
あいにくの寒い雨で、ANAコンチネンタルホテルの中を横切って、サントリーホールに向かった。


1曲目、ニールセンの序曲。ホルンが前面に出て活躍する曲だが、ミスが出やすいこの楽器を、ソロでなくパーツとして押しだした。
その試みは面白い。しかし、いかんせんニールセンには旋律も、リズムも、ハーモニーも魅力に欠けるところがあって、もう一度聴く? と問われれば否定的にならざるを得ない。
2曲目。

ヴァンスカの指揮は、ロマン派の始祖としてのベートーヴェンに焦点を当てる内容。対して、ピアノのバルナタンは、モーツァルト的な愉悦に溢れた演奏で、両者は最後まで歩み寄ることはなかった。とくに長大なカデンツを軽々と煌びやかに弾ききると、バルナタンのピアニズムは冴えわたり、ソロが終わるたびに体を大きくオケに向けて、鼓舞するように煽っていたのが印象的だった。
短いアンコールもその延長で、一気に駆け抜けて、最後はガッツポーズ(笑)。

さて、当夜のクライマックスは、やはりメインのプロコフィエフだ。
この曲は、ロストロポーヴィチや広上淳一らの生演奏に接しているが、どうも全体像のはっきりしない、よくわからない曲だった。
当夜のヴァンスカは、この難曲を見事に解きほぐしてくれた。緊張と緩和を緻密に繰り返しながら、途轍もないクライマックスを大波のように形作る技は圧倒的で、最後はスタンディングオベーションも出た。オケも快演。



こういう経験があるから、生のコンサートはやめられない。
































