ぢぢぢぢぢ……

線香花火の先端の熱の粒がどんどん大きくなっていく。

ぢぢぢぢぢ……

(そろそろ落ちるのかな)
少女の想像通り、線香花火は4ミリ程の大きさに肥大し、ぽとりと地面に落ちた。
何と儚いことか。
まるで―――
(私みたい)

くだらない思いばかりが脳裏を過る。
地面に落ちた熱の玉は、あっという間に黒く冷え切ってしまった。

少女はしゃがみ直し、新しい線香花火に火を点ける。
そうして同じことを繰り返し、3、4ミリ大の大きさになると落ちる。
何回も落ちて、落ちて、落ちて。
(……私みたい)
唯一違うのは。
(やり直し、出来ない)
落大の通知書を握り締め、それを火にくべた。
もう3校目。やっぱり公立の大学は難しい。でも私大に行くほどのお金はうちにはない。
(受験料だってバカにならないのに)

少女は最後の線香花火に火を点けようとしたが、なかなか火が点かない。
触れてみると、ほんのり湿気ていた。
落ちない。
(落ちない……!)
次への期待を胸に、少女は家路へと急いだ。
注意:この小説には見方によっては不快になる可能性がありますので、心の広い方のみどうぞ。
ちなみに、akikagurさんのが元ネタなので、2月6日の彼の小説と読み比べてみると面白いかもしれません。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669378380&owner_id=4460202

















僕の名前は淳。
小さな女の子が大好きだ。
まだ女特有の色気のない石鹸の匂いなんか最高だ。
凹凸のない華奢な体付き。
大人の女にはない素直さ。
女にある気色悪い仲間意識もまだ芽生えていない。
僕の中で、彼女たちに触れたい欲求が日増しに強くなっていった。
触れたい。
触れたい。抱きしめたい。
彼女たちの香りに触れたい。
抑えきれない衝動。
それはとうとう、僕を行動に移させた。



夜、8時。
僕は以前この学校で臨時講師をしていた。
だからわかる。
どの窓に探知機があるか。
そして19時半以降、校舎内に誰もいないということ。
4年生の教室の前に立つ。
きっと今日持ち帰り忘れた体操着袋が、廊下に取り付けられたフックに掛かっている。
手に取って袋を開く。
女の子の汗の匂いが鼻腔を擽り、僕は束の間の陶酔感に浸った。
袋の中からブルマを出す。
抑えきれない僕の性衝動は増した。
それを頭から被るとさっきまでの香りがより一層強く広がる。
あぁ、幸せだ。

