戦わない経営/浜口 隆則
¥1,260
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著者は「日本の開業率を10%引き上げます!」をミッションにしたビジネスバンクという会社の代表です。
本は絵本のようなつくりで、メッセージはシンプルです。
「戦わない経営」の意味は、競争の激しい「戦場」から出ること、そしてそこでNO.1を目指すことです。
また、「成功する起業家」の第一条件は、「自分の人生で起こることを自分の責任と感じられるか」ということです。
特に目新しいことを主張しているわけではありませんが、読みやすく、その気にさせる内容です。

脳と性と能力/カトリーヌ・ヴィダル
¥714
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神経生物学者と科学ジャーナリストによる、性差や能力と脳の関係についての本です。
男女の知的能力や行動、感性の違いを、脳の生来的な違いに求めようとする言説に対して異を唱える内容です。
書かれている内容については、やや偏った男女同権の主張のように感じました。
男性は空間認識に優れており、女性はコミュニケーション能力に優れているというようなことも否定されているわけですが、著者らの主張するように全く違いがないというのも違和感を感じます。
著者らが例を挙げているように、男女の違いを強調した研究の中には、科学的におかしなものもあるのは事実でしょうし、政治的な意図があるものもあるかもしれません。
著者らが主張するように環境の影響は大きいとは思いますが、遺伝的な影響が全くないような主張もまたエキセントリックな感じです。

リサ・ランドール異次元は存在する/リサ・ランドール
¥998
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米国の女性物理学者リサ・ランドール氏に宇宙飛行士の若田光一氏がインタビューしたもので、NHKで放送された番組をもとに作られた本です。
ランドール氏は5次元世界の存在によって理論物理学の難問を解決する方法を発表したハーバード大学教授です。
「ワープする宇宙」という一般向けの本も書いて米国でベストセラーになったということです。
ランドール氏の説明によると4つの力(重力、電磁力、弱い力、強い力)のうち重力だけが弱すぎるという物理学の難問が5次元理論によって解決する可能性があるということです。
3次元の世界はこの5次元世界の膜のようなものということなのですが、そこからどのような含意があるのかはよくわかりませんでした。
本書は100ページにも満たない本で、しかも彼女の生い立ちや若田氏の宇宙での経験などの話もあって、理論についてはあまり説明がなく、興味があれば「ワープする宇宙」を読まなければならないようです。

その前提が間違いです。/清水 勝彦
¥1,575
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著者は戦略コンサルタント経験を持つテキサス大学サンアントニオ校経営戦略担当准教授。
論理的思考の「起点」となる「前提」を疑うことで、実効性のあるロジカル・シンキングが実践できると説いて、組織・戦略・ヒトについて具体的に17の問題について、「起点」を変える考え方を提案しています。
最後に、「「起点」「前提」を間違えないために」の章で、以下の「経営を考える十大前提」を挙げています。
1.組織とは考え方や価値観の異なる人間の集まり。
2.新しく必要な情報は組織やルールだけに頼ったら流れない。
3.「やりやすいこと」「やれること」だけをやっていては組織は成り立たない。「やらなくてはならないこと」を追求することが経営である。
4.すべての施策にはプラスとマイナスがある(トレードオフ)。
5.明確な「ビジョン」「戦略」とは、言葉が明確なことではなく、他社との差別化が明確なことを言う。
6.もともと未来志向の戦略や施策はつねに実行段階で問題・課題に直面し、修正を必要とする。戦略の立案、修正と実行は一心同体。
7.新しいことをやろうと思ったら、抵抗があって当たり前。
8.採用とは、「ほしい人材」像を明確にし、「ほしい人材」が応募するようにする経営の仕事である。
9.採用、人事評価・処遇制度は企業の根幹をなす仕組みであって、どんな制度でも地道な実行と修正の取り組みがなければ効果は上がらない。
10.人事は「人事部」の問題でも、「国のカルチャー」の問題でもない。一つひとつの企業の「経営」の問題である。
前提を深く考えないで結論に向かいがちなところを自省するにはいい本です。


