ブログで自己紹介の文章に書いてある通り、私は2017年に不動産鑑定士の論文式試験に合格いたしました。

 

不動産鑑定士という資格は、一般的にはあまり知られていない資格ですが、一応不動産系の資格の中では最高峰の資格とされています。

難関資格というだけあって、基本的には資格予備校を利用する人が多いです。というよりも、基本的に「独学は無理」なんていうことが言われたりもしています。

 

しかし私は、そんな受験会の通説とは違い、独学でも十分に受かる試験である、と思っています。今回は、そんな独学派のために使える教材を紹介していきます。

 

①行政法規

https://www.amazon.co.jp/不動産鑑定行政法規の知識-新藤-延昭/dp/4789236471/ref=pd_sbs_14_t_2/358-3693277-3600566?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4789236471&pd_rd_r=6e4589a4-196f-4ed6-be3c-e1280b390379&pd_rd_w=VU2zq&pd_rd_wg=kYQTL&pf_rd_p=ca22fd73-0f1e-4b39-9917-c84a20b3f3a8&pf_rd_r=WMSGP8G6E63HJ9787QTN&psc=1&refRID=WMSGP8G6E63HJ9787QTN


2014年以降改定がなされていない本ですが、概ねは変わっていないものと考えられます。

 

②会計学

https://www.amazon.co.jp/試験対応-らくらく会計入門-QP-books-喜久雄/dp/4784813403/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%82%89%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%8F%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%85%A5%E9%96%80&qid=1578229703&s=books&sr=1-1

こちらは入門書です。これがあれば入門講義等は特にいらないと思います。

 

https://www.amazon.co.jp/財務会計講義-第20版-桜井久勝/dp/4502302813/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E6%A1%9C%E4%BA%95+%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%AD%A6&qid=1578229757&s=books&sr=1-1

私が試験の時に主に使っていた本です。

 

③民法

https://www.amazon.co.jp/速習%EF%BC%81-民法Ⅰ%EF%BC%88総則・物権編%EF%BC%89-【試験攻略入門塾】-宮本-剛志/dp/4502467006/ref=pd_sbs_14_1/358-3693277-3600566?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4502467006&pd_rd_r=6ba0317a-b77d-4968-8ce8-857f5d99fcf1&pd_rd_w=qySg9&pd_rd_wg=u09Lf&pf_rd_p=1585d594-d9d0-474b-8a4e-69eca1566911&pf_rd_r=1H1AR6GPK1E04B5EV079&psc=1&refRID=1H1AR6GPK1E04B5EV079


こちらの本については、youtubeで無料の授業がアップされています。

 

④経済学

https://www.amazon.co.jp/試験攻略入門塾-速習-マクロ経済学-2nd-【試験攻略入門塾】/dp/4502290319/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6+%E7%9F%B3%E5%B7%9D&qid=1578229978&s=books&sr=1-1


こちらの本もyoutubeで無料の授業がアップされています。正直な話、TACの授業よりも分かりやすいともっぱらの評判です。

 

⑤不動産鑑定理論

https://www.amazon.co.jp/改訂版-不動産鑑定評価基準の解説書%EF%BC%88上巻%EF%BC%89-大島-大容/dp/4990989023/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E5%A4%A7%E5%AE%B9&qid=1578230120&s=books&sr=1-4

 

私は他の科目はともかく、この科目だけは独学での合格は難しいものと考えておりました。なぜなら市販の分かりやすい教材がゼロに近かったからです。しかし、この本が発売されてからは完全に意見が変わりました。この本があれば独学での知識の習得も不可能ではありません。

正直TACやLECのテキストよりも分かりやすいですし、両予備校共に今の収録担当の先生はただテキストを読んでいるだけらしいので、この本があれば入門講義もいらないと思います。

 

 

 

 

 

 

前回の続きです。

 

三 間違いや論理的ではない文章が多い。

論証ブロックの中には、そもそも間違っているものもあれば、論理的でないものもあります。いくつか例を挙げて紹介します。

 