ガタッ

「!?」
誰かいる?
見られた?
おかしい、そんなハズはない。
僕は被っていたブルマを脱ぎ、音の方を向いた。
「だれ……?なにしてるの?」
怯えたような声。教室から出てきたのはまるで二次元の世界から飛び出してきたような、ツインテールの女の子。
僕のストライクゾーン真っ只中だ。
僕は一瞬ドキッとしたが、すぐに平静を取り戻した。
「やあ」
「いやっ!」
僕の痴態を見た女の子は、逃げようと廊下を走り出した。
誰かに通報されたらヤバい。
僕は焦って女の子の腕を掴んだ。
「ヤダぁ!」
「騒ぐな、殺すぞ」
不安そうだった女の子の表情が凍りつく。
捕まえた女の子の手を引いて、僕は出口へ向かう。
そう、これはチャンスだ。
夢にまで見た甘い世界。
さぁ、楽しもう。
夜はまだこれからなのだから。
夕暮れ時。
恐らくは親子と思われる大人の男と幼い女の子が、手を繋いで歩いていた。
夕刻を告げるかごめかごめが流れている中、女の子は男に手を引かれているようにも見えた。
「パパぁ、ママはいつ帰ってくるの?」
男は暫く黙ったまま、難しそうに女の子の手を離し腕組みをした。
「ママはね、もう帰って来ないんだ」
「何でぇ?」
女の子の父親と思しき男は、切なそうにしゃがみ込むと女の子と視線を合わせた。
「ママはね、お星様になったんだよ。空からお前を見守ってくれてるんだ」
男は上下真っ黒なスーツに身を包み、黒いネクタイが白いワイシャツに気持ち悪いほど映えた。
女の子も黒のワンピースに黒い靴を履いている。
若干紺を帯びた黒い靴下は、先が丸まってしまっている。それは幼いうちに彼女よりも先に逝ってしまった女の子の姉のものだったからだ。
父親は娘を諭すこともなく、また、女の子も姉の存在を知らないままでいる。
そして3人目の子供を生んだ時に、子供と一緒に逝った。
父親は娘の手を引き、公園の前から立ち去ろうとした。
しかし女の子が愚図り始めたので、早目に立ち去ろうと女の子を抱き上げる。
すると娘は父親にしがみつき、おとなしくなった。
「赤ちゃん、どうなったの?」
「今は会えないけど、いつかきっと会える日が来るよ」
父親は女の子に頬擦りすると、しっとりと濡れた頬が無精髭でザリザリとこすられ、イヤイヤと首を振った。
「パパ、お腹すいた」
「じゃあ、コンビニでも寄ろうか」
二人の影は切なく、長く伸び、やがて闇に消えた。
「出て行けーーー!!!」
お父さんの怒声と共に彼が玄関から放り出された。
もう還暦に近いとは言え、お父さんの体付きはがっしりとしていて、『職人』の身体をしている。
典型的な文系な彼には、そんなお父さんに敵うような力を持っているわけがない。
お父さんの口癖は「俺に敵うような強い男を連れてこい」。でも私はどちらかと言えば細身なタイプが好み。
だってあんな筋骨隆々な男の人ってすごく乱暴そうなイメージがあるんだもん。
今の彼に逢ったのも大学の友達に誘われた合コンで、すごくタイプだったから、私から声を掛けた。
声を掛けたって言っても、メアドとケー番聞いたくらいで、それ以上のことは何も無い。
彼は所謂、今流行の『草食系男子』って感じで、お父さんが認めてくれないのなんて目に見えてた。
彼はそれでもお父さんに会いに行くって言ってくれたし、私はそれで満足だった。
実際にお父さんを目の前にしても、彼は臆することなく受け答えをしていた。
でも問題はその後。
いつもみたいにお父さんと彼が寝転がり肘を突いて向かいあわせになる。
勝負は一瞬。お父さんが手を思いっ切り左に向かって手を引き倒した。
「いてててて」
「お前みたいな軟弱者に娘をやれるか!鍛えなおして出直してこい!!」
お父さんの声がいつもよりも心なしかやんわりだったのは、私の気のせい?
「ゴメンね、やっぱりうちのお父さんじゃ無理かも……」
「いや、筋トレでも何でもして、きっと君のお父さんを納得させてみせるよ」
彼は笑顔だったけど、肘をしきりに撫でていた。多分倒されたときに筋を痛めたんだと思う。
申し訳ない気持ちで一杯になりながら、その場は彼と別れ。お父さんの待つ客間へ向かった。


「……いいこじゃないの」
「まだ青い」
(お父さんとお母さんの声だ)
「今までのあの子の恋人はあなたの顔見るだけで萎縮してたじゃないの」
「ム……しかしだな」
「娘が可愛いのは分かるけど、そろそろ卒業なさいな」
そこまで聞いて私は思わず障子をバシッと開いた。
「お父さん!私、あの人と一緒になりたい!」
「ほらね、あなた」
お母さんが助け舟を出してくれた。それが泣きそうな位嬉しくて。
彼の別れ際に言った言葉。
『また来るから』
その言葉で私は強くなれるよ。
「お父さんには負けないんだからね!」
「いらっしゃいませ、お客様、お一人でよろしいですか」
黙って頷く。
仕事を首になり、住む場所も追われ、何処にも行く当てもなくたどり着いたのは一軒のファミレス。
メニューをパラパラ捲る。
そしてポケットに手を突っ込み、取り残しがないか丁寧に探る。
2枚の100円玉と10円玉が1つ。それが私の全財産。
(210円か)
そんな値段で食べられるものは何も無い。
愕然としたままメニューをぼんやりと眺めていると、ふと目に止まったものがあった。
「サイドメニュー210円(税込)」
これしかない。
緊張しながらボタンを押す。
「いらっしゃいませ、ご注文は?」
「このサイドメニューを一つ……」
「申し訳ありませんがサイドメニユーはメインの料理をご注文いただいた―――」
とりあえず分かったことは2つ。
この店に私が食べられるものはない。それから何も食べずに此処を出ていくことしかないということ。
勇気を出して店の外に出ようとする。
お節介な店員が、「お会計は?」なんて言ってきたけど、ちょっと財布忘れちゃってまだ頼んでないんだと応えた。
缶コーヒーでも買って温まろうか。
冷たい夜風が身に沁みた。
突然ですが、私はバイセクシャルです。どちらと言えば同性愛者寄りの。
何故気付かされたのかというと、1つ前の彼女に私はとても影響を受けましたことから始まります。
それ以前にも男性より女性を意識していたこともあり、「もしかして私ってバイなのかも?」とは思っていました。
そして同性と付き合った経験もありましたが、いまいちピンときませんでした。
しかし、元カノに出会ってから私の生活は一変しました。
大学やバイト先からの嫌がらせなどのイジメからも解放され(一言で言うと辞めた)、その勇気をくれたのは元カノでした。
でも、時は既に遅く、私は精神を病んでいたのです。
病名は「統合失調症」。
幻覚症状や、被害妄想。極度の苛々に悩まされて、今に至ります。
幻聴に始まり、幻視 体感幻覚(触られているような感じ)などがメジャーな症状です。それらの総称を幻覚と言います。
病気の話をつらつらとしても仕方が無いので、また別の話を。
そんな時期に祖父が亡くなり、電車が怖いにも関わらず実家に強制送還。そのまま財布を取り上げられ、元カノのところへは戻れない状況に。
幸い携帯電話だけは取り上げられずに済んだので、元カノとはメールで連絡を取り合っていました。
そんなある日、元カノから衝撃のメールが届きました。

