スコ猫くまきち日和+ -2259ページ目

わたしが結婚恐怖症になったわけ①

それは幼い日に遡る。
物心ついたころから、わたしは人を観察する子供だった。
イヤなガキである。
いまのお母さんたちは違うけれど、わたしが子供のころのお母さんというと、みんなみんなデップリ太っているのが普通だった。
ぶっとい腕、ぼってりした腹、巨大な尻。
子供心に、お母さんになるとこうなるというイメージがしっかりと植えつけらてしまった。
スラリとしたお母さんなど、ほとんどいなかった。
くにこちゃんのお母さんと、マリちゃんお母さんぐらいだった。
しかし、後にこのくにこちゃんのお母さんには痛い目にあい、以後、お母さんは太っていなければならないという新しい意識が植えつけられてしまう。

くにこちゃんは、わたしより1歳とし上のお姉さんで、目がパッチリとしてスラリ背が高くて、お人形さんのような女のコだった。
憧れの女性といったところだ。
家が近所だったので、2年生ぐらいまでよく、くにこちゃんの家へは遊びに行った。お母さんもくにこちゃん同様美人で、そしてオシャレだった。
ある日、くにこちゃんとふたりで、お母さんの鏡台にある口紅やコンパクトを見て遊んだ。
ちょっとつけてみたりしたのかもしれない。
わたしの母が持っていないようなお化粧道具がいっぱいあった。
キレイな色や形のガラス瓶がいっぱい並んでいる。
それはそれは宝箱のような鏡台だったのだ。

その数日後、くにこちゃんちに遊びにいくと、困ったような顔でくにこちゃんが出てきた。

「今日は遊べない」

「なんで」

くにこちゃんは言い憎そうだったが、後ろでおかあさんが何か言っている。

「おかあさんが遊んじゃいけないって」

「なんで?」

「わたしは2年生だけど、ぷれこちゃんは1年生だから」

「なんで、それで遊んじゃダメなの?」

「ぷれこちゃんと遊ぶと、赤ちゃんになっちゃうって」

わたしがなかなか引き下がらないので、最後はお母さんが出てきたと思う。
有無をいわさず追い返された思いがある。

「さぁさぁ、、もう、くにこはのりこちゃんとは遊ばないから」

わたしには何がなんだかわからなかった。
今から思えば、遊んでいるうちに、お母さんの大事な化粧品の数々を台無ししてしまったことが原因だったのかなと思う。
しかし、そんなことはちゃんと言ってもらわないと、子供にはわからない。
言って叱ってくれたら、自分が悪かったとわかるのに。
わからないまま、ただ、拒否されてしまったのだ。
以後、くにこちゃんちには行かなくなった。
それまでは、毎朝、くにこちゃんを呼びに行き、学校へも一緒に通っていたと思うけど、道で顔があっても気まずい思いで、話もろくにできなくなった。
そのうち一家で引っ越してしまい、関係を修復する間もなく、幼心に傷がのこったまま時が経った。

な~んて大げさに書くと、こういうことなのだが。
何十年もたってるのに覚えてるんだから、けっこうショックだったんだろう。

キレイなお母さんにはトゲがある。

幼心に刻まれた教訓はなかなか消えない。

お母さんになると太る。
まれに、キレイなままお母さんになれた人にはトゲがある。
ゆえに、お母さんになるのはイヤだ。

根っこはたぶん、幼心に刻まれたこの3段論法だ。


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