こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
先日ご紹介した記事はFacebookで5,000人にリーチし、Twitterで130シェアされ、僕の記事をシェアした人々にも大きな反響がありました。
参考:マラソンレース中にロキソニン(痛み止め)の副作用は心臓や消化器官にダメージ
近年、ウルトラマラソンの人気が高まっています。世界各地でのレース数は2015年には1,357大会に達し、毎年7万人を超えるランナーが参加しています。
今日はウルトラマラソンなど長距離持久系レースにおける痛み止め服用の弊害について。
「ウルトラマラソンレース中に、イブプロフェンなどの痛みを和らげる薬を使用することは急性腎障害のリスクを2倍に増加させる。」
参考記事:Pain reliever linked to kidney injury in endurance runners
スタンフォード大学医学部、ワシントン大学ほかいくつかの医学研究者の調査・研究によれば、
・ウルトラマラソン愛好家の75%が、レース中に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用している。
・100マイルを超える長距離持久レースでの実験で、痛み止めを服用した89人の参加者のうち約39人が、50マイルを過ぎた地点で急性腎障害を引き起こした。
・イブプロフェンを服用したランナーの5人に1人に急性腎障害があった。腎不全により入院したランナーもいた。
・アイアンマンレース完走の3日後、過酷な運動に伴う脱水症状と横紋筋融解による腎不全により男性が死亡。40歳だった。
レース中に服用した量が多ければ多いほど、その悪影響も大きいという調査・研究もあります。75%ということは、10人中7人!ウルトラマラソン大会で皆さまの右左を向けば誰かしら痛み止めを所持、所持していない人を探す方が難しいということになります。
(注釈)写真はフリー素材で、ロキソニン画像ではありません。
ブログで記事を公開して以降FacebookやTwitter、メールなどで多くのシェア、コメントがありました。
サプリは食品ですが、痛み止めは薬です。30分や1時間おきに飲むようなものではありません。いただいたコメントやメールから一部のランナーではサプリ感覚になっていると感じました。
使用に関して個人の自由だと思いますが、手に入れて喜ぶものではないことは確かです。
「とりえあずロキソニン飲んどけ!」とは、暴言ですね。繰り返しになりますが食品ではなく、薬です。時折トレイルでひざや足が痛くなった人に対して、「ロキソニンを持っているけどあげようか?」と気軽に話す人がいます。本人はよかれと思ってのことだと思いますが、薬をこのように安易に手渡すことは本来はNG。もしそれで薬を服用した相手が症状を悪化させたり、死亡してしまったりしたら?手渡した人にも問題が出てきます。その人がどんな持病を抱えているのかもわかりませんし、日ごろどんな薬を常用しているのかもわかりません。
僕の身のまわりではランナーで職業が薬剤師・医師の方で痛み止めを常用している人を一人も知りません。みんな薬を飲んで長時間激しい運動をすればどのような影響があるのか、そのリスクや悪影響について知っているからだと思います。
これだけマラソンレース中の痛み止め使用においてランナーの関心が高いにも関わらず、痛み止めに関して調査・特集したランニング雑誌がほとんどないのはなぜでしょう?
時折「ランニング中の胃腸トラブル」特集などはありますが、原因分析の中に「痛み止め使用をしたかどうか?」について触れられていることはほとんどありません。
個人的には、「そのような特集を組んでもランニングシューズメーカーやサプリメント会社、その広告主に何のメリットもないから。」だと考えています。薬局で薬が売れようと売れまいと彼らには関係がありませんから。
ウルトラマラソンや100キロを超えるトレイルレースの人気が高まるにつれて、一般に市販されている薬がどのように生理学とパフォーマンスに影響を与えるか、そのリスクも含めて知っておくことが重要です。
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