[追記2あり] 千年もの時を越えていく歌。千年もの時を越えていく響。 | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

[追記2あり] 千年もの時を越えていく歌。千年もの時を越えていく響。

*オリジナルエントリー・2018年3月26日

 

 

 

 

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『既成概念や常識が、音になる前の "音 " を聴き分けられなくする。一線を越えて・・・・・  " その音 " を自分の物にする。』

 

 

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やはり、オレは "真正直で一途なもの" に心惹かれるんだなぁ(笑顔)。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて昨日ようやく、映画・『ちはやふる -結び-』を映画館で観てきた。率直な感想をいうと、この映画は近年の日本の青春映画の中でも傑作なのではなかろうか。そして三部作を通して考えると、もはや青春映画の金字塔を打ち立てたといっても過言ではないくらいの作品の魅力と完成度。素晴らしかった(笑顔)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はオレはこの作品の「上の句」と「下の句」は、BS波で鑑賞しただけで映画館では観ていなかった。高校生が主人公の青春映画ということもあり、客席では世代的にちょっと浮いてしまうことを懸念していたわけで(苦笑)。それでBS波で「上の句」と「下の句」を鑑賞したときに、大人も十分に楽しめるストーリー構成や出演俳優陣の実力の高さ、そして監督のディレクションのレベルの高さに感心し、続編の「結び」は、必ず映画館で観ようと決めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、今回の「結び」のテーマは、一見 "三角関係の恋愛模様" と思いきや、それはプロモーション用の訴求ポイントのようで、実際のテーマというと「自分の生き方への模索と決断」と「思いや思想を後進に受け継ぎ、後世に残す」というところだろうか。そしてこの三部作を俯瞰するような、さらに練られたストーリー構成であったことが印象的だった。そして伏線の張り方とその回収が絶妙で秀逸すぎる。

 

ネタバレにならない範囲で書けば、例えば「結び」で重要となってくる "あるシーン" の一つは、実は「上の句」の前半のシーンでの舞台道具がキーワードとなっており、この「結び」でそれがリンクしてきたことに驚かされる。この見事な "伏線とその回収" がいたる所に散りばめられており、それが感動を増幅させていくのだ。この三部作を見越してのシーンや脚本設定なのか。それとも原作がこのような設定になっているのだろうか。十分に練られたストーリー構成に、鳥肌が立つほど感動した。この作品の小泉徳宏監督は脚本も手がけているのだが、その力量の高さが伺える。

 

 

 

そしてこの作品で印象的だったのが、その前半部が「上の句」・「下の句」とは違って、かなり抑制的な表現で、しかも劇伴 (劇中伴奏音楽) もかなり少なく感じたところだった。もっと言えば、作品全体を通してみても " 無音 " が所々に効果的に用いられているのが印象的で、作品全体に漂う緊張感を上手く表現し、"引き締まって凛とした風情" が場内の空気感を占めていった。

 

象徴的だったのが鑑賞した昨日は春休みということもあり、小・中学生の姿も多く見られたが、 " 無音 " シーンで多少の私語が聞こえてくると思いきや・・・・・ 全く聞こえてこない。いや、むしろ咳さえも聞こえてこないのだ。完全にオーディエンスが物語に没入しており、その緊迫した様子から、息をするのさえ忘れてしまうような空気感が会場内に漂っていた。それぐらい " 無音 " のシーンに説得力があった。

 

この " 無音を効果的に使う" というのは、この映画のシリーズとして脈々と流れているテーマである、「音になる前の "音 " を自分の物にする」ということを印象付けるために、特に「結び」では多用していたということでもあるのかもしれない。

 

 

 

 

 

そして、エンドロールで流れるPerfumeの「無限未来」を聴いていると・・・・・ この楽曲が『ちはやふる -結び-』に完全に寄り添い、尊重していることが本当によくわかった。中田ヤスタカ氏は原作も映画も隅々まで見て、その世界観を完全に把握しているだろう・・・・ っていうか、中田氏は『ちはやふる』自体のファンじゃないの・・・・ これ(笑顔)。

 

この「結び」を観てから聴く、Perfumeの「無限未来」の響きは・・・・・ オレの中で全く印象が変わってしまった。それぐらい映画の世界観を引き立てていたのだった。そして今回の映画やこの楽曲に込められていたものは、

 

 

 

 

 

" 千年もの時を越えていく、そのエッセンスを・・・・・ 作品に込めたい  "

 

 

 

 

 

という思いが映画や楽曲からひしひしと感じられる。エンディングとこのエンドロールにはグッと来てしまった。

 

 

 

さて劇中、永世名人である周防久志(賀来賢人)が、瑞沢高校かるた部・部長の真島太一(野村周平)に『本当に強い人間だけが人々に与えられるもの』ということを語りかけるシーンで、その台詞が非常に印象的だった ( 少し正確ではないかもしれないが )。

 

 

 

 

 

 

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後進には希望を。

 

対戦相手には敬意を。

 

仲間には勇気を。

 

