そういう訳で東北電力本名ダムを見学する。今年1月に本名バイパスが完成するまでは、なんとこのダムの堤頂を国道252号が走っていたという。(写真/JR只見線第六只見橋梁の真下から写す)

 

 

第六只見橋梁は平成23年(2011)の豪雨災害により流失してしまう。旧橋は上路式だったが、新しい橋は下路式のトラス橋に生まれ変わった。いつの日か只見線に揺られこの橋から本名ダムをみてみたいものだ。

 

 

会津大塩駅の付近では炭酸水が湧き出るためこぢんまりとした日帰り温泉施設もある。炭酸水の温泉はかなり魅力的だが、お盆休みに通じるこの時期、観光客が多いのだろうと訪問を諦め、せめて大塩天然炭酸場(写真)で炭酸水をペットボトルに詰める。

 

 

朝、立ち寄った田子倉ダムの展望台で車中泊をすることに決める。寂しい場所だが、軽トラを改造したキャンピングカーの先客がいて少し安心できる。(写真/この時期の車中泊は暑いので、プラチナ色に染まる田子倉湖を望む場所で、涼しくなるまでまったりと過ごす)

 

 

もちろん蚊取り線香や蚊が苦手な匂いを放つキャンドルを持ってきている。これだけで驚くほど蚊は寄ってこない。

 

 

暗くなるまでの時間、読み続けている「オッサンの壁」(佐藤千矢子著)のページを捲る。著者は毎日新聞社で政治部長まで務めた現役の記者。同世代の方なので、女性が働く環境の変化はよく理解できる。政治部長に抜擢されたのは、新聞社が苦境に立たされている時代背景があったのではないかという自己分析に複雑な思いが交差する。

 

 


バーボンを、先ほど大塩天然炭酸場から汲んできた炭酸水で割って飲む。これはまさに天然のハイボール。ダム湖の向こうの林から聴こえてくる蝉の残響。時折、魚が跳ねる水の音をBGMに、真夏の夜をひとり静かに過ごす。

 


国道252号で県境を越え只見川へ Vol.8に続く