フォグランプ(霧灯)はおしゃれのライトではありません。
さて、
皆さんお久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか?
昨年から新人が入りそろそろ1年。
とは言え、相変わらず作業いっぱいの日々です。
もっと時間に余裕を持てるように精進が必要ですね。
記事ももっと定期的に書けるように工夫していきたいところです。
さて、少し記事にしておきたい事があります。
いつものように脇道に反れながら書いていきますので、一度に読み切れないかも知れませんのでご容赦頂ければと思います。
Japan has been annoying us at inspection of American automobiles (vehicles).
平成22年4月製造(2010年)以降の自動車には、
国産車、輸入車に関わらず、自動車を国内で走らせるためには加速騒音試験が必要です。
内容としては、50kmで走行中にスロットルを全開にした際の排気音量を測るというものです。
走行時のタイヤのロードノイズも含め排気騒音として、総合的に83dB未満(デシベル)でなければなりません。並行輸入車は、わざわざ私達が現車を指定の試験場に持ち込みしてテストドライバーに実施してもらっているのです。
国産車は試験済みとして販売されているので購入者には知る由もなく、車検を受ける際の整備工場でさえ、その存在を知らない人が殆どではないでしょうか。
こうして試験をパスした並行輸入車は、私達が事前に試験成績を提出しているので、問題なく公道を走る事が許されていますが、継続車検の度にマフラーが変更されていないか確認されている事になっています。
これは並行輸入車、国産車を問いません。一つ付け加えておくと、輸入車と言ってもこの制度の根幹はヨーロッパの技術基準からの引用です。ですので、輸入車と言っても、ヨーロッパ車は基本的に無試験で良いという実態があります。つまり、日本はヨーロッパの規定に準じているので、アメリカの技術基準を受け入れたくない訳です。ただ、ここで何故ヨーロッパ基準を取り入れてアメリカを取り入れない思惑については、政治家やメーカーのトップしか知らない。ご想像にお任せします。
話を戻して、この手法にはどうやら問題がありそうです。
並行輸入車は試験時のマフラーの写真がありますが、国産車はどのように純正装着品かの確認ができるのでしょうか。
まず並行輸入車の場合、マフラーに貼られている金属の合格証は簡単に剥がれ落ちているケースが多く、そうした場合は成績表に添付されているマフラーの画像と照合確認をするようになりつつあります。
つまり、並行輸入車の所有者は成績表を携行しておかなければならない。
この成績表を紛失した場合、検査に合格する事は出来ないので、再発行の手続きをし、再度検査場に持ち込みをするようになります。コストは数千円と言う程度では済まない事をお伝えしておきます。
こうして、試験当時と同じマフラーでも、毎回所有者が成績表の画像を提出して確認をする、規定と共にこんな流れが常識化しています。
国産車の場合、検査官が独自の判断でマフラーがオリジナルと相違ない物、と言う判定を下します。上記のような写真もないし、形状も知らない。
なので、マフラーを交換していなければ何も知らなくても検査が通ります。国産車のオーナーもこんな試験の事を知る必要も車検を心配する必要も無いのです。
並行輸入車に関わる人だったら、この技術基準が出来上がった8年前から何か解せない思いを感じていた人も多いのではないでしょうか。
成績表を所有することで、不都合に感じられる事は以下のようなものです。
紛失した際の金銭的、時間的ロス
この車が廃車されるまで、半永久的に書類を保持しなければならない
所有者が変わる度に成績表を引き継がなければならない
紛失した場合でも誰でも簡単に再発行ができない
長年のマフラー消耗のよる交換の際に、同一の純正部品が手に入らない可能性
(マフラーを交換した場合は、また同じ試験を受けなければなりません)
と言う事が挙げられます。
こんな面倒な事になるからアメ車はイヤ、と言う人がいて当然です。
そして、もう皆さんお気づきと思いますが、大きな疑問が他にあります。
それは先ほどにも書いた、国産車のマフラーの確認方法です。
検査官に話をしても、国産、輸入車問わず、マフラーの交換は不正ですよ、車検は通りませんよ、との答えしか返ってこないし、納得できるものが無い。
なのでもっと踏み込んで先日検査課に回答を求めるべく、意見を持ち込みました。ある程度の雑談もあるので、取ったメモを要約して箇条書きにしてみたいと思います。議論に関しては、2日に分けて5時間ほど掛けたものです。
(並行輸入車を今後”並行車”と記載します)
Q:国産自動車のマフラーの確認の方法は?
