「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」に続く、裁判傍聴モノ。
新聞にも載らないような刑事事件を中心に、野次馬的な文体で、面白く読ませます。
著者も書いているように、被害者の視点はあまり入ってませんが、それは裁判所に実際に出てくる人間が、被告人、裁判官、弁護士、検察官、証人だからで、著者は、その人間関係を観察することを裁判傍聴の愉しみとしています。
裁判進行の過程で、人情を見出したり、意外な人物像や展開に驚いたりと、読み物として面白く描かれています。

Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7/石田 衣良
¥1,600
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池袋ウエストゲートパークⅦです。
「要町テレフォンマン」「詐欺師のヴィーナス」「バーン・ダウン・ザ・ハウス」「Gボーイズ冬戦争」の4編が収められています。
「要町テレフォンマン」は振り込め詐欺、「詐欺師のヴィーナス」は絵画のキャッチセールス、「バーン・ダウン・ザ・ハウス」は自宅を放火した中学生の話、「Gボーイズ冬戦争」はタイトル通りのGボーイズの内紛にマコトのインディーズ映画出演が絡む話です。
ちょっとマンネリ感はありますが、いずれも一気に読める作品で、文章も洒落ています。

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書 な 3-1)/長嶺 超輝
¥756
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司法浪人を経験し、裁判の傍聴をライフワークにする著者が書いた、本当にあった裁判官のお言葉と解説です。
「爆笑」というタイトルはちょっと違和感があり、内容は「量刑相場」と個別の犯罪との狭間で裁判官が述べた人間的な言葉を集めたものです。
やはり死刑に関わる発言は重いですね。

週末からはじめる修行のススメ―出家体験入門
¥1,680
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「第1章 仏教体験入門」では、初心者が参加できる各宗派の本山クラスのお寺での体験を紹介しています。
紹介しているのは、比叡山延暦寺(天台宗)、高野山東京別院(高野山真言宗)、成田山新勝寺(真言宗智山派)、三縁山広度院増上寺(浄土宗)、本願寺築地別院(浄土真宗本願寺派)、諸獄山總持寺(曹洞宗)、永平寺別院長谷寺(曹洞宗)、巨福山建長寺(臨済宗)、瑞鹿山円覚寺(臨済宗)、池上本門寺(日蓮宗)および東京国際仏教塾と南無の会です。
初心者向けの修行の紹介を読んで興味を持ったのは、禅宗系でした。座禅はやってみたいと思いました。
本書では、東京を中心としたお寺を紹介しているので、ぼくには便利ですが、東京以外の読者にはちょっと不便かもしれません。
「第2章 本格出家をめざすためには」では、天台宗、高野山真言宗、浄土宗、臨済宗、日蓮宗の各宗派の僧侶になるための手続きを紹介しています。
ぼくはそこまでの覚悟があるわけではないので、ここは軽く読みましたが、どの宗派でも「師僧と縁を持つ」というのがスタートとなることを知りました。
「第3章 私の出家体験」では5名の出家体験を紹介しています。
「第4章 いざ巡礼の旅へ」では、四国八十八ヶ所霊場、秩父三十四ヶ所観音霊場、西国三十三所札所、板東三十三ヵ所観音霊場の4つの巡礼ルートについて各寺を紹介しています。
これは本書の趣旨からはちょっと外れるような気がするのと、内容が中途半端で、この章だけ別の本にしたほうがいいと思います。
全体としては、ぼんやり興味を持っていたけど、あまりよく知らなかったことをわかりやすく紹介してくれる本でした。

サブタイトルは、「日本人は、なぜUFOを見なくなったのか」。

筆者が言うように、たしかに最近はUFOがあまり話題にはなりません。
その代わりとして「スピリチュアル」のようなものが流行っているのでしょう。
筆者は、UFO自体の存在よりも、それを見るひとたちについて考察しています。
1960年代から70年代にUFOが流行ったのは、現実から逃避するのに、未来を夢見たから。
そして、現代の日本人がUFOをあまり見なくなったのは、未来を夢見ることが出来にくくなったからだと指摘しています。

日本人への遺言/城山 三郎
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作家の高山文彦による故城山三郎へのインタビューをまとめたものです。
タイトルの印象からは、経済小説で見せた倫理観のようなものが語られているのかと思ったのですが、話の中心は、戦争のことでした。
城山三郎が海軍特別幹部練習生であったときの話や、小説「落日燃ゆ」や「指揮官たちの特攻」の取材秘話、小説家となるまでといったものが語られていました。
インタビューは、城山三郎が亡くなると思って行ったわけではないでしょうから、そういう趣旨での話を伺ったのだと思いますが、タイトルに偽りありという感じは否めません。

古都 (新潮文庫)/川端 康成
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京都とその四季の行事を舞台とした双子姉妹の物語。
主人公の千重子は生まれたときに捨てられて呉服問屋の娘となり、もう一方の苗子は北山杉の村で働く娘となっています。
風景描写と京言葉が美しく、どうということのないストーリーも堪能して読むことができます。
名作の味わい、という感じがしました。

江戸の妖怪事件簿/田中 聡
¥714
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タイトル通り、江戸時代の妖怪について、当時書かれたものなどを参考に、当時の人たちがどのように感じていたのか、いくつもの事例や事件を取り上げて説明しています。
当時の人々は、知識層であっても、幽霊の存在は信じなくても、狐狸が化かすということはありうることと信じていたようです。
本書を読むと、なんでそんなことを信じていたのかという点もありますが、現代でも、前世やUFOなどを信じている人は大勢いますので、実は信じるものは違ってもそうした考え方は生き延びるものなのでしょう。
もう少しほんとの妖怪話があれば面白かったと思うのですが、ちょっと紹介の仕方が中途半端な感じがしました。

スーパーコンピューターを20万円で創る/伊藤 智義
¥714
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シミュレーション天文学のために、手作りでスーパーコンピューターを超える演算速度を持つコンピューターを20万円で作ったというプロジェクトXのような話です。
著者は、このコンピューターを作ったときは大学院生で、現在は千葉大学の教授です。
著者の作ったコンピューターを皮切りにスタートしたGRAPEプロジェクトは、1989年に開始した後、いくつもバージョンアップし、ゴードン・ベル賞という高速コンピューターの分野の賞を何回も受賞しました。
このプロジェクトによって、天文学の計算専用のコンピューターができ、銀河や恒星の複雑な動きが解析できるようになったということです。