだったFREEであり、Bad Companyだったわけだ。
4月のジェフ・ベックも、5月にライブに行ったASIAも、この時期に知ったバンドだった。
当時はまだレコードをターンテーブルに乗せ
レコード係のお姉さんがわたしのキューで回していた。
NHK長野の資料室の棚にそれこそギッシリと並んでいたレコードたち
若い人は見たこともなかったりするんだろうな。
80年代半ば。音楽はレコードからCDへの転換期だった。
DJをした最初の1年は100%レコードをかけていたけれど
2年目の終わり頃からCDが出始めていて
古いレコードで使わないものは処分すると聞いて、処分箱から好きなものをもらってきた。
それがこのFREEの2枚。
しまいこんで、すっかり忘れていたんだけれど
昨日のライブのあと、どうしてわたしはポールを知っていたんだろうといろいろ考えているうちに
もしかして、レコード持ってたか? と、いきなり思い出したのだ。
ASIAのことはけっこう覚えていたのに、ポール・ロジャースはすっかり忘れていた。
その程度の、付け焼き刃で喋っていたいい加減なDJだったわけだ。
すっかり忘れていたはずだったのに
FREEのファーストアルバムの名前を、ライブ会場で買ったCDのライナーノーツで見つけたときに
ふいに蒼いジャケットが浮かんできた。
蒼い背景にかわいい白いウサギ……
あたりまえだ。持っていたんだから。
TONS OF SOBSの発売は1968年4月
FREEは1969年10月
うちのあるレコードはもっと後に販売されたもののはず。
なぜ、持ってることさえ忘れていたかといえば
聴けなかったからだ。
もらったころは、かなり貧乏していたころで、わたしはラジカセしか持っていなかった。
小さな赤いラジカセを、どこに行くにも持って歩いた。
多少、生活に余裕が出てターンテーブル付きのコンポを買ったときは
レコードは実家の部屋に置きっぱなしになっていた。
そのうちターンテーブルは壊れてしまい、
どこかのタイミングで東京の家にレコードを引き取ったときには聴けない代物になっていた。
それでも捨てることはできずに、いつかターンテーブルを買おうと思いつつ
いったい何年、経ったことだろう。
だけどね
ケースから出すとレコードは何の遜色もなく、キレイなのだ。
聴いてあげなければバチがあたりそうなくらい。
時代が流れ、レコードからカセット、CD、MDなんて時代は一瞬で通りすぎ
今ではネットからダウンロードで最新の音楽が手に入る。
便利で手軽で
だけど、正直いえば紙ジャケット時代を知っている身としては少し寂しい。
本もたぶん同じ道筋を辿っていくのだろうと思うと、やっぱり寂しい。
ただ、紙ジャケットの時代に輝いていたスターたちが
流星では終わらずに今また続々と、再結成して世界ツアーに挑んでいる。
2010年。そんな大スター、大ミュージシャンたちに触れ
作り手は作り続けてさえいればいいんだという思いに行き着いた。
たとえ形が変わっても、作り続けてさえいれば。
ずっと遠ざかっていたブリティッシュ・ロックの世界
今、このタイミングで彼らのライブに行ける巡り合わせを幸せに思う。
ライブに行きたくてもチケットが買えなかったあの時代。
ようやくチケットが買える生活水準になったときには
仕事が忙しくてスケジュールを合わせることなんてできなかった。
もう音楽に熱くなる時代は終わった。
そもそもロックなんて、今ではもううるさくて聞けないよ。
そんなことさえ思っていたのに。
気がつけば、手を振りあげて、出ない声で叫んでいる。
ドキドキしながら全身が熱く燃えている。
そんな自分を、去年の私は想像すらできなかった。
まだまだ。お楽しみはこれからだ。
PS
バッドカンパニーとしての日本ツアーは実に35年ぶりなのだそうだ。
ギターのミック・ラルフスが急病で来られなかったけれど
それでも素晴らしいコンサートだった。
FREEをリアルタイムで聞いていただろう、わたしちよりもけっこう年上の
おじさんたちが大勢を占める会場が最初から総立ちだった。
構成がまた素晴らしく、知らないうちにバドカンワールドに巻き込まれ、入り込み、夢中になっていた。
ツアー内容など詳しいことは、natsuさんのブログをぜひ見てねん♪
natsuさんは23日、26日と2公演を制覇。
そのファン魂はわたしなんかの比ではない。
いっしょに行った26日が日本ラスト公演 。
バドカンではもう来ないと、ポールは言っているそうなんだけど。
また、来てほしいなぁ。
ポールも、ほかのメンバーもノリノリだった。と、思う。
途中で、ビートルズメドレーまで演奏してくれた。
アンコールの2曲が終わって、日本語で挨拶したので
さすがに終わりなのかと思ったけれども、
バドカンではなくFREEの曲で終わったんじゃないか(あやふや)という気がして
まだ、やってくれるんじゃないかと手を叩き続けた。
客席の照明はつかない。
まだ、帰りたくない。まだ、聴いていたい。まだ、ここにいたい。
心のなかで一生懸命念じていた。
と、最前列から歓声があがった。
natsuさんとふたり「ひゃ~」みたいなわけのわからない声を出して顔を見合わせた。
メンバーが袖から現れ、会場は割れんばかりの盛り上がり。
そして、さらにアンコール曲が2曲。
熱狂し、堪能した。やっぱりまだドキドキしていた。
そして、最後にポールは言った。
See You!! Take care!!
きっと、また、会えるよね。