最近、「1on1ミーティング(1on1)」という言葉をよく聞くようになりました。1on1ミーティングは米国のシリコンバレーで生まれたと言われています。日本でもIT企業大手が導入したことで1on1ミーティングの存在が広まり、採用する企業が増えているそうです。

1on1ミーティングとは上司と部下の1対1の定期的な面談のことです。短いサイクルで定期的に行うことが理想とされ、週1回、隔週1回などのペースで実施するそうです。では、面談とはどこが違うのでしょうか?

面談も1対1で行われますが、面談はどちらかというと個人のことについて話し合います。何か問題があればその問題を解決することが目的で、解決するためにどのようにするかを話し合い、具体的な対策を考えて共有することになります。解決策を多く知っている上司が中心となって話すことになるのではないでしょうか。

1on1ミーティングは、評価の場でも指導の場でもなく、上司が一方的に何かを伝える場でもなく、対話の場とされています。また、業務のことだけを話すのではなく、プライベートの話題や最近気になっているニュースなどの雑談を交えることも効果的とされています。ざっくばらんな対話の中でお互いの理解を促進し、信頼を深めていくのが理想です。

リモートワークの導入や業務終了後の食事会の減少などにより、上司や同僚を問わず職場で意識を共有する機会も少なくなっていますので、部下との対話のツールとしての1on1ミーティングが注目されているのではないかと思います。

上司が部下一人ひとりと向き合う頻度を増やし、異変があれば早めに気づき芽が小さなうちに対応し、解消することが大切です。上司は部下一人ひとりの個性や現在置かれている状況などを深く理解することで、その部下の強みを最大限に引き出して業務で成果をあげてもらうために、個別のアプローチがしやすくなるということもあります。

1on1ミーティング、面談のいずれにしても、上司は部下の話をよく聴き、ひとり一人の個性を肯定的に理解し、理解を示して欲しいものです。現代は変化が激しく未来予測が困難な時代とも言われますが、そのような中、理解してくれる上司がいることは大きな安心感につながります。

多様な個性を持つ人たちが、安心して活躍するために理解のある上司が増えることを期待します。



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