紀元前241年の中国・春秋戦国時代。
楚(そ)・趙(ちょう)・燕(えん)・韓(かん)・魏(ぎ)の五ヶ国による合従軍(がっしょうぐん)が秦(しん)を侵略すべく攻撃を開始。
秦は国門・函谷関(かんこくかん)の攻防戦で合従軍を何とか食い止めたように見えたが、合従軍の発起人である敵の知将・李牧の計略により、秦は一転して滅亡寸前まで追い込まれる。
首都咸陽(かんよう)が諸事情により戦える状況にないので、計らずも秦国最後の砦となってしまった蕞(さい)の街で李牧軍を食い止めるべく、秦国大王の嬴政(えいせい・後の始皇帝)が自ら撃って出ることになった。
キングダム最大の盛り上がりどころである合従軍編の中でも、特に見せ場中の見せ場である蕞の攻防戦に、ようやくアニメ版が到達。
原作漫画はアメトークのキングダム芸人で取り上げられるなど、日本でも、そして海外でも評価はのきなみ高い。
しかしアニメのほうはと言えば、まず1期がなぜか地上波放送ではなくNHK-BSのみで開始。そのせいで当初から視聴できる人は限られ、出だしから大きくつまづくことになる。
更に1期・2期の出来の悪さのせいでファンもがっかりして、以降見なくなる人が続出。
(2期の時は1期と比べて作画の方はかなり改善していたが、合戦CGはまだイマイチ。)
3期に至っては間の悪いことにコロナのせいで制作サイドの都合が付かなくなり、途中で長期中断に追い込まれる。1年後にようやく再開されたのだが、再開に気付いていない人も多いようだ。
このようにこれまでの諸々の事情により、アニメの方の盛り上がりはかなりイマイチになってしまっている。
しかし、3期に入ってからのアニメは文句ない出来の良さで、特に今回の政の檄(げき・決起をうながす)の場面は、声優の名演技も相まって目頭の熱くなる渾身の出来と言っていいレベル。
経済性を考えると厳しいとは思うが、できればこの3期のクオリティーで1期・2期をリメイクしてくれないものかと。
制作委員会が主導してクラウドファンディングとかすれば世界中から資金が集められるかもしれないけど、果たしてそううまくいくかどうか。
今後も動画配信サイトで1期から見ようとする人は世界中に出てくるはずで、それらのうちの多くの人が、1期・2期の出来の悪さのせいでこの渾身の3期19話までは見ることがないのだろうと思うと、本当に残念でならない。
