池田工業高校硬式野球部のグラウンドには選手の姿がある。どうやら中信連合チームの合同練習のようだ。ここは構成する5校の中でもっとも北に位置しているが、もっとも南の高校からは100㎞も離れている。ちょうど本日、長野県を4つの区割りに分けている支部単位で選抜した対抗試合が開催されている。おそらく野球人口を増やすための方策だろうが、こうした甲子園の裾野の現実に、高野連の関係者は何を思うのだろう。 

 

池田町から大町市に入った付近で振り向いて松本方面をみる。望遠レンズをのばしてみると、この正面は塩尻市の東山のすそ野であることに気がつく。すると低い山を越えれば諏訪湖になり、さらに一番奥に聳える高い山は南アルプスになることが判明する。松本の市街地はすり鉢状の底にあることを実感する。 

 

いつも本を読んで昼食の混雑時を避ける時間調整をする大町社公園。しかし、身体は温まらずベンチに腰掛けページを開く気にはならない。(写真/ソフトボール場を囲む広葉樹の葉はほとんど散ってしまっているが、紅葉している場所を選んでBD-1を写す)

 

昭和電工(いえ、今はレゾナック・グラファイト・ジャパンという社名に変わっている)が所有する野球場(写真)。その周囲にあった古い社員住宅のいくつは最近になって解体された。一時は3,000人ほどが働いていた大町事業所も、今は390名ほどの社員数となっているようだ。 

 

この野球場に人が集わなくなってもう何年経つのだろう。人が入らないから草が伸びて、秋になってそのまま枯れる。寂しい風景だが、昭和電工初代社長の森矗昶(のぶてる)が創立した頃は、この野球場には多くの従業員たちが集い、大いに賑わっていたはずだ。おそらく森社長も豪快な声援を送っていたに違いない。そんな遠い昔の光景に心の焦点を合わせてみる。 

 

11月なのに蝶々が飛んでいる。今まで意識したことはないが、やはり温暖化が進んでいるのだろうか。ほんの少し動きが鈍い感じで、カメラを近づけても素早く逃げないことをいいことに接写モードで素早く写真に収める。 

 

 

大町市街地の商店街も、他の地方都市と同様に元気がない。私の知る限り、人が並んでいるのは俵屋くらいになってしまっている(写真右奥)。令和元年(2019)10月に新装開店するまでは決して行列のできる店ではなかったが、未だに列が絶えない。
 


おそらく今年最後の安曇野トレポタ Vol.3に続く