「もう別れよう」

目の前が真っ暗になりました。
それ以来、(以前からしていた)リストカットを深く切るようになり、縫うまではいかないけれども傷が抉れたように残っています。
会話も満足にできず、メールを何通も送っても返ってくるのは一日1通がいいところ。
でもそれでも私は元カノのことが好きで仕方ありませんでした。
次第に親の干渉も少なくなり、3連休になる度遊びに行く日々。でも、エンゲル係数を考えるととても同居なんて出来ない。ましてや彼氏も出来た今となっては、元カノのところで住むなんてありえない話です。
それに元カノの性格を考えると、同居はストレスが溜まると思うのです。
そんなわけで今度の10日昼から14日まで東京の元カノの所へ遊びに行ってきますノシ
途中でめんどくさくなったワケじゃないよw
では。
私が歩いているのは茨の道。
誰しもが一度は通る道だが、私の場合は違う。
実際の茨を素足で歩んでいるのだ。
歩く度に激痛の走る足。行けども行けども先の見えない終焉。
そんな中で見付けたただ一つの光。
それが貴方だった。
私は貴方に会いに行くために、この途方も無い道を歩んでいる。
けれど、いくら進んでも、いくら痛みに顔を歪めても、貴方の元へは決して辿りつけない。
どうか、どうか、貴方の元へと続く道をください。
そして教えてください。
どうしてこの茨の道を歩んでいるのか。私に架せられた罰を。
貴方を知ることになった切っ掛けを。
どうしても知りたいのです。
どうしても知りたいのです。
胸に閊(つか)えた荊の棘を取り去る方法を。
私を蝕む茨の毒が、どうか私を消し去ってしまう前に。
私の心を蝕む悪夢が、この茨に飲まれてしまう前に。
そうして安心するのです。
安堵するのです。
傷だらけの足も、躓く度に突いてきた手も癒えるのです。
だからどうか。
貴方を見せてください。
いつか会えるかもしれない貴方のお顔を。
いつか聞こえるかもしれない貴方の声を。
そしていつか――――
貴方に抱き締められる私の姿を。
「もうちょっとしたら着くから(行くから)」の『もうちょっと』ってどれぐらいだと思います?
私はせいぜい5分。長くても10分程度だと思うんですが、私の周りの人達は30分とか1時間とか平気で待たせます。
そんで、悪びれもなく「おまたせ~」。お前の「ちょっと」はどんだけなのかと。
まぁ、今まさに待たされてるんですけどね。25分経過しました。
なので、イライラ緩和目的でブログ書いてます。
みなさんも、「もうちょっと」を使うときは「ちょっと」考えて使ってくださいねw
今日は随分寒い。
お茶でも飲もうかとヤカンを火にかける。
「あー、何でこんなに寒ぃんだよ~」
独り言も虚しく響く。彼女もいないクリスマス。
一人暮らしの俺には突き刺さるような寒さ。
コタツに肩まで潜り込んでお湯が沸くのを待つ。
今日はガチで疲れた。
立ちっぱなしで野菜を売って、小銭を稼ぐ。
自慢じゃないが俺は精神障害者。
でも大手のコンビニに勤めてて経歴としては悪くない。
給料はまだそこそこだけど、いつかは本社勤務になるのが夢。
って言うかもうほぼ決まったようなモンなんだけどさ。
そんなことを考えていると何だか瞼がとろんとしてきた。
pi-----------------!!!!
「うわっ!」
ピーピーケトルのやかましい音で目が醒めた。突然のことで心臓が飛び出るかと思った。
「はいはい、わかりましたよ」
沸かしたヤカンの取っ手を掴む。
「あちっ!」
とりあえず火を止めて、取っ手に布巾を被せて改めて掴む。
「俺の味方はお前だけだよ……」
トポトポと急須にお湯を注ぐ。
茶葉がフワフワと熱湯の海を泳ぐ。
蓋をして、茶葉がお湯に馴染むのを待つ。
再びコタツに潜り込む。
俺は渋くて苦いお茶が好きだから、じっくり抽出させる。
そのまま待つ。
コタツが心地良い。眠気が襲ってくる。
あぁ、ちょっとだけ寝よう。
そんで起きたらイイ具合にお茶が出てる頃だ。
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あれ?
時計を見ると8時。カーテンを閉めていない窓から燦燦と降り注ぐ朝日。
冷え切ったお茶。
「やっべ!遅刻!」
9時から始まる会社に間に合うように、慌てて着替える。
脱ぎっぱなしにしたせいで、ヨレヨレのスーツに袖を通す。
「俺の休日は無意味に過ぎていくのでした!」
冷たいお茶を飲み干して、ドアを開けて鍵を閉める。いつもの日常が始まる。
何でクリスマスまで働きに出てんだよ。
とか考えちゃったりして。
(ヤバ!薬飲んでねぇや)
後で飲も。
慌てて家を出てきたオカゲで、薬持ってくれるのを忘れた気がする。
「あ!」
今日投函しようと思ってた封筒忘れた!
(今から帰っても間に合わないしな……)
何で財布と定期入れに挟んだ封筒忘れられるんだよ!
ちくしょう、最悪な日だ。

