欧米諸国に後れを取っていた日本のバイク産業が欧米の真似をしながら
本格的にバイクの開発生産を始めたのは1950年代に入ってからの事だった
今では存在しない多くのメーカーが乱立していたが廃業や合併を繰り返し
カワサキがメグロを合併吸収した1960年代半ばに現在の日本4大メーカーが確立した
欧米車の真似から始まった日本製のバイクだが1960年代も終わりを告げる1969年に
奇しくも時を同じくホンダとカワサキが世界でも類を見ない独特のバイクを開発する
「世界最速」を社訓に2サイクル3気筒というSS500MACHⅢをカワサキが開発すれば
マン島レースで世界に名を売ったホンダはCB750Kという4サイクルOHC4気筒750ccという
当時としては、とてつもないマシーンを開発した
その後2サイクルは時代の長物として廃れて行くのだが4気筒というエンジンは1970年代以降の
日本製バイクの象徴として世界に認知され各メーカーが挙って4気筒を開発する時代になった
2サイクルエンジンがお家芸だったカワサキも時代の流れに沿うように
4サイクルエンジンを手掛けるようになったのが1973年だった
当時日本製としては最大排気量だったDOHC4気筒900ccエンジンを搭載した
Z1を北米市場に送り込み大成功を収めていたが
世界のホンダが満を持して対抗馬を開発販売したのが
1978年に発表して翌年輸出販売されたホンダCBX1000という
前代未聞の6気筒エンジンを搭載したモンスターマシーンだった
CBXが発売された1979年と言えば僕は高校1年生であり自動二輪の免許を取得して
バイクライフが始まった年と言う事だが、当時日本は自動二輪の免許制度の問題や
国内販売されるバイクは750ccまでという自主規制もありCBXは
あくまで雑誌の中のバイクであり現実味はなかったですね
国内販売されなかったCBX1000ですが僕は当時存在した
広の「畝モータース」というバイク屋さんで実車を見た事を覚えている
1979年当時日本は中型二輪と言われる400cc未満のバイクが主流を占め
同年発売になったZ400FXを見ても、僕の愛車だったCB400Fourより大きいと思ったが
CBXはまるでバケモノのように感じましたね~
CBXの生産により世界最速の称号はホンダが手にしたかと思われたが
世界最速を社訓にするカワサキはCBXの開発情報を耳にし
開発中の水冷エンジン6気筒を1200ccから1300ccに設計変更し市場に投入する
この辺りはカワサキの意地というかホンダに対しての強烈なライバル心を感じますな~
4気筒というメカニズムで成功した日本のバイクですが両社とも
気筒を増やせば偉いという認識だったのか? 笑!
この2台のバイクの出現は日本製リッターバイクの先駆けにもなりましたね
しかし世界中を探しても6気筒というバイクはこの2車種のみですが
開発コンセプトは大きく違うんですよね
ホンダCBXはGPレーサーRC166を模してワークスレーサーのイメージで
スーパースポーツとして開発されましたがカワサキKZ1300は
起伏が少なく直線が長い道路を巡航することに重点を置いたクルーザーとして
北米市場に投入されました
CBXはスーパースポーツとしては大柄な車体と重量と剛性不足のフレームもネックになり
大成功とは言い難く1979年~1982年という短命に終わりました
逆にKZ1300はクルーザーとして世界中のユーザーから愛され
10年以上にも及ぶロングセラーとして君臨したんですよね
僕の記憶では僕が初めてKZ1300を見たのは10数年前に尾道の
ショップに訪れた時だったと思います
当時世間は大型自動二輪免許の緩和で大型バイクのハーレーが町中に溢れ出た時代でしたが
大型バイクの代名詞のハーレーと比べても遜色ない車体の大きさに驚きましたね
現代において6気筒というバイクが市場にないという事は多気筒にすればいいと言う発想は
必ずしも正解ではなかったという事かもしれませんが、各メーカーが個性を出して
模索していた時代の産物として貴重な車両だと思いますね
僕は現在までこの2車種のバイクを実際に運転した事はありません
機会があれば是非乗ってみたいと思いますね!
