滅びゆくモザイク壁画を追って1(旧中野区庁舎) | 出ベンゾ記

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ベンゾジアゼピン離脱症候群からの生還をめざして苦闘中。日々の思いを綴ります。

中野区役所が新築なって、すでに機能は新区庁舎に移っている。



上の写真の右下手前で旧区庁舎は解体を待っている。



私は新区庁舎の完成が近いのを把握していたし、完成すれば旧庁舎に立ち入れなくなることも承知していたが、なぜか気になりながら足が向かなかった。

失敗だった。

先日来、読んでいた昭和のビルに関する本に、矢橋六郎という洋画家の話が出てくる。矢橋の実家は大理石を扱う会社をやっていて、彼も経営に関与していた。




その関係からか、矢橋はモザイク壁画の制作に没頭し、50年代から80年代にかけて、全国の大手のビルの装飾を次々に手掛けた。

その矢橋のモザイク壁画が、なんと旧中野区庁舎にあったのだ。

以下の写真はすべて借り物となる。



矢橋六郎作「武蔵野に想う」。











そして、中野区のホームページには、次のような記述が…

〈中野区役所の移転に伴い、「武蔵野に想う」は移転先を見つけることが難しく、解体されることになりました〉(中野区役所HP)

なんということだろう。

下に掲げた一覧は、有徳の士がWeb上に公開している矢橋作品のリストだ。









多くの作品がすでに失われ、表で有とされている作品でも、ビル本体の解体が決まっているものがあり、安心できない。

ユーチューブには、中野区が制作した動画がある。せめてもの罪滅ぼしというわけか。


壁画上階の硝子ブロックも懐かしい。