新小滝発電所の建屋は、小滝川が姫川に流入する付近にある。小滝川、姫川いずれも左岸側に位置する。(写真/岩盤から突き出したように設置されている上部水槽。縦57.4㍍、横6.0㍍、高さ6.8㍍と意外に奥行きがある=2018年9月8日撮影=)
 

 

門柱から水圧鉄管と建屋の位置関係を確認する。建屋だけは、外装が新しく施されているようだが、それ以外は運用開始当時のものと思われる(写真=2018年9月8日撮影=)。

 

しかし、門柱に埋め込まれた銘板は東京発電の名が入っている。つまり、昭和61年(1986)以降に銘板だけ取り換えられたと思われる(写真=2018年9月8日撮影=)。
 

 

水圧鉄管は2条のように見えるが、写真左側の管は余水を流している。この日は降雨のため水量が多く、余水口付近にも水が押し寄せているが、おそらく余水を放水していると思われる(写真=2018年9月8日撮影=)。

 

新小滝発電所は有効落差31.6㍍を流れ落ち、最大出力3,300kW、常時出力300kWの電力を生む。電力はデンカ青海工場へ送電されていると思われる。(写真/通常期の様子=2023年8月2日撮影=)
 

 

小滝川下流を暗渠で横切るのは、姫川左岸から取水された姫川第七発電所の導水路。新小滝川発電所の発電に使用された水も、総延長39.5㍍の放水路を経て一緒に導水される。電力は建屋の隣にある変電施設から裏手の山を駆け上り、姫川第七発電所へと送電される。(写真=2024年4月30日撮影=)

 

 

国土地理院の地図で位置関係を整理してみる。小滝川上流にあるのがデンカ小滝川発電所(A)。その直下に新小滝川発電所の取水口および沈砂池がある(B)。そこから明渠と暗渠の導水路を流れ発電所建屋(C)に到達する。放水は小滝川ではなく、姫川第七発電所の取水口(D)から導水される水と合流する。ちなみにその取水口に隣接するのは黒部川電力姫川第六発電所および新姫川第六発電所である。
 


新小滝川発電所 END