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バレンタイン騒動の後、
私とサユリはいつも通り
毎日たわいもない会話をしながら下校した。

加藤くんとも席も隣じゃなくなり、
話すタイミングはなかった。



そしてそのまま
私たちは卒業の日を迎えた。

とはいえ、うちの学区は
小学校が一つと中学校が一つしかないので、
同じメンバーがそのまま
中学まで立ち上がりだ。


さよならだね、みたいな感動もなく、
みんなはただ中学のクラスどうなるかなぁー!
部活何に入るー???
そんな事を話すばかりの卒業式だった。


結局加藤くんの好きな人は誰かわからないまま、
加藤くんはバレンタインの日にサユリに何を言ったのかわからないまま、
4月になり私たちは中学一年生になった。


私はテニス部に、サユリは吹奏楽部に、
加藤くんは野球部に入った。

サユリと私はたまに朝一緒に登園する事はあったが、
それぞれ部活の仲間といることのが多くなり、
少しずつ距離ができてきた。


中学一年生の夏、
部活が終わり帰る支度をしていると、
サユリがテニスコートの横で私を待っていた。

珍しいなと思い声をかけにいくと、



「これ、渡してっていわれて!」


と一枚のメモ帳を渡された。



    

​ずっと好きでした。
付き合ってください。
北川



北川…?



「サユリこれは?」


「私の同じクラスの北川わかる??知らないかな。小6のときは1組にいたんだけど。」



「あぁ。北川くん。

わかるけど、話したこともないし、

私の事なんて知らないと思ってた」



「ずっと好きだったんだって!」



「そうなの?」



「返事どうする?」


「いや…彼のこと何も知らないし…
まずは友達がいいというか…」


「わかった!じゃあそう伝えておくね」


人生で初めてされた告白に
私は戸惑ってしまった。


そして一つだけ気になったことがあった。

北川くんも加藤くんも野球部で、
今2人は同じクラスで
いつも一緒に行動しているようだったこと。


加藤くんはこの事を知っているのだろうか。
知ってるとしたらどう思ってるんだろうか。


次の日から、
校内で北川くんを見かけると
彼はいつもこちらを見ていて
目が合うことに気がついた。


私はそれがものすごく恥ずかしくて、
そして彼の隣にはいつも加藤くんがいて、
いつも逃げるようにして
彼らの軍団を避けるようになってしまった。