時代を映す音 前編 | カボチャ大王 rock'n'


Hard to Say I'm Sorry/ Chicago








音楽はいつも時代を呼吸している。

ロックを含めて、音楽は時代の空気を反映している。

その意味では、その時代につくられる音は、

その時代を映す鏡だとも言えるだろう。




名だたるロック・グループの多くは、
1960年代後半から70年代初めにデビューし、
解散やメンバーチェンジの危機を乗り越えながら、
長いものでは、現在も活動を続けているグループも多い。
そしてその間、それぞれに音の変遷を繰り返しながら
変化、成長してきているのだ。



いっぽう、個々のアーティストやグループの
純粋に内的な変化ではない部分で、
その時代に受け入れられやすい、
もっと直裁に言うなら「流行」する音が存在する。



重い時代には、やはり重い音が、
そして軽さが求められる時代には、
やはり軽い聴きやすい音が流行ることになる。


時代による音の変化でも、とくに象徴的なのは

1960年代後半から1980年代にかけての変化だろう。


特に1980年代は、世間全般が、オシャレ、華美、
そして重くないことが珍重される方向に流れる中で、
ロックの世界もA.O.R全盛の時代を迎えることになった。

1970年代に、大きく成熟・安定したロックは、

1980年代になると、音の主流も「大きい」「重い」「激しい」から、

より軽い、聴きやすいポップなものへと変化していった。




その典型的な例を、Chicagoにも見ることができる。
今回ご紹介する曲は、そのシカゴの
1980年代に時代の流れに乗って変化した「変化後」の姿だ。


シカゴは、すでに1976年代に If You Leave Me Now (愛ある別れ)が

ヒットして、バラード路線を開拓していくことになったが、

1978年、主要メンバーのひとりテリー・キャスが事故で他界、

そしてデビューからプロデュースを担当してきたジェイムズ・W・ガルシオの

手を離れた時点で、シカゴは大きく変化していった。



その後、1982年には、Hard to Say I'm Sorry が空前のヒット、
メロウでポップな方向に変針した、新生シカゴの復活を印象づけた。


どちらかと言えば、これらの時期のシカゴの曲に

聞き覚えのある人が多いのかもしれない。

そして、シカゴと言えばこのようなA.O.R系のグループだと

思っている人も多いのではないかと思う。



しかしこのような変化を遂げたシカゴは、当然、往年のシカゴではない。
あのホーン・セクションを前面に押し出した独特のスタイルのシカゴではない。


デビュー当時を知るファンにとっては、「これがあのシカゴなのか……」

と、絶句するしかなかった。

それほど、十年という時の流れと、時代の潮流の変化は大きかった。





Hard to Say I'm Sorry 1982
参照例URL↓
http://youtu.be/A8nueffa1ak