映画感想:「空へ ―救いの翼 RESCUE WINGS―」 その1 | PERFECT PERSONAL WORLD

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西に東に、はてしない追っかけ日記

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考えたら、「さら電」→電車、「レッドクリフ」→船、「ハッピーフライト」→飛行機と続いていた、乗り物シリーズ(笑)ラストはヘリコプター!

さて本作は、かつて母を救った、航空自衛隊航空救難団に憧れ、女性初の救難ヘリのパイロットとなった、川島遥風の成長物語。

手塚昌明監督は、プロデューサーの鍋島氏から依頼があった時に、話の筋を聞いただけで「自分の映画だ」と確信したという。

監督のデビュー作「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」から、前作の「戦国自衛隊1549」まで、手塚監督の映画は、常に自衛官が主役である。
今作も、原作者・福井晴敏の色が強かった「戦国自衛隊1549」以外の、ゴジラ3作と同じく、今作の自衛官達も、「命を救う」ことから、その「困難から逃げない」 、その一方で、仲間同士で「支え合って生きている」ことがテーマとなっている。
ただ、決定的にゴジラ3作と違うのは、ゴジラ3作の「命を守った」主人公達と違い、遥風が「救えない命もある」ことを知り、それを乗り越え、成長していく主人公であるというところだ。
遥風は、自分のミスで上官や同僚を死なせてしまった、「ゴジラ×メガギラス」の辻森桐子や、「ゴジラ×メカゴジラ」の家城茜のように、暗い過去を背負った、「笑わない」主人公ではない。
母を救った、航空救難団になるという夢を叶えた主人公だ。それ故、「救えない」ことの現実を「乗り越えて」成長していく姿が、時に健気に、時に凛々しく見えるのだ。
実際には、現時点て救難ヘリの女性パイロットは存在しないという。

それ故か、手塚監督の演出はリアリティを伝える為、淡々と、自衛隊の活動を描写していく。
同種の映画として、「海猿」や「252」があるが、敢えて同じように、ドラマティックな、過剰な演出は控えているように思うのだ。
かえってそれが、救難活動の困難さを伝え、観ている側をやきもきさせ、画面に釘付けにさせている。

また「支え合う」姿を描くのに、「ゴジラ モスラ メカゴジラ 東京SOS」の主人公・中條義人と同じく、整備士の視点を入れ、ゴジラ3作の主役達同様、主人公を厳しく、温く見守る、上官=大人の視点を配している。

そういう意味において、まさに、「手塚昌明監督の映画」といえるだろう。