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「水瀬、最近痩せた?」
「うーん、最近ご飯食べてないからかも」
ワザと蓉司くんを心配させたくてホントの事を言った。
構ってほしいの?それとも何か別の考えがあったの?
「ちゃんと飯くらい食えよ、オバサン心配してるだろ」
頭をクシャクシャ撫でられて実感する。あぁ、こうしてる時間が一番幸せ。
「ゴメンってば。今日の昼はちゃんと食べるし!」
お母さんが作ってくれたお弁当を蓉司くんの目の前に掲げる。
少し小さめのお弁当箱は、お母さんの心遣い。
「お昼は彼女と食べるんだよね?羨ましいなぁ」
私の彼は大学生だから学校で会うのとかって正直羨ましい。
でもそれより何より、蓉司くんと一緒にいられる田中さんが羨ましい。
「じゃ、俺行くから」
「うん、じゃあまた―――」
「蓉司くーん!」
「うるさいだろ?お前が彼女だったら楽なのにな。元気とうるさいのを勘違いしてるバカ女だよ、アイツ」
蓉司くんが私に背を向ける。
「うるさいな、少し静かに出来ないのかよ」
「えー、だって少しでもアピッとかないと蓉司くんカッコイイし~」
ホントに付き合ってるのかな。でも見方によっては仲がいいのかも……
「咲良ー、ご飯食べよ」
「うん!」
「珍しくお弁当じゃん、咲良のお母さん料理上手い?」
「超上手いよ!食べる?卵焼きならあげるよ」
友達に小さめに作られた卵焼きをあげる。
「明日はアタシにちょうだい、咲良」
「うん、でも卵焼きだけだよ?」
「咲良って卵ダメだっけ?」
「うーん、どれも好きだから、消去法かな」
笑って話してるのがすごく苦痛だった。
本当は泣きたいくらい切ないのに。でも私が駄々こねたら蓉司くんにも迷惑がかかる。
それに友達たちにも。
それは耐えられない。私のせいでみんなに迷惑はかけられない。
私は元気じゃなきゃいけない。いつからこんなになっちゃったんだろう。
「咲良?」
「あ、ゴメン。ちょっとボーっとしちゃった」
ワザとらしく舌を出す。こういうキャラを演じていれば周りは明るくなる。
教室中に響き渡る声で笑うと、男子からも、「水瀬、うるせーぞ」なんて声が飛ぶ。
「スミマセーン!」
立ち上がって笑いながら頭を下げる。
私はいつまで演じていればいいの?