①取消訴訟は公定力排除訴訟である。

http://hideautumn.hatenablog.com/entry/20110919/1316397368

 詳しくはこちらのブログに書いてあります。そもそも現在はこんな説をとる人もいないし、完全に間違いであるようです。 「公定力」というのは、裁判所が取り消すまでは処分を有効なものとして扱わなければいけない、というものです。取消訴訟を公定力排除訴訟とすると、取消訴訟というのは、

「裁判所が取り消さなくても、裁判所以外の機関が処分の効力を否定できるようにするためのもの」

ということになります。取消訴訟は、処分の効力そのものを消すことを目的とする訴訟であるはずです。「公定力」の排除が目的ではありません。

 上記のブログによると、試験でこんなことを書いたら下手したら減点されかねないとのことです。

 

②(刑法の因果関係について)判例は条件説にたつ、というもの

  これはロースクール時代の刑法の先生が授業中に言っていたことなのですが、

「古い教科書だと判例が条件説にたっていると書いてあるけど、最新の研究によると、これは間違いだということが分かりました。」

現在は危険の現実化説にたっていると言われています。

 

③争点効理論を否定して、信義則をとる際の理由付けで、「争点効理論は要件が曖昧だから」というもの。

http://hideautumn.hatenablog.com/entry/20110919/1316397368

上記は、早稲田大学の2019年の入試の出題趣旨なのですが、こんなことが書いてありました。

「争点効を批判し、信義則を用いるべきという答案が大多数であったが、争点効に対して「要件があいまいであ
る」という批判をする答案が多かった。しかし、信義則はその要件が争点効以上にあいまいであり、批判に
なっていないと思われる。」

確かにおっしゃる通りです。論理的に考えておかしな話です。

 

以上の三つはあくまでも個人的に考えた代表例ですが、その他にも不審点はいくつかあります。

TACの不動産鑑定士講座のテキストの論証例を見ていて思ったのは、

「長いけど理由になってないんじゃないの?」

ということでした。

論証例は長いと20行以上になっていたりしますが、基本的に長い論証程読んでいても腑に落ちないし、意味を理解するために何回も読み直す必要がありました。あらためて採点実感や再現答案を分析してみると、このような長くて意味不明な理由付けは書き手の自己満足の可能性が高いです。再現答案を見ると、基本的に上位の答案は凄く文章がうまく、勉強が進んでいない人でも読めば内容がスラスラと頭の中に入ってくる文章ばかりです。どこぞの論証のように読んでいて

「何言ってるかよくわからない」

となることはほぼ皆無です。司法試験の採点実感にもこんなことが書かれていたりします。

受験生は、答案の読み手の立場に立って、分かりやすく記載することを肝に銘じることが必要であり、文脈から記載内容を推測することを読み手に期待することは許されない」(平成22年度民訴法採点実感)

確かに理由付けは大切と言われますが、大切なのは長さではなく読み手が納得できる説得力です。長い理由付けを無理やり頭に詰め込んで貼り付けても、それは単なる書き手の自己満足にすぎないのではないでしょうか。理由付けがほとんどない答案が最上位に近い点数をとっていることがあるのも、多くの答案に書かれている「理由付け」が全然理由になってないので、書いても加点されていないことが原因なのではないでしょうか?

 

以上のことから、私は論証ブロックというものに対してかなり否定的な見解をとっています。どなたか、論証ブロックの有効な活用法を知っている方がいたらぜひ教えて欲しいです。

 

以上のことから、私

 

 

  

 

 

 私は平成29年に不動産鑑定士の試験に合格しました。それ以前は法科大学院というものに通って司法試験の勉強をしていたことがあります。

 不動産鑑定士の試験の受験生も、司法試験の時も周りの受験生は「論証集」というものを使用している人がいました。鑑定士の試験の時は、いましたどころの話ではなくて、ほぼ全員だったかもしれません。講師が、「論証例、論証例」と言ってくるので、皆テキストに書かれている論証例を必死になって覚えていました。

 司法試験でも不動産鑑定士の試験でも、合格者のブログを見ていると、論証例の暗記を必須のものの様に煽ってくることが多いです。自分たちがそういう勉強法で合格したので当然といえば当然のことかもしれません。