ピーター・フォーブズ, 吉田 三知世
ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー

生物の離れ業を学んでそれを乗り越えようとする科学「バイオ・インスピレーション」について、その最先端を切り開く人々に直接取材して、さまざまな研究成果を紹介する、ポピュラー・サイエンスの本です。
10億分の1メートルから100万分の1メートルまでのナノ・スケール・テクノロジーの世界を観察し、操作することが可能となって始めて利用することのできるようになった世界です。
「ハスの葉」「クモの巣」「ヤモリの指」「チョウの羽」「アワビの殻」「昆虫の翅」などからナノテクノロジーの技術あるいはその可能性を解説しています。
まだ完全に模倣することはできないものの、かなりその謎が解明されているという状況で、自然の精妙さを感じるとともにこれからの技術の発達に期待を持たせる話です。
日進月歩の世界ですから、この本で未解明とされている事象もそう遠くないうちに新しい技術として実用化されていくのはないかと感じました。

桐野 夏生
メタボラ

記憶喪失の青年と宮古島出身で「独立塾」から逃げ出した青年を主人公に沖縄を舞台に描いた小説です。
新聞連載のせいか、いつもの桐野さんの意地の悪さや毒のようなものは薄い気がしました。
後半、記憶を取り戻した青年が自分の過去を語るところは桐野さんらしく、家族の崩壊やワーキングプアの悲惨さが描かれていると感じました。
全体として悪くはないのですが、「OUT」を読んだときのような衝撃はありませんでした。



「五感のクオリアも意識のクオリアもイリュージョンである」というのが著者の主張です。

「第1章 意識はイリュージョンである」では、受動意識仮説を説明し、「第2章 五感というイリュージョン」では、触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚の五感について、それぞれ実在ではなくイリュージョンであると説明しています。
「第3章 主観体験というイリュージョン」では、感覚遮断タンクの体験を踏まえ、悟りの境地についての考えを述べます。
意識というものはイリュージョンではあるが、だから逆に意識を持つということは「儲けもの」と考えようと述べています。
非常に明快でわかりやすい本であり、脳や意識について、考えが非常に整理されました。

池谷 裕二
進化しすぎた脳

2004年春に慶応義塾ニューヨーク学院高等部で行われた脳科学講義の記録です。
著者自ら「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」と自画自賛するだけのことがあって、基礎的な話から最先端の研究まで広く網羅し、自由意志からアルツハイマー病の原因まで、柔軟性を生むために発達したヒトの脳のメカニズムをわかりやすく説明しています。
ヒトの脳はすべてを使っていないということは知られていることですが、特に「身体が脳の性能を決定している」という説明はなるほどと思いました。

デボラ・ブラム, 鈴木 恵
幽霊を捕まえようとした科学者たち

原書のタイトルが「GHOST HUNTERS」なので、邦題もこういうタイトルになっているのでしょうが、扱っているのは幽霊というよりは、心霊現象全般で、虫の知らせ、サイコメトリー、テレパシー、テレキネシス、エクトプラズム、交差通信などです。
19世紀後半から20世紀にかけて、心霊現象を研究した科学者たちの話です。
キワモノではなく、主人公はプラグマティズム哲学を代表するウィリアム・ジェイムズで、その他、イギリス、アメリカを中心にノーベル賞受賞者も含めた科学者たちが登場します。
彼らは、科学が宗教に替わろうとしている時代に、宗教サイド、科学サイド双方から非難されながら、両者をつなぐものとして、科学的な手法での探求を行おうとしていました。
彼らの創設した心霊研究協会は現在も活動しているようですが、本書に出てきたような事象は依然明らかにはされていません。
また、科学の世界からは依然として研究対象としては扱われていません。
日本でも胡散臭い霊能者はテレビにも登場するほどポピュラーですが、科学的な調査というのはあまり目にしませんね。

ダン・ケネディ, 枝廣 淳子
大金持ちをランチに誘え! 世界的グルが教える「大量行動の原則」

原題は「THE ULTIMATE SUCCESS SECRET」。
なぜこんなしょうもない邦題をつけたか分からないのですが、内容はシンプルで説得力のあるものです。
まさに著者の考える「ULTIMATE」な成功法則を分かりやすく説いています。
一言で言うと「JUST DO IT.」。
行動することのよってのみ成功できるというある意味で当り前のことですが、それに集中して話をしています。
やる気になるためにはいい本だと思います。