「始皇帝と大兵馬俑」展を観に、人生初の九州国立博物館へ。太宰府天満宮の奥、エレベーターで丘を登ると驚くほど大きな九州国立博物館が。
先にタイアップ・同時開催していたキングダム展を覗く。
キングダム展の先には兵馬俑のトリックアートも。
そして、始皇帝と大兵馬俑展に入場。
展示品の数々に、ただただ圧倒された!
玉環や玉の胸飾りなど、玉で造られた装飾品の数々の華やかさ。勿論、複製された物はあっただろうけど、秦以降の皇帝に受け継がれていった伝国の玉璽も玉製。金よりも価値が上とされた玉がどの様に使われてきたのかがよく分かった。
展示の目玉の一つ、玉剣と金鞘。金鞘の細工が本当に綺麗で状態も良くて、よくぞこの状態で残っていたなと感動した。
30cmほどの玉剣に、荊軻による始皇帝暗殺未遂で使われた匕首はこのような物だったのだろうかと想像してしまった。
魏国の漆器である陶胎漆壺、鼎などの青銅器、香炉……私が思っていた以上に華やかな文化や高度な技術があったのだと驚く。
石製の下水管には2200年以上前から下水道があったのかと心底驚かされた。
度量衡や通貨の統一で使われた重りや銅銭、官吏の印の封泥は字が読めるくらいに残っている物が展示されていて、これらもよくぞ残っていたなと感動。
展示後半の目玉の一つ、1号・2号銅車馬。
始皇帝が巡幸で使った御車もこのような物だったのだろうなと。複製とはいえ、壁の模様まで分かる物で当時の空気が伝わってくるかのようだった。
最後の部屋には、複製と本物の兵馬俑(将軍俑、軍吏俑、歩兵俑等)が展示されていた。
展示室にはスロープで降りれるようになっていて、その途中で展示の全容を俯瞰できるようになっていた。これは、多分実際に兵馬俑が埋まっていた坑を意識してのことだろう。
本物の兵馬俑は、部分部分が破損していて、それに時代を経て伝わってきた証のような物を感じた。
同じ部屋に、再現された弩弓や、70cmほどの銅剣も展示されていて、長い戦国の世の名残りを感じた。
この銅車馬と兵馬俑、銅剣や弩、他の部屋にあった戈は、私の始皇帝のファーストインパクトである、横山光輝先生の「項羽と劉邦」に描かれた世界や秦兵の姿そのもので、横山先生の丁寧な取材と画力の高さを、今更ながら実感した。
最後の展示は始皇帝陵こと麗山陵での祭祀に使われた壺?状の「麗山園」缶(ふ)。
始皇帝の死後、3年で秦は滅びる。始皇帝の祭祀もそこで途切れ、壺にその儚さを感じた。
始皇帝陵の地下は、水銀の海や宝石の空といった「始皇帝の死後の世界」が造られたという。横山光輝先生の「項羽と劉邦」の中でそれが描かれていて、小学生の頃、それを読んでずっと始皇帝陵の中を見てみたいと思っている。この展示会でその片鱗を見れた気がした。
福岡展の次の大阪展も時間が合えば行ってみたい。
出口には物販コーナーと複製の兵馬俑で記念写真を撮れるコーナーがあって、賑わっていた。
さらに「キングダム」とのタイアップの記念撮影コーナーには、始皇帝展のパネルに、原泰久先生直筆の信のイラストとサイン、アニメ2期からの信、嬴政、王賁、蒙恬の等身大パネルが!