ADHDの思考力はキーボードで劇的に変わる | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

毎日パソコン使う?

ADHDの思考力はキーボード入力で

劇的に変わる

 

ADHD族の脳の中は、いろいろな思考が忙しく飛び交い、ノイズも多い。論理的な思考をしようと思ったら、

  • 頭の中に浮かんだ言葉やアイデアをいったん外に出して「見える化」する
  • 不要なものを捨て、必要なものは残し、それを論理的に伝わるように並べ替える

というやり方が合理的だ。これは鉛筆でやろうとすると手間がかかる。

 

●ワープロがなければライターになれなかった

「キーボードがないと、考えたことの1/3もアウトプットできない」というのが今の私(脳内多動ADHD)の状況だ。キーボードを使うようになって、やっと「出力」が「思考」のスピードに追いついた……というと、「どれだけ頭の回転が速いんだ」とツッコマれそうだが、ADHDの脳内は無駄回転(カラ回り)が多く、ノイズも多い。その中から「使えるもの」を拾い上げるのが大変な状態だと想像してみてほしい。

 

だから、たとえば文章問題の解答などで「頭の中で論理的な文章を構成してからアウトプットする」というのは至難のワザだ。

 

思いついた単語をどんどん画面に吐き出してしまい、いらないものを削ったり順番を入れ替えたりして文章を構成し直すほうがよほど簡単。もしワープロソフトが発明されていなかったら、私はライターの仕事もできなかっただろうし、フリーランスになれるほど稼げなかったと思う。

 

●ADHDはコンピュータ親和性が高い

いきなり私の話から始めてしまったが、現代人は鉛筆を使って思考しているときから、キーボード入力に移行するときに大きな思考回路の変化があると思う。この変化が学生時代に起こると、学力にも大きな影響がある。多くの場合、学業にプラスに働くはずだ。特に文系科目(国語、英語)、理系で論文執筆が必要な場合などはギアがトップに入ったような変化を感じるかもしれない。

 

ADHD族に限らず、小・中学生の勉強はまだまだ手書きベースだと思うが、PC、特にワープロを使うようになると勉強の労力が半分になる。それくらい、PCはADHD脳の助けになる。言い方を変えると、ADHD族はPC親和性が高い。私はADHD族にとって、ワープロは筆記具の一部だと考えている。

 

●キーボード入力に移行する時期は?

現在50代の私は中学時代に最初のタイプライターでローマ字入力の練習を始めた。大学生の頃はまだ「ワープロ専用機」の時代で、勉強は手書きが基本だった。私の世代で、卒論はワープロ原稿で提出可能になった。それまでは「手書きに限る」と注意書きがあったのだが、教授たちが学生の悪筆にとうとう音を上げたのだ。まだまだ「カトペ」などという言葉がなかった時代の話だ。

 

このとき、卒論を書くことを通して、私は頭の中に浮かぶ脈略のない「単語」や「思いつき」を1つ1つ文章化していく技術を学んだと思っている。とにかく一度持っているものを画面上に全部出し、それを整理すれば論理的思考を経た説得力のある文章が書けるようになる。

 

 

そういう時代だったからしょうがないが、「もし、中学時代にワープロがあったら」と、つい考えてしまう。もっといろいろな頭の使い方ができたかもしれない。

 

私見だが、キーボード入力への移行は早いほど有利だ。仕事をしている人はちょっと考えてみてほしい。自分の業務の中で「どうしても手書きでなければならない仕事」がどのくらいあるだろうか? せいぜい得意先への礼状ぐらいだろう。

 

文字の入力なら「スマホやタブレットでも同じではないか」と思われるかもしれない。だが、スマホの入力は「頭の中のものを先に全部出して後から整える」という工程がないので、どちらかといえば鉛筆書きに近い。「会話そのまま」と言ってもいい。タブレットもキーボードを使って、画面内で文章構成をしなければ同じことだ。

 

くりかえしになるが、混沌とする頭の中から一度素材を全部出して「見える化」したうえで、構成し直す」。それがADHDの学力、思考力を伸ばす鍵だ。

 

 

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