検:メーカー刻印があるかないか、また変更された形跡が無いか確認します。
Q:並行車も同じく、純正刻印を判断基準にできないのか?
検:できません。並行車はあくまでも成績表の画像との照らし合わせが必須です。
Q:マフラーの確認時に成績表を持参させなくとも、初回検査時に提出済みのデータから照会できないのか?
検:しません。当時の成績表を持参してください。無ければ検査は通りません。
Q:並行車の成績表記載のマフラーの画像で、実物とどの程度まで相違確認できるのか?
検:形、配管の取り回し、刻印、など、外見全て画像の通りか否か確認します。
Q:国産車のマフラーの相違はどのように確認するのか?
検:メーカーから取り寄せた諸元をもとに確認します。
Q:それは検査規定で決められているものか?
検:特別これを使用するように、と決められたものはありませんが、こちらでは諸元を使用しています。
Q:メーカーの諸元に記載されているものはどのようなものか?
検:メーカーにより異なります。
Q:全ての諸元に画像が添付されているのか?
検:メーカーにより異なります。
Q:写真が無い諸元を以て、本来のマフラーと同一であるか否かの判断はどのようにできるのか
検:刻印、形状、取り回し、交換した形跡があるかないか、確認します。
Q:写真が無くてもわかるものか?
検:交換されていたらわかります。
Q:どのように分かりますか?
検:諸元を見ながら確認します。
Q:全ての諸元に画像はありますか?
検:必ずしも画像が添付されているとも限りません。
Q:平成22年4月から製造された全ての車種の国産車のマフラー、配管の取り回しを検査官は記憶していますか?更には、今後5年、10年、記憶できますか?
検:・・・・・・・。
Q:例えば、トヨタ車にTOYOTAの刻印のある違う車種のマフラーに交換されている場合、適合していると見なしますか?
検:見なしません。
Q:違いはどのように判断できますか?
検:・・・・・・・。
Q:並行車の場合にも同じく、純正の刻印のあるマフラーが装着していた場合でも、どのように検査確認しますか?
検:車の所有者に成績表を持参してもらって、その画像と相違ないか照合します。
Q:国産車で同じケースがあった場合、どうやって相違の確認ができますか?
検:・・・・・・・。
Q:マフラーの交換は不正改造と見なしていると思うが、
国産車はマフラーの相違については車検時に確認していない、と言う事ですか?
検:交換されているかいないか確認しています。
Q:交換されているかいないか、どうやって確認できますか?
検:交換されていると大体わかります。
Q:22年4月以降生産の国産車の形状を記憶できていない、諸元にも形状が添付されていない場合に、マフラーが交換されていた場合、どのように相違の判断ができますか?
検:・・・・・・。
Q:並行車は詳細に形状など画像と共に時間を掛けて確認をしていますが、国産車は同じレベルで確認「できて」いますか?