 しかし、今回私はそんな受験界の通説とは異なり、

「不要どころか、かえって有害である。」

という立場にたっています。以下、その理由について解説していきます。

一 論証を覚えて鍛えられる能力は限られている。

 法律の事例問題を解く時の手順は、

 ①事案を分析

     ↓

 ②使う条文を適用して要件を上げる

     ↓

 ③論点抽出

     ↓

 ④規範定率

     ↓

 ⑤当てはめて結論を出す

という形になります。

 

 このうち、論証を覚えて鍛えられる能力は④だけです。その他の能力は問題を解くことによってしか養われません。巷の「論証集」と言われているものは、問題文が記載されておらず、ただひたすら特定の論点に対する論証のみが記載されています。そして、受験生の中にはひたすら論証を覚えていく勉強をメインに据えている人もいますが、そういう人たちは④の部分だけ鍛えているせいか、③以前の段階で答案がトンデモないことになっていることが多いです。

 「論証集」というものを最初に開発したのは、伊藤塾の伊藤塾長であるといわれています。伊藤塾長が「論証集」を開発したのは以下の理由によると言われています。

 「事例形式の論述試験には典型論点がある。典型論点について一から自分の頭で考えていたら時間がかかってしまう。だから、典型論点については事前に解釈論を覚えていって、試験の場ですぐに吐き出せるようにして、時間を節約できるようにしよう。」

 つまり、「論証集」というのは、元々典型論点についてきちんと答案を書けるような実力がついている人が、時間の節約のために行うものである、ということです。つまり、メインでやるべき勉強ではないということです。

 想像していただければわかるとい思いますが、答案を作成する時に③までの段階で間違えていたら完全にアウトです。その後の記述がいかに見事だったとしても、得点は全く入りません。論証をひたすら覚えている人は自分の勉強の費用対効果が恐ろしく悪いことを自覚するべきです。

 

 二 やたら長い

   

   もう一つの問題点として巷に挙げられている論証集はやたら長いことが挙げられます。不動産鑑定士の講座のテキストの論証例の中には、20行を超えているものもあります。

「なんで長い論証は問題なの?」

という方もいると思います。理由は以下の二つです。

 

(一)覚えるのに時間がかかる。

  長い論証は覚えるのに当然のように時間がかかります。上記のように、論証を覚える勉強は本来メインにするべきものではありません。長い論証を覚えようとすると、その分事案分析の練習に使える時間が減ってしまうことになります。これでは完全に本末転倒です。

 

(二)覚えても意味がない

   アガルートの工藤塾長は長い論証を覚えるメリットとして以下のように述べています。

https://ameblo.jp/nancoppi/entry-11950469769.html

なぜ基本的に「長め」の論証を掲載しているのか,ということですが,それは「長い論証を短くすること」は可能であっても,「短い論証を長くすること」は不可能だからです。」

要するに、

「長い論証を覚えていれば短く調節することもできるしそのまま使うこともできるけど、短い論証は長くできない、だから長い論証を覚える必要がある。」

ということらしいです。

でも、長い論証を使う機会って本当にあるのでしょうか?

 ロースクール入試は大体一科目あたりの時間が40分~50分程度で設定されていることが多いです。この短い時間の中で事例を読んで分析して、論述も済ませなければいけません。司法試験にしても、A4で2頁程度の長い事例が出てくる問題を2時間以内で解凍しなければいけません。経験者の方は分かると思いますが、とても長い解釈論をふりかざす余裕なんてありません。

 

 さらに言ってしまうと、工藤塾長の意見の前提となっている。

 「書けるのであれば長い理由付けを書いた方が点がよくなる。」

 という意見も間違ったものである可能性が高いのです。

 

https://bexa.jp/lecturers/view/47

上記の記事を執筆者は、現在BEXAで講師をしている中村充さんです。

中村さんが受験生だった時(2004年)当時に合格答案を分析したところ、上位の答案程、論証が薄くて問題文の事実をきちんと使っていたようです。

 

http://www.yama-nori.com/contents/aims/0002.php

こちらの記事は、平成10年に司法試験に合格されて、その後は数年間早稲田セミナーの講師をされていた山内憲之さんが執筆されたものです。

「論文試験には詳しい論証が必要ということこそ実は迷信のようなもので、実は基本書レベルの説明ができれば充分なのです。私も、論文試験では、判例や通説はほとんど理由付けもなしに書いておりました。」

