鹿角花輪駅から二駅目の十和田南駅では方向を変えるため5分間停車する。その構造になった訳は小坂鉱山と鹿角にあった尾去沢鉱山とを結ぶ鉄道路線を開設しようとする計画があったからだ。十和田南駅はその重点駅の役割りを担うことになっていた。(写真/小坂方面に向かうはずだった方面の車止めをみる) 

 

十和田南駅は大正9年(1920)秋田鉄道の毛馬内(けまない)駅として開設。昭和9年(1934)国有化され、翌年には駅舎が改築されている。昭和32年(1957)現在の名称に変更されている。(写真/ホーム側から木造駅舎をみる)

 

新しい名称になったのは十和田湖観光の玄関口として観光客を呼び込もうとしたからだと思われる。渋谷弁当部製造の「錦木おこわ」など駅弁も販売されていたが、平成15年(2003)販売を終了している。ちなみに平成20年(2008)にはKIOSKや立ち食いそば屋も閉店され、今年4月に終日無人駅化されたばかりだ。(写真/往時を偲ぶ広い空間の待合室) 

 

駅舎には貴賓室が新設されたとウィキペディアにあるが、ざっとみただけでは、他のサイトに記述がない。皇室を迎えるために設置したなら、そんな記事があっても良さそうだが、あるいは政治家、財界人といった人たちのために設置されたのかもしれない。(写真/ここから方向を変えて大館駅に向かう) 

 

これから先の花輪線はほぼ米代川と並行して進む(写真)。こうして車窓を眺めていたいのはやまやまだが、防雪仕様だからなのか窓ガラスに歪みが生じて、ずっとみていると目が痛くなる。ちょうど度が強いレンズのようだ。 

 

 

眼鏡を換えたばかりだからか、かつても窓ガラスに歪みを確認したことがあったが、めまいする感覚までは初めてだ。昨日から気になっていたが、これではローカル線を満喫することはできない。(写真/ということで時々、視線を正面に向ける) 

 

 

とはいえ、この長閑な雰囲気には安らぎを覚える。この梅雨の頃が、一番緑が輝いている。 入梅した信州では本日は終日雨降りのようだが、ここ秋田は天気がいい。

 


梅雨前線より先に秋田を旅する Vol.7に続く