岡潔とオッペンハイマー | 出ベンゾ記

出ベンゾ記

ベンゾジアゼピン離脱症候群からの生還をめざして苦闘中。日々の思いを綴ります。

少し前のことになるが、NHK映像の世紀で、原爆の父と呼ばれた物理学者オッペンハイマーの生涯をたどる番組を放送した。


映画の公開を見据えての放送だったのか。それはともかく、このドキュメントを見ておけば、映画は見なくともいいというような、質の高い番組だった。





オッペンハイマーは、原爆開発の急先鋒であったが、日本への投下後、さまざまに苦しんだようだ。



その有り様を見ながら、私は、数学の天才・岡潔の次の言葉を思い出していた。



〈理論物理学はド・ブローイ、アインシュタインが相ついでノーベル賞をもらった一九二〇年代から急速にはなばなしくなり、わずか三十年足らずで一九四五年には原爆を完成して広島に落した。(略)いったい三十年足らずで何がわかるだろうか。わけもわからずに原爆を作って落したのに違いないので、落した者でさえ何をやったかその意味がわかってはいまい〉(岡潔)




岡の言葉は、オッペンハイマーに届いていたのか。