[追記あり]そして再び時は動き出し・・・ "新しいアイディアと響き"と共に、彼女達は歩みを進める
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いつか一人の国から便りが届いて
だから行かなきゃ 行かなきゃ
結局ゼンマイは巻かれた
だけど最後の国から便りが届いて
すぐに行かなきゃ 行かなきゃ
結局ゼンマイは巻かれた
○『再生 (2019年)』
作詞 : 中田ヤスタカ
作曲 : 中田ヤスタカ
歌唱 : Perfume
*確定情報ではなく、パワーわんこの試聴による解釈
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冒頭のサビ部のあと " 時計の秒針が動き出す " といった響きがインサートされたと思いきや、甲高いスネア音色の連打のフィルインが響き渡る。こんなにも甲高いスネア音色を、しかも連打のフィルインって・・・・・・ Perfumeの過去の楽曲群で用いているのって・・・・・ 無かったよなぁ。
今週月曜日の『Perfume LOCKS! (TFM系)』 にて、11月28日デジタル配信でリリースされる『再生』が初披露されて、当然オレもリアルタイムで聴いたわけだ。
さて、こんな感じの " 甲高いスネア音色の連打のフィルイン " の要素って・・・・・ CAPSULEのアルバム・『Cutie Cinema Replay(2003年)』で用いられている感じだろうか。最近であれば、きゃりーぱみゅぱみゅ氏のシングル・『ファッションモンスター(2012年)』で用いられたぐらいか。いずれにしても、このような要素を入れてくるのは、Perfumeの楽曲としては初のことだろう。
ベストアルバム『Perfume The Best "P Cubed"』のオープニングを飾る、「Challenger」においても " 時計が動き出す " といった響きがインサートされていることも象徴的だが・・・・・・・ 『Reframe 2019』を彼女達が無事に終えたタイミングで " 再び時が動き出す " という表現の後に、Perfumeの楽曲群としては初のアプローチを入れている。
たとえ映画のための書き下ろし楽曲だったとしても " このような要素 " を確実に入れてくる。中田ヤスタカ氏は完全に狙っているんだろうなぁ(笑顔)。だからこそ "楽曲のリリース日までも考慮し、そこにこだわりを持って楽曲制作をする " といった、稀有なサウンドプロデューサーなのだろう。凄い。
そして、中田氏が語った " この楽曲のイメージ・ストーリー " が非常に興味深い。
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「あ~ちゃん : なんか・・・・ 中田さんが言ってた物語?メモしててさ、『ぱっと目が覚めると1人だけで目が覚めて、宇宙船の中で。自分がアンドロイドみたいな形になってたんだって。でも自分が人間だったっていうことに気づくまで時間かかって』、みたいな。」
「のっち : わぁ・・・ おもしろい ! 」
「あ~ちゃん : 『その新しく作られるアンドロイドをまた運転させて人間を探せるっていう物語で。それが10万年とかすごい時間の中、巡り巡って繰り返されてるみたいな。再生成されてるみたいな。』 それ聞いて、映画の主題歌だって言ったから。映画もその時見てなかったから、そんなやつなんだぁ!?」
○『新曲「再生」初フルオンエア!!&Reframe 2019の感想をより具体的に研究せよ! ( 『Perfume LOCKS! 』) 』より
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たとえ映画のための書き下ろし楽曲だったとしても " その映画の世界観からインスパイアされた自らアイディア "を、しっかりと楽曲に織り込んでいく。こういった " クリエーターの主張 " というものは、時として依頼された世界観と相反して・・・・・ ボツ楽曲になることも多いことだろう。
しかし、この『再生』という楽曲は、映画の世界観とバッティングさせず、むしろその表現をより深く重層的なものにしていく・・・・・ だからこそ、ボツ楽曲とはならず主題歌として採用されたのだろう。
この楽曲を聴いていて・・・・・・ 先週の土曜日に放映された、『SWITCHインタビュー 達人達(E-NHK)』にて、Perfumeのプロジェクトに長年携わっている菅野薫氏(Dentsu Lab Tokyo) が語っていたことが、ふと脳裏に浮かぶ。
気骨あるクリエーターというものは・・・・・ こういう心意気で仕事に臨んでいるのか。しかし " この男 " が語ることも・・・・・・ また全く同様なのだ(笑顔)。
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「中田 : 僕は "発売される" っていうことが大事だと思う。"発売するための曲" じゃなくて、"やりたい曲が発売される" っていこと。多分、ミュージシャンって会議が苦手なんですよ。『ダメ』って言われたら、『なんでだよ』ってなると思うんですよ。『あいつらわかってねーよ』って、そこで終わっちゃうじゃないですか。『これ、そのまま何とか出せないか?』っていう方法をあんまり探さないっていうか。」
「中田 : でも、僕は粘るタイプなんで。今までに『ダメ』って言われたものでも、結果的に出る場合が多かったと思います。これはcapsuleに限った話じゃないですけど。仕事の中で、『直してくれ』とか『コンセプトに合わない』っていうときがあっても、最終的に世の中に出るものは自分が納得できていないものは出ていない。それは確かに難しいですけどね。」
「中田 : まぁ、実際、今の音楽業界って、やりたい事をやったら出せないっていう仕組みになっていると思いませんか?」
「ライター: そうだね。基本的にはそういう感じだね。」
「中田 : でも僕は出せているんですよね。」
○『MARQUEE』vol.74(2009年) より
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エンターテイメントをビジネスの視点で考えると、前例の無い新しいアイディアや新しいアプローチはなかなかリスクが高く、できれば避けたいというところが人情だろう。むしろ安全パイのアプローチというものの方が大歓迎というところだろうか(苦笑)。
しかし、それでは何も進歩していかないし・・・・・・ 新しく刺激的なエンターテイメントを求めている層には訴求できず、いずれは見捨てられていく。何事にも "妥協点を見つけること " と "それでもリスクをとって前に進む勇気 " というものが " 新しいバランスの作品 " が生まれてくる必然的な要素なのだろう。
そして再び・・・・・・ " 時は動き出し " て、 "新しいアイディアと新しい響き" と共に、彼女達は新しい世界へと歩みだし・・・・・ 再構築されていく。
この『再生』という楽曲は " 彼女達の2020年へ" と牽引していくものとしても・・・・・ 相応しい楽曲ではないのだろうか(笑顔)。
[○追記・12日am8:40]
昨日に、『再生』のMV(movie ver.)が公開されたわけだが。
軽快なリズムと画面転換がかなりマッチしていて・・・・・・・ 楽曲のプロモーションとしても、また映画のプロモーションとしてもかなの良いかも(笑顔)。
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