ADHD「光」とのつき合い方 8 会って話すより電話? | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

ADHD「光」とのつき合い方 8

ADHD女子は会って話すより

電話の方がうまくいく?

 

ぽてたろうです。

「光」の項目も、残り少なくなってきました。今日は「電話」のお話です。「電話は音の項目に入るべき?」、確かにね。でも、その影響力は「たくさんの情報の中から、必要な情報を選ぶ」といった場面で、目の働きを助けてくれることもあります。

 

↓今ここ

苦手な光の刺激チェックリスト

 

■面と向かって話すより、電話のほうが相手の話を聞きやすいし、自分も話しやすい

 

ちょっと前に、ADHDで同業者(雑誌の記事執筆)、ほぼ同年代だという男性と仲良くなったことがある。しばらくはADHDライター同士の「あるあるネタ」で盛り上がれるかと思ったのだが、だんだんそうも言っていられなくなった。同じ「書く」仕事なのだが、ダンドリというか仕事のやり方が彼と私では全く違うということだ。

 

たとえば私は電話取材は大の苦手。相手に私の「わかってない顔」を見てもらえないと、フルスピードで難しい話されてしまう。録音必須だ。いつもはノート中心で録音はサブ的にしか使わないのだが、電話取材のときだけは何回も聞きなおす。録音された口調はどんどん早口になっていく気がしてやりにくい。なので、ちょっと遠くても、あまり時間がもらえなくても「直説会いに行っていいですか?」になる。

 

真逆だが、彼は、「電話取材が一番得意」だという。編集部での下っ端時代、毎日ほとんどの時間を電話取材にかけていた。数値データなどの記憶も、音の記憶とヒモづいて覚えていることが多いという。一度電話で聞いた声は、名前も含め、話の内容を忘れない。

 

 

ところが、編集部に新人が入ってきて、彼はもっと中堅~古参の「現場取材」をメインにする立場になった。取材させていただく方に直接会にいく。そうしたら、今までの実績はどこへやら、全然取材に集中できず、ミスを連発し、記事全体のピントもズレ、編集長にこっぴどく叱られたという。

 

これは私の想像だが、彼は視覚情報にとても敏感なタイプのADHDで、目の前に相手がいたり、関連資料を見えたりすると「情報過多」でフォーカスが定めにくくなり、集中できなくなってしまうのではないだろうか? 情報の渦の中、彼は電話で耳から入ってくる情報だけに注意を向ける方法で、仕事への集中力を獲得していったのだろう。電話のマスキングを卒業したその後の彼は、伊達眼鏡をかけてみたり、相手の真正面に座らないように座席を調整したり工夫をして、直接取材の仕事でも活躍するようになった。

 

 

電話には、相手からの情報が音しか入ってこないという、多すぎる情報のマスキング効果があり、「全部大事に見えてしまう」タイプのADHDは決断しやすくなる。


だが、一般的な電話では、相手が「この人わかってないな」「退屈してる?」といったこちらの様子が見えないため、暴走機関車のようにしゃべり続けてしまいがちだ。対策として「こちらにはあなたが見えていない」ということを伝えるといい。

「それは漢字で書くと、どういう字ですか?」

「能登半島の先端の方ですか? 付け根のあたりですか?」

「それは見た感じも柔らかそうですか?」

 

もちろん「もう一度」「わかりません」も言ったほうがいい。また、固有名詞や個数や値段などの数字をオウム返しで確認するのも有効なペースダウン。

 

もう1つは、必要がなくても、とりあえずメモを取りながら話を聞くことだ。できれば仮想伝言ゲームで、「この話を70歳の母にわかりやすく伝えるには?」と、伝えるターゲットを決めておくと「今私がわかっているから大丈夫」という思い込みが抜けて、1週間後に読み返しても「意味がわかる」メモがとれるようになる。「聞く」と「書く」の2つに絞るため、注意力を電話の内容に向けやすくなるはずだ。