木造2階建て。天井断熱グラスファイバーマット(防湿面あり)、小屋裏は軒裏換気のみという条件です。
小屋裏の温度と湿度、7月26日のグラフです。
もし空中の蒸気量が変わらなければ、温度が上がれば湿度は下がることになります。逆に温度が下がれば湿度は上がることになります。
例えば10度で100%の空気がそのまま水蒸気の量は変わらずに40度になると湿度は18%になります。
次に同じ日の2階廊下の温度と湿度のグラフです。
逆に40度100%の空気が水蒸気の量を変えずに10度になった場合の湿度は計算上では550%になりますが、そんなことは無いので湿度は100%のままで、代わりに450%分の水が発生します。これが結露と呼ばれるものです。450%分の水がどれくらいかというと、1㎥(一立米)あたり41.9gの水が生じ結露になる感じです。
参考までに小屋裏の2月の温度と湿度、月間グラフです。
温度によって空気中に水蒸気でいられるその量が変わるというお話ですが、気圧によっても変わります。なので、あくまでも理論上の数字とご理解ください。
空気が含める水蒸気の量は10度刻みでおおよそ倍の量になります。
湿度が低いのに、冬に部屋干しの洗濯物が乾かないのは、空気に逃げることができる水分(蒸発できる量)が少ないからです。温度が高いと洗濯物がよく乾くのは蒸発できる水の量が圧倒的に多くなるからです。
興味の湧く人にとっては興味津々だと思います。
冬にもかかわらず湿度が高めですが、2階廊下で部屋干しを行っていて、小屋裏の計測はその真上で行っているのが関係しているのかもしれません。
以上、実際の屋根裏と室内の温度と湿度の変化に関するご紹介でした。
屋根裏の換気が十分に機能しているか?
これは屋根を健全に保つため、そして住環境を良好に保つためにも重要な事ですが、法令上に屋根裏換気に関する定めはありません。ちなみに、結露に関する法令上の直接的な定めもありません。
そう、だから結露よりも法令に定めのある防水に重きを置いた施工法にならざるを得ないのです。バルコニー天板に通気口を設けないのは防水的には塞いでしまった方が良いからです。ただし長期に渡り優良な住宅ではなくなります。
話がそれましたが、小屋裏の換気は、それがきちんと行われているかは確認のしようがありません。
住宅支援機構がいう面積の1/250以上の換気口があるかどうかくらいは見れば分かりますが、家を購入した者としては生活上支障があるか?結果的に問題(カビの発生など)が生じたか?がその判断のきっかけになるに過ぎません。
当家では温度湿度を計測しています。地味な雨漏りが発生したときに湿度の加減でそれが分かるかもしれないかな?という理由からですが、外気と内気、風向きなどと比較してデータ化したら、もしかしたらですいが小屋裏換気の確認に有効になるかもしれません。
*グラフについて
アイダ設計の建売では2階の天井に防湿シーㇳが別貼りされているわけではないので室内状態の影響が強く出ているかもしれません。