高瀬ダムの規模は堤高176㍍、堤頂長362㍍、堤体積1,159万立方メートル。堤高は黒部ダム(186㍍/富山県)に次ぎ第二位の高さ、堤体積は徳山ダム(1,370万立方メートル/岐阜県)、胆沢ダム(1,350同/岩手県)、奈良俣ダム(1,350同/群馬県)に次ぐ第四位の大きさを誇る。(写真=2019年5月25日撮影=) 

 

高瀬ダムは前田建設工業によって建設され昭和54年(1979)竣工している。ロックフィルダムとしては日本一高いが、6万とも8万個ともいわれる様々な大きさの石は、ひとりの職人が6年かけて積み上げたものだ。(写真/堤体にはつづら折りの道路が設置されている=2019年5月25日撮影=)

 

つづら折りの道を登っていくと、堤体の中ほどに国土交通省の地震計がある(写真=2019年5月25日撮影=)。他にも不明な扉のようなものがあったり、ダムサイトには下流漏水量計測室があったりと、ダムの安全を守っている装置が働いている。 

 

高瀬ダムは信濃川水系高瀬川の最上流に建設されたロックフィルダム。Power generation(発電)を目的に東京電力リニューアブルパワーが管理している。(写真/堤体の右岸側には原寸大のスキーのジャンプ台のような非常用洪水吐が設置されている=2023年9月9日撮影=) 

 

非常用洪水吐には2門のローラーゲートが設置されている。このゲートが上がれば、ダム湖の水がジャンプ台を滑り落ちる仕組みになっている。(写真/ゲートに集まる流木。右奥の建屋が管理棟=2019年5月25日撮影=)
 

 

総貯水容量7,620万立方メートルのダム湖に呼称はなく、一般的には高瀬ダム調整湖と呼ばれている。昼間は右岸側から取水し、地下にある新高瀬川発電所へ水を送り発電し、七倉ダム湖に放流している。夜間は、下池である七倉ダム湖から上池である高瀬ダム調整湖に揚水している。(写真/高瀬ダム天端からダム湖をみる=2019年5月25日撮影=)
※揚水運転は週周期という説もあり詳細は不明
 
 

ダム湖左岸側には船庫があるが天端から道は通じておらず、人は船庫までどうやってたどり着くのかは不明だ。国土地理院の地図には、船庫の下流側に余水路の取水口があり、いったん暗渠に入った後、ダムサイトで再び高瀬川を形成している。川は七倉ダム湖へと流入する。(写真=2019年5月25日撮影=)

 

 

高瀬ダム天端右岸側に設置されているダムの銘板をみる。その奥には山小屋風の管理所があるが、おそらく建設時から無人で、台風などが近づき警戒態勢に入ったときに監視を兼ねて人が入り、必要に応じて非常用洪水吐のローラーゲートを操作すると思われる。(写真=2019年5月25日撮影=) 
 


高瀬ダム/新高瀬川発電所 Vol.2に続く