 

旧試験は今の司法試験に比べると問題文も短く、長い論証を披露する気になればいくらでも披露できました。しかし、その旧試験においてさえも、長い論証を書いても特に加点はされていなかったようです。

 

論証集の無意味、有害性についてはかなり長くなりそうなので、残りの部分は後半に書くことにします。

 

 

 

 

 

 

 

ワンルームマンションの営業マンはよくこんなことを言うらしいです。

 

「今は大して儲からなくても、将来的にローンの支払いが終わったら、年金の足しになる。」

ならないどころか、実際はただの負債になったりします。

 

不動産は持つだけで費用がかかります。毎年固定資産税や都市計画税を払わないといけませんし、区分所有のマンションであれば、毎月管理費や修繕積立金がかかります。なので入居者がついてくれないと、本当に金を吸い上げていくだけの負債になってしまうのです。しかも築古の物件の場合、入居条件を下げても入居者がついてくれないことも多いので、なおさら負債になりやすいです。ローンの支払いが終わったころには、買った当初は新築に近いマンションでも、築40年程度以上は経過しています。入居者の確保は相当難しくなっていることは間違いないでしょう。

 

さらに厄介なことに、不動産は所有権の放棄が原則認められません。なので、誰かに譲ったり売ったりしない限りは永久に税金等を払い続けなけれなばいけません。しかし、築40、50年が経過したものは、市場競争力も相当弱くなっているので、貰い手を探すのも大変です。下手をしたら0円でも見つからない可能性があります。

 

築年が古くなりすぎて入居者確保が大変になってしまったら、建物を取り壊して再建築することもも選択肢の一つにはなります。しかし、取り壊しに関しても、区分所有の建物だと中々上手くいきません。区分所有の建物を再建築する場合、所有者の5分の4以上の同意が必要となります。この5分の4の同意を得るのは困難が伴います。

ワンルームのマンションはオーナー本人が入居していることはあまりありません。また、築古の物件の場合、当初のオーナーが死んで相続が発生していることがあります。相続が発生している場合、相続の登記がきちんとされていない等で、今現在の所有者が誰なのかわからないことも多いです。

以上のことが原因で、オーナーに連絡がとれないパターンも珍しくありません。なので、実際に5分の4以上の同意を取り付けるだけでも困難が伴います。また、仮に取り壊しの話がまとまったとしても、再建築の建物の計画を決定するのに時間がかかります。

日本最古の分譲マンションである宮益坂ビルディングは、取り壊しの案が出てから実際に取り壊されるまで、15年以上の月日がかかりました。宮益坂ビルディングはうまく計画が進んだ方で、実際には中々話がまとまらずに、放置されているマンションも多いそうです。

 

ワンルームマンションは、年金の足しになるどころか

「入居者がつかない、誰にも売れないしと取り壊せない、費用だけを毎年吸い上げていく」

なんていうただの負債になる可能性が高いです。

 

 

 

 

つい先日、友人からこんな電話が掛かってきました。

「職場の上司に勧められて横浜のワンルームマンションを買った。だけど、収支見たら毎月7千円くらい赤字になってるんだ。これ大丈夫なの?」

 

「大丈夫なわけねーだろ。」

 

今すぐ解約した方がいいとアドバイスしましたが、既に買ってから一年以上たっているので、無理そうな感じでした。

 

世の中には、情弱ホイホイの商売がたくさんあります。ワンルーム投資はその典型といっていいでしょう。基本的に買わない方がマシな商品ばかりです。

 

私は今年の11月まで不動産の鑑定の仕事をやっておりました。評価した物件の中にはワンルームマンションもたくさんありました。そしてワンルームマンションの評価をしている時にいつも思っていたことがあります。

 

「一体どこの誰が買ってるんだろう?」

 