検:・・・・・・。
以上(一部)
私自身、検査官に「国産車のマフラーは検査していません」と言わせるつもりはありません。
そもそもの問題は、並入車(特にアメリカ車)の取扱規程が国産車とほど遠いと言う事です。
ただ、以上の話を読めば、言わせなくとも明らかだろうと思います。表面上は同じでも、輸入車と国産車の扱い方の違いです。彼らの手法とでも言えるのでしょうか。これはどこの陸運局に限った話ではありません。逆に、過去8年間の全車種のマフラー形状から配管の取り回しを記憶できる人がいると考えことに無理があるし、この責任を個々の検査官に課している国土交通省や検査法人、更にメーカー側に大きな闇を感じてしまうのです。
不正改造は許さない、というスローガンの元に「検査していませんでした」と言えるはずがない。詳細な検査の枠組みが決められない中で従うだけです。財務局でも同じような事がありました。不正に思えても、やるしかないのです。ただ心の中で「じゃぁ俺はどうすればいいんだ!」と叫ぶしかない(それにしても佐川さんや安部さんの言い分は酷すぎますが)。
それでも何の疑問も持たない検査が、決まりだから!と必死にチェックしているのも現状です。
ただ、並行車を目の前にして得意げに確認を始める検査官がいれば、こうした矛盾すら感じていない検査官を見かけるケースもある。
もちろん、不正改造を野放しにされては困るし、現に私もうるさいマフラーにはウンザリ。
しかし、ここまでやると、特にヨーロッパ基準を取り入れている事から考えても、アメリカ車への制裁と考えても何ら不思議はない。昨年もタイヤのはみ出しに対して一定の基準値の緩和がありました。これもヨーロッパの基準が元になっています。ポルシェはタイヤがはみ出していましたから。
アメリカ車と言えば、ピックアップトラックがタイヤをはみ出す傾向にあります。しかしながら、「乗用に供する」と言う条件が備えられているために、ピックアップトラックは対象外にされています。
更にアメリカの一部の州ではハイビーム時にフォグランプは点灯しないように定めています。
それに伴い、ハイビーム時に自動的にフォグランプは消灯するように組み込まれているアメリカ車もあります。
日本ではハイビーム点灯時にフォグランプも点灯出来なければならない、と言う決まりから、こうしたアメリカ車は改悪を余儀なくされるのです。
要はヘッドライトとフォグランプは連動してはいけないという決まりになっている点も、ヨーロッパに決まりをそのまま受け入れている日本の実体があり、いくら検査側がそんなつもりはないと言っても、ことごとくアメリカ車を輸入しにくくする足かせになっているのだから見事です。
今回の加速騒音規制件については、現状の矛盾について検査課から本体に報告してもらっています。
彼らがどのように対応するのか、出来るのか、彼らの理解力を問う意味でこうして記事にしているのですが、この事実が周知される事がとても大切だと思うのです。
日本車がアメリカでアメリカ車と同じ土俵で販売できている実態と比較して、日本はどうなのだろうかといつも考えます。日本車の対米輸出は、日本の生命線です。日本で車が売れなくても、アメリカに輸出できれば自動車メーカーは生きていける、と思えるほどアメリカから恩恵を受けているのも日本の自動車メーカーとそこに勤める人達です。それでいて、アメリカ車を理不尽に扱う日本の態勢って何なのでしょう。アメリカ車に乗って通勤すると遠い駐車場に止めさせられると言う話も聞きますね。「村八分」と言う言葉を連想させます。
FORDは日本から撤退したら株価が上がると言って撤退、マツダとも縁を切る事で実際に株価が上がったと言います。
ナショナリズムと言うか何と言うか、アメリカは日本を保守的と言いますが、徳川が統一した時点で鎖国が生まれては、黒船に怯えたり、排他的な考えから脱却できない民族と思われて当然だし、世界からの評価はあまりパッとしない。
最近では、20歳台の若い子達が来ては口癖のように言うのが「海外旅行をするように」と言う事です。
就職活動をしている学生ならば、留学でも遊学でも行ってらっしゃい と言う話です。
就職して結婚したら、外国を知るチャンスが極端に減ります。
海外に行く話は次に書くとしても、日本は対等に外国製品に立ち向かいたがらない。
アメリカの家電屋さんに行ってみるとわかりますね。外国製品がずらっと並んでいます。
日本製品は少なく、どちらかと言うと不人気だと言う事は皆さんご存知でしたか?
昭和の頃に日本製品は外国で人気だった話が今も続いているなんて思っている人はいませんか?
大丈夫ですか?