2サイクル3気筒、空冷4気筒750cc、空冷DOHC6気筒1000cc、水冷DOHC6気筒1300ccと
個性を競い合ったホンダとカワサキですがスズキやヤマハは何をしていたのか?
スズキは1971年にウォーターバッファローと異名をとった水冷2サイクル750ccという
メカニズムを持つGT750をリリースしていますが1974年に何とロータリーエンジンを
搭載したスズキRE5を輸出モデルとして販売開始しています
1970年代に入りロータリーエンジンはその理論の優秀さからレシプロエンジンに代わる
未来のエンジンとして将来性を高く評価されており当時はスズキだけでなく
ホンダやカワサキ、ヤマハなど、日本の主要二輪車メーカーも次々と試作車を開発し
テストを繰り返していました
4輪メーカーとしてはマツダがロータリーエンジンの量産化に成功して
レースに置いても実績を上げていましたからね~
しかしエンジン本体から発せられる大量の熱への対策や当時の素材技術など
ロータリーエンジンの実用化へ向けた開発には様々な困難が存在し
スズキ以外の国内メーカーは商品化・実用化を断念していました
その中でRE-5は唯一市販化を達成したモデルとなりました
しかしロータリーエンジンの排気量の換算法を行うと当時の日本国内市販車の
排気量の自主規制値である750cc超えてしまうために日本国内市場では販売できず
輸出仕様車として日本国外でのみ販売になりました
ロータリーエンジン独特の全域でスムーズな回転フィールとフラットなトルクな特性が
ツーリングモデルとしてユーザーから高い評価を受けた反面
ロータリー搭載車特有の燃費の悪さにオイルショックが重なってしまい輸出台数は低迷します
結局2年間で僅か6,000台程度が生産・輸出されただけにとどまる結果となってしまいました
車体設計はイタリア人のデザイナー、ジウジアローだけあって個性的ですよね
特にメーター周りに特徴がありますね、まるでロボットみたいな感じですね
僕はRE5の実車はマッハの主治医のリプレイで何度も目撃しています
オーナーはRE5を2台も所有しているそうですぞ!
変態の極みですな~ 笑!
実はヤマハも量産はしませんでしたがロータリーの試作車を作ってはいます
ヤマハがヤンマーディーゼルと共同開発して1972年の東京モーターショーで発表されたRZ201
ヤン坊、マー坊の天気予報で有名なヤンマーってこんな事してたんですな~ 笑!
まあヤマハの功績と言えばSR400・500の単気筒大排気量の開発量産化と
時代遅れとされた2サイクルを青い流れ星と称されたRZで復活・再認識させたという事か・・・
現代において2輪・4輪ともどのメーカーも無個性で似たような物ばかりになってる
イメージがありますが、法律の規制もあり当時のような冒険は出来ないんでしょうな~
まあハイブリットや電気自動車がこれからの主流ですからね~
これも時代性でしょうが個人的にはちょっと残念な気がしますね
子供の遊びもハイテクなら乗り物もハイテクです
時代性に沿って便利で経済的で地球にやさしいってのはわかりますが
「これでいいのか?」 笑! ジャンジャン!!
おまけ
ヤマハと言えばトヨタと共同開発した往年の名車トヨタ2000GTが有名ですが
道路脇に生えていた高さ30m太さ1mの巨木が突然折れ倒れ通りがかった
トヨタ2000GTを直撃する事故があったとニュースで見ましたね~
この事故は富山県南砺市五箇山の国道で起こった事故だそうで
突然ブナの巨木が折れて国道を通っていた28歳男性が運転する車を直撃したとの事です
幸い男性は軽い怪我ですんだとのことですが車はご覧の通りのありさまに・・・
今年4月に名古屋のトヨタ自動車博物館で実車を見ましたが
本当にお気の毒だと思うしもったいないとも思いますね~
トヨタ2000GTと言えば現在相場も1億円とも言われる文化財並みの名車ですからな~
ここまで大破して復元・レストアできるのか?
もしレストアするとなったら天文学的な資金がかかるでしょうな~
てか、この事故って保険は下りるのか・・・?
しかし28歳でトヨタ2000GTのオーナーっていったい何者なんだ?
まあ相当の金持ちだという事は間違いないでしょうな~ 笑!