彼の名前は「加藤ダイキ」。
休み時間になると
他の男子たちと走ってグラウンドに向かい
野球をする。
他の男子たちより頭一つ大きくて、
くしゃっと笑うその笑顔に
多くの女子ファンがいることを
私はすぐに察知した。
転校初日に私に話しかけてくれた
サユリちゃんも、そのファンの1人だった。
サユリちゃんはどうやらクラスの女子から
少し浮いているようで、
休み時間に一緒に過ごす子がいなくて
私に話しかけてきてくれたようだった。
「まゆみちゃんはどこからきたの?」
「南の方」
「へぇ〜暑そうだね!」
私はマズイと思った。
クラスで浮いてる子に仲良くされたら、
転校早々私も一緒に浮いてしまうではないか!
どうしよう話しかけないでくれ。
あっちの方にいる、
一軍の女子たちがすごい見てるよ〜!!
内心、こんな卑怯なことを考えていた。
でも、話せば話すほど
(というより話しかけられれば話しかけられるほど)
サユリちゃんは良い子で、
ハブにしている女子たちが
ただなんの理由もなしに
彼女を仲間に入れていないという事が
だんだんわかってきた。
じゃあサユリちゃんと一緒に
浮いちゃえばいいか。
私は転校2日目にして、
そのクラスの女子に馴染むことを諦めた。
奇遇にもサユリちゃんと私の家は徒歩5分のところにあり、
それから卒業まで毎日、一緒に帰った。
「ねぇねぇ、まゆみちゃんは好きな人とかいないの?前の学校にいた?」
転校3日目の帰り、
サユリちゃんから探りが入った。
さすが小学六年生。
この手の話題が大好きなのである。