それだけ日本では日本製品が守られていると言う事が、車検を通して垣間見えてしまうのです。
まさしくガラパゴス化と言う言葉は、日本市場で守られてきたから。
特にアメリカ車に関しては、日本で走らせるために先に述べたような苦悩がある。
そのつもりは無くとも、結果的に排他的な規制があるが故に、車の常識としては日本は相当に遅れていると感じるのです。
規則を作るならもっとやる事が沢山あります。
フォグランプをHIDにする事はアメリカでも禁止している州もあるし、ヘッドライトのHIDは純正以外をイリーガルとしています。またイギリスではHID自体を禁止している訳で、ライトが対向車の視界を妨げたり眩惑、酷い場合は視界を奪う事すらある。
個人的な話ですが、私は夜目が効くほうなので、対向車が眩しいと相当に視界が奪われます。
日本の農耕民族と欧州や米国のような騎馬民族の違いだと言われればそれまでですが、明るいものに囲まれていれば、暗いものが見えなくなるのは当然で、更に明るくしないと目が追い付かなくなってくる。
アメリカに旅行に行った方は分かりますね、宿泊先の部屋の殆どは天井に照明が無い事を。
ライトスタンドなどの間接照明しか置いていない。最初は薄暗いと思いますが、帰国する頃には気にしなくなっている。そういうものです。
余談ですが、20年以上前の話です。
私がアメリカで深夜に運転していて道に迷った事がありました。
たまたま通りすがった米軍基地で道を尋ねる事にしたのです。
その時は助手席に軍人の友人がおりましたので、彼の案内でゲートに向かったのですが、道は教えてくれたものの「そんなに怒らなくても…」と言いたいほど激しく注意されたのでした。
その理由はヘッドライトを消灯しないでゲート近づいた事についてでした。
友人は恥ずかしくて軍事関係者だなんて言えるはずもない。
特に不審者に神経質な米軍基地の入り口なのだから尚更ですが、それだけ向けられたライトは相手の目を眩ませると言う事です。アメリカの警察が、相手が安全な人間だと確認できるまではマグライトを照射してきますね。これも同じ考え方です。
車にも同じ事が言えますが、スピードを出して動いているものなだけに、もっと「光」に基準を設けるべきで、加速騒音の成績表だの、ハイビームとフォグランプが同時に点灯しないといけない、とか、アメリカ車に反発している場合ではないのです。
最近では大型トラックの横に付けられている作業等がLEDになり、更に点灯したまま走るドライバーが増えました。半数以上は点灯しているのではないでしょうか?
ちょうど乗用車の運転席を向いているので、危険極まりない。
警察も取り締まらなければ、運送車両法でも運転中に操作できない事、程度の規定しかない。
30km/h以上で自動消灯(消灯後は自動復帰しない)させるとか、コンプレッサーや作業用機器と連動させるとか、方法は幾らでもある。
いい加減な大型の指定工場が多いのもありますが、晴天の夜でもパトカーがフォグランプを点けて走ったり、雨天でもヘッドライトの点灯をしていないのはパトカーに関わらず、市バス、都バス問わず当たり前。
雨天の昼にライトを点けている殆どは輸入車です。欧州、米国車は昨今ではワイパーとライトが連動している関係もあり、操作し忘れていても自動点灯してくれます。
夕暮れに薄暗い時間でも国産車より点灯は早いし、国産車のような橋をくぐっただけで点いたり消えたり周囲を惑わすこともない。
外国の車はそれだけ安全面に配慮していても、日本の検査法人でしている事は、揚げ足を取るようなことばかりに執着して本当に大切な事が見えていないのいが現状です。重箱の隅をつつくなんて言い方をする人もいますが、ユーザーの本音ではないでしょうか。
再三言いますが、特にアメリカ車に関しては、日本車と大きくかけ離れた検査規定が設けられていることから日本市場では受け入れられにくい状況にしながらも、アメリカ市場には何よりも前向きに輸出をしている訳です。日本は独特の国土環境につき独自の安全基準を有しているなんて言われますが、先に述べたようにカモフラージュされた言葉だけの安全基準だと言えないでしょうか。
中国はアメリカから制裁を受けていますが、日本もアメリカをうまく利用している訳で、制裁を受けても不思議はありません。日本の対米貿易黒字は相当なものですから。
それでも、アメリカ車が国産車と同じ土俵で走れない現状や、自動車問わず他の製品に関しても、日本は自分達が外国人や製品に考えている事やしている事をもう一度考え直す良い機会になってほしいと思います。


