2020年7月19日(sun)

 

昭和59年(1984)に無人化され、今では秘境駅として名高い峠駅に車で訪れようとすると、福島市と米沢市を結んでいる国道13号から山形県道154号に入り、続いて232号へ。さらに細い過酷な山道を進んだ先にみえてくる。(写真/あじさい越しに峠駅がスイッチバックの駅だった名残りの旧引き上げ線のスノーシェッドをみる) 

 

峠駅は、JR奥羽本線福島駅-米沢駅間に至る板谷峠に位置し、標高622㍍と同本線の中でもっとも高い場所にある。上り下りとも下り坂になる、その名の通り峠の駅である。(写真/旧引き上げ線のスノーシェッドの出入口) 

 

その出入口から中に入ると、片側にはレールが残るが、これはもちろん今では使われていない。もう片方は舗装道路になっているが、ここには車を乗り入れることが可能だ。少し離れた滑川温泉福島屋と姥湯温泉桝形屋では列車で訪れる人を送迎していて、そのために車が通れる仕組みになっている。(写真奥/「峠の茶屋 力餅」を訪れる観光客が駐車している) 

 

反対側をみると、出入口の前にはキュービクルがあり、レールを遮断している。その奥が本線となる。スイッチバック廃止後、本線にホームが設置されている。(写真/本線と旧引き込み線は斜めに交差している) 

 

本線にもスノーシェッドが設置されていて、改めてこの付近が雪が多いことを実感させる。平成2年(1990)山形新幹線開業に伴いスイッチバックが廃止されるが、同時に奥羽本線山形線(福島駅-新庄駅の在来線区間)は標準軌に変更されている。(写真/下りホームから福島駅方面をみる) 

 

峠駅は、奥羽南線福島駅-米沢間の開業に伴い明治32年(1899)5月、峠信号所として開設され、3か月後には旅客駅に格上げされている。当時の列車本数は普通旅客列車が上下各3本、貨物列車が上下各1本であったようだ。(写真/島式ホーム1面2線と待合室を写す) 

 

板谷峠は、急勾配の難所であったため、福島県側から赤岩駅、板谷駅、峠駅そして大沢駅(開業当初は大沢信号所)と4駅連続して設けられたスイッチバックで登らなくてはならなかった。(写真/待合室には秘境駅には欠かせない駅ノートが置いてある) 
 


峠駅 Vol.2に続く