昭和57年(1982)上越新幹線が開業したことが影響し少しずつ乗降客が減少していく。そして昭和60年(1985)関越自動車道が全線開通するタイミングで無人化された。(写真/駅の玄関に掲げられた木製の案内板。モグラの文字にはもぐらのイラストが隠れている)
 

 

メインの待合室は広く、天上は三角形の形の構造になっている。建物のデザインはSF風でお洒落な造りだが、天井が高い分、冬場はなかなか部屋が暖まらなくて、駅員や乗降客には不評だったのではないかと想像する。

 

 

無人駅になってから待合室には登山客が寝泊りするようになり、ガスバーナーなどを持ち込んで調理をするようになった。火気厳禁の張り紙などして注意を呼び掛けたが、改善がみられなかったため、平成28年(2016)4月仕切りのある待合室は施錠され閉鎖された。
 

 

待合室の閉鎖を残念だと思っている良心的な登山客は少なくないはずだ。駅で寝れるから、もう少し冒険をしてみよう。そう考えて登山計画を練ったのかもしれない。そんなクライマーは夜半に下山して、駅に明りが灯っている光景をみたときは、深い安堵感を覚えたことだろう。(写真/待合室には登山カードを入れるボックスが設置されている)
 

 

こんなにも複数の、しかも立派な造りの改札台が必要だったのかと思わせるが、そこを抜けてもホームの姿はない。ガランとした通路があり、上下線ホームはここから左右に分かれる。(写真/上りホーム側から下りホームへ通じる方面を望む)


 

事務室の前には鉄棒のような構造物がある。これは何だろう。そうした記述が多くみられるが、私は雨がっぱを干す設備だと推測する。豪雪の中、雪をかいた後、事務所にそのまま入る訳にはいかないから、露を払うために設置されたと考えるが、果たしてどうだろう。

 

 

この駅の最大の特長である下りホームへと向かう。連絡通路の入口へと足を運ぶと、途端に湿気が高くなる。下りホームはトンネル内にあるため、季節に関わらず気温はほぼ一定だが、湿度は高く、かび臭さは否めない。

 


土合駅 Vol.3に続く