新築に近いワンルームマンションだと、表面利回り(経費を差し引いていない利回り)で3~5%くらい、実質の利回りを考えたら恐ろしいことになります。家賃の下落等も考えると、50年以上たっても投資額が回収できない可能性があります。どう考えても得すると思えません。

 

友人のマンションも例外ではありません。業者のご提示の収支計画によると、35年間ローンの支払いが終わるまでは赤字を出し続け、43年目からトータルの収支がプラスになる(支払った金額以上が回収できる。)とのことだったらしいです。しかし、聞く限りだと業者は43年間ずっと家賃が下落しないというあり得ない前提のもとで計画を提示してきたらしいので、実際はもっと回収にかかる期間が長くなることはほぼ確定しています。下手したら一生回収できない可能性もあります。

 

新築時の賃料が下がらないなんてことはまずありえません。マンションは時間が経つと物理的にも劣化するだけではなく、機能面もどんどん時代遅れになってきます。昭和の時代に建てられた、オートロック無しの3点ユニットバス(風呂、トイレ、洗面台が同じ部屋のタイプ)の物件は、今は市場競争力がかなり落ちてきています。今は最新の機能を備えているマンションでも、将来的には必ず時代遅れになる時がやってきます。

 

「いい場所にあるから、賃料は下がらない」なんて業者は言っていたらしいですが、そんなことはあり得ません。いい場所(マンションの需要がある場所)には、時間が経てば新しいマンションがどんどん立ちます。築古の物件が新築の物件と同じ入居条件にしていたら、入居者の確保は困難になりますので、賃料は下げざるを得ません。いい場所であれば下がらないなんていうのはあり得ないのです。

 

 

 

出羽守というのは、

「イギリスでは、アメリカでは」といように、

「○○では」

という発言をする人という意味で使われる単語です。

 

多くの場合、出羽守は否定的な意味合いで使われます。

無理もありません。

何故ならば、「〇〇では」という発言は、往々にして

「日本は遅れている」

「日本は不幸だ」

というような意味合いで使われているからです。

「ウザい」

と思われてもしょうがないところはあります。

 

つい先日もそんな出羽守の一種と思われる記事を発見してしまいました。

https://news.livedoor.com/article/detail/17533341/

「サンフランシスコでは年収1400万円は低所得」

元記事によると、アメリカのサンフランシスコでは年収1400万円の家庭は低所得者に分類されているとのこと。

「ますます日本と海外の差が広がっている。日本からの人材流出が心配だ」

と言われていたりもします。

 

でも、サンフランシスコの実態を知ると全然うらやましいと思えません

https://www.businessinsider.jp/post-1135

こちらの記事によると、サンフランシスコでは年収1600万円でもかろうじて暮らしていけるレベルだったということ。

家族世帯だと、家賃だけで月48万円だけかかるらしいです。月48万円といったら家賃だけで年間600万円近くかかることになります。

http://sierblog.com/archives/1946093.html

ワンベッドルームでも月間39万5千円かかるそうです。

あまりにも住宅関連の費用が高いので、人によっては車で寝泊まりしている人もいるんだとか。

これだけ家賃が高かったら、家族世帯で年間1400万円程度の収入では全然豊かではないでしょう。

 

サンフランシスコは、かの有名なシリコンバレーをかかえているため、全米でもかなり所得水準が高いエリアに入ります。

出羽守にありがちな話として、海外の事例を紹介する際に上澄みの事例を持ってくることがありますが、今回の記事も例外ではなかったようです。

 

 

 

 

 

 

世の中には詐欺商法と呼ばれるものがたくさんあります。

怪しげな健康食品、不動産投資等

 

私は今年、その詐欺商法の中でも一番悪質なんじゃないかと思われるものに巻き込まれる寸前になりました。

 

今回はその時の話を書こうと思います。

 

あれは去年の10月のことでした。

仕事終わりにラインで電話がかかってきました。誰からの電話か確認してみると、学生時代の友人からのものでした。

 

「なんでだろう?まあ、面倒くさいからでなくてもいいか」

 

その友人は元々そんなに仲が良かった人でもなく、学生時代が終わってから四年以上一回も連絡をとったことが無い人でした。かつその時は仕事終わりで疲れていて会話をするのも面倒だったので、その場は気づいてないふりをして無視をすることにしました。

