2017年2月19日(sun)

 

「日本一のモグラ駅」として有名な上越線の土合駅。三国山脈の麓にあるため、駅舎は三角屋根のデザインになっているが、私には、秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅を彷彿させる。駅舎は、この区間が複線化された昭和42年(1967)の竣工で「関東の駅百選」に認定されている。

 

 

土合駅は群馬県最北端に位置する県境の駅。周辺には住宅など人が住んでおらず、秘境駅のひとつに数えられる。しかし、この駅はかつて、谷川岳の玄関口として多くの登山客が利用していた。もちろん、この駅の不思議な魅力にとりつかれた鉄道ファンも決して少なくはない。
 

 

駅舎の標高は約654㍍だが、地下の下りホームは583㍍と71㍍もの高低差がある。それを繋ぐのが長さ338㍍の階段と143㍍の連絡通路。そのため無人化される前は、改札は発車10分前に打切られていたという。(写真/屋根には、駅員がいた頃に温かく焚かれたはずのストーブの煙突が残る)

 

 

昭和6年(1931)水上駅 - 越後湯沢駅間の開通とともに信号場として開設された。翌年にはスキーシーズンに限り旅客営業を開始。そして、昭和11年(1936)駅に昇格している。(写真/駅舎は高級な山小屋風の造りとなっている)
 

 

昭和42年(1967)新清水トンネル開通により、湯檜曽駅 - 土樽駅間が複線化。それによって、トンネル内に土合駅下りホームが設置され運用を開始する。(写真/下りホームに向かう連絡通路は、昭和42年(1967)に竣工している)

 

【動画】 土合駅下り線の風圧>>>
 

連絡通路の一部は湯檜曽川を渡る橋梁となっている。屋根があるため、中を通っていると全く気がつかないが、外からみるとトンネル部と接続している。考えてみれば、もう50年もこうしてこの地に佇んでいることになる。

 

 

関越自動車道水上ICが車で20分程度の距離にあること。この区間の列車の本数が少ないこと。谷川岳ロープウェイの駅まで距離があることなどから、ハイカーや登山客は車の利用か、水上駅や上毛高原駅からバスを利用する人が多く、土合駅を利用する人は少なくなっていく。(写真/廃屋になっている土合ハウスが駅前に残る)

 


土合駅 Vol.2に続く