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PRAINSのブログ

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昨今配信放送で社会派のドラマや映画ばかりを観ているので箸休めという意味で

違うジャンルの作品を観てみようと思いU⁻NEXTのあなかへのお勧め動画に出て来た

1979年(昭和54年)公開の東映ヤクザ映画「総長の首」を観てみた。

 

ヤクザ映画の金字塔と言われる「仁義なき戦い」の完結編が公開されたのが

1974年(昭和49年)であり「県警対組織暴力」の公開が1975年(昭和50年)

僕は仁義なき戦いや県警対組織暴力をリアルタイムで劇場で観た世代じゃないが

個人的には1974年公開の「新・仁義なき戦い」もあまりピンと来なかったし

70年代半ば以降の東映ヤクザ映画でピンと来る作品が殆どないように感じる。

 

総長の首を観てみようと思ったのは仁義なき戦いには出演してない

鶴田浩二さんや安藤昇さん、清水健太郎さん、三浦洋一さんらが

出てる事に加えジョニー大倉さんが出演してるのも大きかった。

 

 

<あらすじ>

 

関東大震災の爪痕が残る東京・浅草。

全国に縄張りのある侠友会と浅草を根拠地とする花森組は

互いに敵対しながらも花森組組長・花森庄造(安藤昇)と

関東侠友会幹部・有田栄吉(鶴田浩二)が兄弟盃を交わしていたため

ギリギリのところで均衡を保っていた。

 

だが花森組傘下の愚連隊・血桜団のチンピラ、新堂卓(清水健太郎)

金井鉄男(ジョニー大倉)、長谷部稔(三浦洋一)の3人が賭場でアヤを

つけてきた侠友会組員を映画館内で射殺したことから均衡が崩れ始める…

 

 

いや~、仁義なき戦いとはまったく別物のヤングヤクザの青春映画なノリだった。

当作品は山口組の実際にあった1978年終結のベラミ事件がベースになっていて

岡田茂東映社長は実録でやりたかったがまだ事件のほとぼりが冷めてないという事で

山口組に遠慮して物語の時代が昭和初期に、舞台が浅草に変更されている。

この頃の東映はドル箱だった実録路線もそろそろ飽きられ興行収入が見込めなくなり

実録路線から離脱してフィクションの世界のヤクザ映画に本格的に力を

入れ始め東映は「ニュー任侠路線」と告知し売り出したそうだ。

 

東映は菅原文太さん以後スターが出てないし松田優作さん一人では辛いし

それで若手の清水健太郎、ジョニー大倉、小倉一郎、三浦洋一さんらを集めて

セットで売り出してその中から一人でもスターが出て来てほしいって戦略だったらしい。

しかし若手はギラギラ感が薄く、かなり物足りなく中途半端な作品になり興行的にもコケた。

実際に僕的にも仁義なき戦いと1984年(昭和59年)のジョニー大倉、柴田恭兵コンビの

「チンピラ」を足して割ったようなどっちつかずの印象が残った。

 

当時東映は当作品などのニュー任侠路線の出来が良いのに

あの程度の興行成績に終わったのはヤクザ映画というハードも

限界が来たという事で東映としてはヤクザ映画というジャンルをいつ

どういう形やタイトルで復活さすかが大きな課題だと思っていたそうだ。

 

 

実際にこの後ヤクザ映画は映画としてのコンテンツを徐々に失い

前出のチンピラや長渕剛さんの「とんぼ」のようなヤングヤクザ路線や

Vシネの軽薄なタッチに長らく取って代わられる事になる。

その後ヤクザ映画がスクリーンに戻って来たのは皮肉にも

北野武監督監督の2010年の「アウトレイジ」であり

東映としては2018年の「孤狼の血」だった。

 

てか、個人的には今でもヤクザ映画は好きなジャンルの一つだが令和の今の若者は

ヤクザ映画はチャンバラ娯楽時代劇作品と同レベルの感覚なのかな~とも思う。

娯楽時代劇が地上波から消えて久しいように現代に置いてヤクザを軸に扱う

映像作品は難しいジャンルなんでしょうね~。ジャンジャン!!