 

「無視してれば、そのうち電話もかけてこなくなるだろう。」

 

しかし、予想に反して友人は週一回は必ず電話をかけてくるようになり、しかもそれが半年以上も続きました。

 

「何があったんだろう。気になるから一回電話してみようか?」

 

気になった私は、ゴールデンウィークの時間がある日に一回電話をかけてみることにしました。

 

「久しぶり。元気にしてた?」

 

その時の電話で、友人は今東京に住んでいること、今弁護士として働いていること、間もなく結婚する予定であることを教えてもらいました。

 

ちょうど5月の終わり頃に、私は東京に行く用事があったので、ついでに夜一緒に食事をすることになりました。

 

「東京に行くのが楽しみだな。」

 

友人はそんなに仲がいいほうではなかったものの、久しぶりに会って食事ができるということで若干楽しい気分になりました。

 

とんでもない罠が仕掛けられているとも知らずに.................

 

 

 

 

以上は勉強面の話ですが、勉強以外の分野でも話は同じようです。

 

一般の会社で上司となる人は、平社員時代に優秀だった人が多いです。(営業部の部長に選ばれるのは大抵優秀な営業マンだった人です。)

ところが、優秀な社員だった人でも管理職としてはダメな人もいます。

 

スポーツの世界でもよく言われているように、選手としての能力と、コーチや監督としての能力は別物です。選手として優秀だったからといって、人にものを教えたり人を育てるのが得意とは限りません。むしろ、選手時代に優秀な人ほど、選手に対して高い要求する水準が高くなってしまい、結果選手がつぶれてしまうこともあります。

 

某居酒屋チェーンはブラック企業だとよく言われますが、この会社がブラック企業となってしまったのも、上記の理屈で説明できます。

この会社のW社長は、仕事に対して尋常ではない熱意をもっていて、起業して間もないころは毎日ほとんど寝ずに仕事をしていたといわれています。そんなW社長ですから、つい社員にも自分と同じような熱意をもって仕事をすることを要求してしまいます。

「僕は勤務時間中に食事ができる社員は二流だと思っている。お客様のことを真剣に考えていたらそんなことできるわけがない。」

その結果として、一部の優秀な社員以外はついていけずに潰れてしまいます。

 

 

人間の心理として、

「営業成績全国一位」

「○○模試全国一位」

といった人のアドバイスに目を向けがちです。

それが役に立たないどころか、下手したら地獄への片道切符の可能性があるのですが..........。

 

 

私は今までの人生の中で、色々な試験の受験勉強をしてきました。

 

 大学入試に始まり、法科大学院入試、司法試験、不動産鑑定士試験といった感じです。今はまた司法書士の勉強をちょくちょく始めています。

 

 受験勉強にあたっては、教材を買いそろえるだけではなく、受験勉強のノウハウや体験談が書かれた本を読んでみたこともあります。

 

 そして様々な人のノウハウを読んで確信したことがあります。

 

 「優秀な人のノウハウ程あてにならない。」

 

受験勉強のノウハウを書いてる人は、普通の人では到底達成できないような結果を残している人が多いです。

 

「東大の理科三類に現役で合格しました。」

「司法試験に一回目で二桁順位で合格しました。」

 

といった感じです。

 

人間のアドバイスはその人が持っている能力が前提となっています。

 

優秀な人はその前提となる能力のレベルが高いです。

 

なので彼らと同じくらい優秀でない人にとってはむしろ害になるようなアドバイスが書かれていたりします。

 

「数学は暗記科目だ」

「受験は免許の学科試験のような暗記テストでしかない。」

 

現役で東大の理科三類に合格された。和田秀樹さんと石井大地さんの意見です。

 

私は高校生の時に東大の入試問題を見たことがありますが、どうやったら暗記だけで解けるのかさっぱり分かりませんでした。今考えると、彼らのような元々の思考能力が優れている人は、知識を応用して組み合わせることは特に訓練しなくてもできてしまうのでしょう。

 

