The Messiah Will Come Again
/ Roy Buchanan
玄人受けという言葉がある。
なぜか、プロのミュージシャンやギタリストから慕われるギタリスト。
ロイ・ブキャナンもそんな一人だろう。
クラプトンが彼の全音源を持っていただとか、
ストーンズが彼にグループ加入を正式にオファーしていただとか…。
シャイで寡黙で実直。
テレキャスター1本で勝負する、
まるで刀一本で勝負する剣豪のような存在だった。
彼のバックボーンには、さまざまなジャンルの音楽がある。
カントリー、ジャズ、ブルース、etc…。
それは当然彼の音楽スタイルやプレイにも表れる。
しかしそこから紡ぎ出される音は、
まぎれもなくロイ・ブキャナンだけの音だった。
ピッキング・ハーモニクスやボリューム奏法などの
テクニックもさることながら、ブルージーで
哀愁を帯びたテレキャスターは、彼独特のものだった。
のちにレスポールに傾くことがあっても、
やっぱり似合うのはテレキャス。
彼が初来日した時、彼の人気は絶頂にあった。
学生だった拙者のところに、ひょんなつながりから、そのコンサートの
ローディのアルバイトをしないかという話が来た。
てっきり器材の搬入出の仕事だと思って行ってみたら、
会場内の警備のアシストの仕事だった。
舞台上手の端、ステージのすぐ下で、振り返ると
十何メートルか斜め後ろに彼がいた。
彼なりにパリッとしたステージ衣装だったのだろうが、
ステージ上の姿には、まさに野武士の雰囲気があった。
PAから飛び出してくる音は、硬質ながらも、
やはりブキャナンらしいウエットなフレーズ。
ピックでなく、コインで弾いているという噂があって、
手元を見たがよく見えなかった。
結局、それが彼の姿を直接見た最初で最後の機会になった。
彼のステージを、観客としてではなかったけれど
至近距離で見ることができたのは、ほんとに幸運だった。
それから十年あまり後に、彼は亡くなった。
仕事だったし後ろ向きだからちゃんとは見れなかったけど、
もう少ししっかり彼の姿を目に焼き付けておけばよかった、といま思う。
今回はやはり当時人気だったこの一曲、
「メシアが再び」
参照例URL↓
http://youtu.be/deeBQZ8Aklc