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このようなものを人々に分け与えられる人こそが "本質的な強さを備えた人" であると、永世名人の周防が語る。この台詞を聞いている最中に、オレは中田ヤスタカ氏が過去に語ったことや、『「Perfume×Technology」presents "Reframe" 』で目の当たりにした、彼女達のパフォーマンスやその姿勢が、そこはかとなく脳裏に浮かんできたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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ライター :  改めて、このタイミングで『Digital Native』というタイトルの作品を中田さんが発表することにはすごく意味があるなと思うんですが、今日お話を聞いて、「I am Digital Native」であると共に、これから先の指針を示すというか、「For Digital Native」のアルバムでもあると思いました。 」

 

 

 

中田 :  そこまで大げさなことではないんですけどね。 僕がやってるのは、次に誰かが何かをやるときに、やりやすくなってればいいかなくらいのもんです。tofubeats、banvox、TeddyLoidとか、ああいうのが出てきやすくなってたらいいなとか、先に道を整えておいたことで、今がやりやすくなってたらいいなっていう、そういうことですね。

 

 

 

『○中田ヤスタカが、世界の音楽シーンから見た邦楽の今後を語る (CINRA.NET )』

 

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ライター :  さきほどbanvoxさんの名前が出ましたが、彼らが活躍できる時代はいい時代だと思いますか?」

 

 

 

中田 : そうですね。元々持っていたものをあまり変えないでデビューできるようになっていると思うし、そういう人をフックアップしていきたいと思います。メジャーになるのはこういうことなんだっていうのを感じさせない、そのままの形でみんなの手元に届くみたいなのが増えてきてるから。

 

 

 

 

○『バラバラだったものを関連付ける、タグみたいな』・中田ヤスタカインタビュー(CDJournal.com)

 

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この映画の思想と中田氏やPerfumeの思いが交差する。そして、これまでかなりの成功を手に入れた中田氏やPerfume。彼や彼女達は、次にどこへ向かおうと歩き出しているのだろうか。

 

そう、今や彼や彼女たちは、単に現代の人々だけに楽曲や作品、パフォーマンスを披露しているという段階を越え、後進の人々・後世の人々に楽曲や作品、パフォーマンス、そして何より "その思想" を譲り渡して、繫いでいきたいと考えているのではなかろうか。その一方で、彼らはこのようにも語るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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中田 : 前省略・・・・  例えば今音楽を始めて“中田ヤスタカみたいになりたい”って思ってる人もいるかもしれないけど、僕なんか全然目標にされる立場じゃなくて。僕なんかこれからやりたいこといっぱいあるし、目標もあるし、超途中だと思ってるから。最終的には僕みたいになりたいと思っている人がいたとして、最終がここだったらやばいぞって思いますよ(笑)。僕は僕をフックアップしてくれる人を探しているし(笑)。上なんてどこまでもありますからね

 

 

 

○『バラバラだったものを関連付ける、タグみたいな』・中田ヤスタカインタビュー(CDJournal.com)

 

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彼や彼女達が手に入れてきたものを後進へと譲り渡すためには、まだまだ自分たちを磨いていって、更なる高みへと目指していく。その姿勢が後進にとっての "希望の光" となる。そして・・・・・ 

 

 

 

 

 

 

『努力と研鑽を重ねて・・・・ いずれ "一瞬を永遠にとどめる力" を手に入れたい。』

 

 

 

 

 

 

映画・『ちはやふる -結び-』のエンドロールを眺めながら、場内に響き渡る「無限未来」の響きを聴いていると、これから中田氏やPerfumeの目指す "その未来" とは   "それ" を追い求めていく果てしない旅・・・・・  そのようなものかもしれないと、そこはかとなく思ったのだった。

 

 

 

そしていずれ、彼や彼女たちは  " 千年もの時を越えていく歌。千年もの時を越えていく響き。 " という永遠を手に入れる・・・・・・ この映画のエンドロールで流れる「無限未来」の響きはそのような感慨を改めて我々に教えてくれる。そういうことなのだろうと思った、今日この頃なのだ(笑顔)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[○追記・28日pm19:50]

 

 

 

この作品で、府中白波会の原田先生(國村隼)が、瑞沢高校かるた部・部長の真島太一(野村周平)の問いに答える台詞にも・・・・・ グッと来てしまったなぁ。

 

 

 

 

 

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努力を重ねて、人生のすべてを賭けたとして、たとえ叶わなかったとしても・・・・・ "その手触り" は残る。

 

 

 

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この台詞(少し正確ではないかもしれないが )を聞いていると・・・・・ なぜかPerfumeさんの "下積み時代" の様子が、走馬灯のように脳裏によみがえってきて、オレの涙腺を崩壊させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これでエンドロールに「無限未来」が流れるんだもんなぁ・・・・・・ ズルイよ、これは(笑顔)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[○追記2・4月4日pm19:20]

 

 

 

 

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本当に強い人間は、周りをも強くするんだなって。

 

後進には希望を。相手には敬意を。仲間には勇気を。時間も空間も越えて・・・・・ 永遠になるんだって。

 

 



○映画・『ちはやふる -結び-』・永世名人・周防久志の台詞より (ただし完全なものではない)

 

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この映画のシナリオには、あまりにも素晴らしい台詞が散りばめられていた。それをより正確に記憶に留めるために・・・・・ 実は先週の土曜日に、オレはもう一度この映画を観るために映画館に足を運んできたのだった。

 

 

 

その成果は、このエントリーでも使わせてもらった(笑顔)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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