大館駅の一駅手前、東大館駅の駅舎も歴史がありそうだ。昭和4年(1931)改修されているから秋田鉄道時代のものだ。この駅舎の価値は大館市民も認めるところで、建て替えるつもりだったが、現駅舎を活用する案に計画変更されたようだ。 

 

大館駅に到着。こちらは昨年11月に新しい駅舎に生まれ変わっている。前回訪れた2018年夏にはJR線が次から次へと運転見合わせになり、不安な気持ちで待合室に佇んだことを思い出すが、歴史の重みを感じる駅舎だった印象がある。(写真/右奥に旧駅舎があった) 

 

大館駅に隣接する貨物駅は運行本数は少ないものの維持されているようだ。むしろ、運転手の2024年問題によって、少ない人数でたくさんの荷物を運べる貨物列車輸送に期待が高まるのではないかと思いたい。 

 

駅前には「秋田犬の里」という観光施設も建設されている。昔の渋谷駅を模したとされるその建物の前には、大館駅前に設置されていた忠犬ハチ公像が移設されている(写真右)。2018年の運転見合わせの時は、その表情に自分の気持ちを例えたのだ。

 

新しくなった駅舎にはバスの切符売り場も設置されている。ここから盛岡駅に向かうのなら、バスが約2時間20分で2,700円。JR花輪線だと約3時間で2,640円。これならバスが選ばれるのも仕方がない。 

 

以前、糸魚川駅の「みどりの券売機プラス」でオペレーターと話しながら切符を購入する姿をみたことがあるが、JR東日本では「話せる指定席券売機」と呼んでいるようだ。ちょうどご高齢の女性が通話しているので、しばらく様子を窺うと、案外スムースに手続きできているようだ。こうした光景が主要駅でみられるようになっていくのだろう。 

 

大館駅からJR奥羽本線秋田駅行きの特急つがるに乗車する(写真)。当初は、青森県の大鰐温泉に宿泊し、この列車の次のつがるに乗ろうと計画していた。それを鹿角市に変更したことから、初歩的な勘違いが生じることになる。
 


梅雨前線より先に秋田を旅する Vol.8に続く