昔、東大を出て司法試験に合格した人にtoeicの勉強法を聞いたことがあります。

帰ってきた答えは、

「英語の音楽を聴いただけ、それだけで900点とれた。」

とても参考になるものではありませんでした。

 

司法試験の勉強をしていた時も色々な人のブログを読んで勉強法を探っていましたが、一発で上位合格した人の進める教材はレベルが高かったり、無駄に分厚かったりしたりして参考にはなりませんでした。(彼らのような、理解力や知識吸収力が優れている人にとっては有用なのでしょう。)

 

 近年、高校野球に球数制限を導入すべきかどうかが検討されています。

 これについて、元野球選手や高校野球の関係者は反対している人が多いようです。

 「大多数の子は、高校時代が本気で野球に取り組む最後の機会になる。例え肩が壊れようが、本人に納得いくまで投げさせたほうがいい。」

 「選手層の厚い強豪高校はいいが、選手層が薄い学校は不利になる。」

 「見ている人を感動させる熱いドラマが見られなくなる。」

 等ということが理由として挙げられています。

 

 私自身は球数制限導入に賛成です。上記の意見については正直納得できません。以下、なぜ同意できないのか、説明していきたいと思います。

 

① 高校野球で終わってもいいと思っている子は、どの道酷使の対象となる可能性は低い。

  

  高校野球で酷使される投手は、以下の二つの条件がそろっていることが多いです。

  

  A 強豪高校の投手である。

  B チームのエースである。

 

  強豪高校でないチームはトーナメントの早いうちに敗退してしまうので、選手が酷使されることはまずありません。チームのエースになるような投手でなければ監督はたくさん投げさせようとしません。

 

 上記の条件がそろっている投手は、プロを狙えるような実力を備えていることが多いです。(横浜高校の松坂投手、PL学園の桑田投手、駒大苫小牧の田中投手、早稲田実業の斎藤投手等)

 

 高校でつぶれてもいいと思っているレベルの選手は、どの道酷使の対象とはならない可能性が高いです。

 

②  選手層が薄い高校が勝ち上がる例は稀である。

   

  これを言っては見も蓋もないかもしれまんせが、実際に甲子園に出てきて勝ち上がる高校は、名前の知れた強豪高校であることがほとんどです。有望選手は大体強豪に行ってしまうことが多いので、ある意味では当たり前のことです。

 

 「弱小高校に、一人だけ強豪と渡り合えるような投手がやってきてトーナメントを勝ち抜いていく」

 というのは、野球漫画の世界ではよくあることですが、現実には滅多にありません。

 

  こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、どうせ勝ち上がる可能性が低いチームに配慮する必要性を感じません。

 

③  エースを酷使して勝つのはいいこととは思えない。

 

   これが、私が球数制限に賛成する最大の理由です。

   

   「野球は投手力で七、八割が決まる」と言われているように投手力が非常の重要となるスポーツです。優秀な投手にたくさん投げさせれば勝つ可能性は大幅に上がります。投手として優秀な選手は野球センス全般に優れていて、打つ方でも主力となっていることが多いです。

 

  でもそれって、「エース一人の力で勝った」のであって、「チームで勝った」とはいえないのではないでしょうか。

 

  元野球選手の金村義明さんが、あるテレビ番組で以下のような発言をしていました。

  

  「俺は甲子園に一人で行って、一人で勝ってきたようなもの。レギュラーの選手のうち三人は予選でノーヒットだった。」

 

  よく、高校野球は教育の場と言われています。教育の場であるなら、一人のエースにおんぶにだっこの状態のチームを勝たせるのはよくないことではないでしょうか?一人の優秀な人に依存しているような組織は、会社でもスポーツチームでもいずれダメになる可能性が高いです。

 

④ 高校野球は興行ではない。

  

  実質的には興行となっている側面もある高校野球ですが、あくまでも本来は部活の大会です。

  「見ている人が感動できるかどうか。」

  という視点で、制度改正の是非を論じるのはよくないことだと思います。

 

  そもそも、

  「自分が所属する組織のために、自分の体を犠牲にしてまで頑張る」ことを美談にしてしまうのは、時代遅れであり是正しなければいけないことだと思いますが....。