面白い話、不思議な話、ワイルドな話 -64ページ目

面白い話、不思議な話、ワイルドな話

自然を愛し、山を愛し

人を愛した賢者です。

表にはあまり出ることを

望まなかった

隠れた賢者の

言葉を書いてみます。

「よし。山の上にある神社だ。」

そう言ってばんしは車に向かった。

そこから自分が運転して
30分位で頂上に到着した。

子供の頃遠足に来た時は
とんでもない上り坂で、ケモノ道だった場所も
無数にあったのだが

神社の鳥居の近くまで舗装道路が整備されて
短時間で到着できるように変わっていたのは、ちょつと複雑な心境だった。

車は鳥居の付近に駐車して
歩いて神社まで登る。

200メートル位の
結構な上り坂が続く、ばんしと一緒に
息をはずませながら
わくわくして歩いた。

次の鳥居が現れた
その鳥居から20メートル位の石段があり
正面に拝殿が現れる。

一礼して階段を登り、二人で拝殿の前に立った。

ばんしは、目を閉じ
どっしりと立ったまま、両手はこぶしを握っていた。
数分が過ぎると
両手で合掌をされて、おじぎをされた。

自分も同じようにした。

神社のまわ地には小さなほこらがいくつもあった。
左側から、時計のまわる方向に
一つ一つ挨拶をして歩いた。

「ここに、ちゃんと神様はおられる!

山の下の谷などには、いくら人間がお願いしても
行かれるはずはない!
確かにここにおられる。」

つぶやくように、ばんしが歩いていた時
急に足を止めて、動かなくなった。
険しい顔になって、後ろにもどってから別の所を
歩いて行かれた。

一周回る途中の場所だった。

最後に拝殿の前で
ばんしは、大きな声で

「事代主の神!」

「日の神の名代(みょうだい)、、本日ここに礼をつくさせていただきます。」

と宣言されるような、大きな声で挨拶をされた。
おじぎをして、神社を後にした。

持って行ったのは、お酒と、お米と、おにぎり、それにおさい銭を
それぞれにお供えして帰った。

帰りの車の中で
「きちっとした神様がお祭りされている。」
「確かにここにはおられる。力の有る神だよ。」

「もしかしたら、九州、中国地方、あるいわ四国の一部
山陰はもちろんだが、関西あたりまで影響を及ぼす力をお持ちだった
かもしれないな?」

「えー。神様は世界で一つとか
そういう存在ではないのですか??

神様に担当する区域

があるのですか??」

ばんしは、自分が言ったことは本当に実行する人だった。

たとえその相手が、自分より目下の者であったとしても。

ばんしに
山の神さまを紹介されて運を付けてやるからと
トイレ掃除を手伝い

山からの帰り道は
ばんしの運転する自家用車の横で、死にそうな
恐怖感で座って
ばんしの自宅に連れて帰ってもらってから

数ヵ月が過ぎたころ

「私がお前の所に行くよ。」と言ってくれたのだ。

そのことを実家の両親に話すと

「そのような、なんでもわかる偉い方がお越しになって下さるのは
ありがたいが
私達は、どう対応していいかわからない。」

と緊張した。

「いいよ。神様がどのようにお祭りされているかを、龍王山と
氏神さまで
確かめて下さるだけだから。」

と言ったが
両親は、
食事はどんな物がいいかなとか

何をを話そうせばいいかなとか

服装はどんな物が失礼にならないかなとか

舞い上がっていた。


そして、ついにばんしは
自家用車を飛ばして
我が家に来てくれたのだ。

まずは自分がマイカーで、ばんしを乗せて
氏神様をお祭りしてある、子供の頃から

正月とか、お祭りのある10月には相撲を取っていた
神社に案内した。

境内に入って本殿から
ぐるっと一周回って、ばんしが言葉を発した。

「この神社の神様は、留守だ。」

「空き家だわ。」

「えー、神様がいないんですか???」

「ここは、空き家だ。この場所に神さんは
おられない。」

そう言いきったばんしだった。

ショックー。



自分が図書館で、龍の文字が付く山の山頂の
神社の歴史を調べた頃

うちの、おじいさんが元気だった頃に
こんなことを言っていた。

「龍王山の神様は大変きつい神様なのだ、
普通の者が正面からおがむと

あまりに神の力が強すぎて
物事が悪い方に向いたりするから

背おがみと言って、裏に回って
お願い事などは
裏側からするのだ。

過去、占い師に神社の関係者が聞きに行ったら
7つの谷がある石の多い、やせた土地。
そういう地形の場所に移転すると

きつい神様はおとなしい
神様に変わってもらえるという話を聞いてきて
ご神体は現在この
7つの谷がある石の多い、やせた土地で

お祭りしているのだ。」
こんな話をしていたことをうっすら覚えていた。

しかも、我が家の氏神様が
その7つの谷の神社だったのだ。

子供の頃はそこで
すもうをとったりしていた。

これは、ばんしに
言っておかなければと思って早速電話で話した。

「なに。神様を谷に降ろしたのか!

神社を下に降ろしたのか!

それは、駄目だ。

とんでもないことだ。

神様でも、お墓でも
低いい所から高いところに上げてお祭りするのは良い。

しかし、下げるのは非常に無礼なことなのだ。
神は承知されないと思うな。」

「バカなことをいう、占い師の話を聞くからだ・・・・」

そう最後につぶやくように言われた。

「今度機会を作って、私がその神社を見に行くよ。」

「必ず、言ってやる。」