第18回リトルジャックオーケストラ定期演奏会[DAY2] 参加の想い出 | パリイならてぃす

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ゲームと音楽と演奏活動の語り場。

[日時]2023/08/20 13:30~
[場所]みなとみらいホール 大ホール

2日連続でゼルダの伝説シリーズを演奏する企画、2日目に突入です。
2日間ともホールへ足を運んでくれた方も、自分たちと変わらないほどの物好きだなぁと思います(誉め言葉)
1日目に配信を見て、チケットをTwitter(X)で探してやってきたという方もいらっしゃったようです。
逆に、1日目は現地行って、2日目は日曜日だし家でタスクこなしながらBGMに、という方もいたと思います。
色んなスタイルに合わせた楽しみ方がご提供出来たのであれば良かったです。
2日目だけ観覧された方も、ここに至るまでの想いを色々綴っていますので、お時間ありましたら読んでやってください。
以下がおすすめのエントリーです。
chapter0:コロナ禍から活動再開までの経緯
第17回R:UNDERTALEの回
第18回DAY1:ゼルダの伝説[力の章]


2日目は「時のオカリナ」から「ムジュラの仮面」に流れる世界線を辿っていきます。
これを俗に時の勇者勝利ルートと呼び、その流れを再現していくわけです。
細かく言うと勝利も2パターンに分岐していくのですが、勝利して元の世界へ戻る世界線、といったところでしょうか。
DAY1のエントリーにも貼ってますが、wikiの参考資料です。


(参考:wikipedia)

配信アーカイブも、2日分しっかり用意しています。プレコンサートから収録していますので、トータル4時間という長丁場になってます。マジで長いなオイwFCB(※1)と変わらんぞ?

※1)ファミコンバンドというゲーム音楽を演奏する集団で、一応吹奏楽編成ベースではあるものの、演奏だけじゃなく寸劇も楽しめるライブがあります。というかそっちがメインと思われてそうw私も15thで参加。リトルより歴史の長い老舗団体で、リトルとは違う形のゲーム体験が出来る場所です。知らない方向けの長い紹介でした。

現地、リアルタイムともご都合が合わなかった方も、ぜひこの感想を読みつつYouTubeの演奏をご堪能ください。

 

 


■プレコンサート
1.ハイラルバス(🐟)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドより ハイラル城
ものすごいゴツい編成が現れた…!弦楽器のコントラバスだけではなく、コントラファゴットやコントラバストロンボーンなど、魂斗羅コントラが勢ぞろい。
当初の団体名は「コントラ オブ ザ ワイルド」でした。その名の通り、コントラと名の付く楽器を集めたアンサンブルをやりたいという面白い動機から始まったのです。
途中で名前が変わりました。ブレワイに出てくる魚の品種になりました。バス(低音域)と掛けてるんですね。
魚の絵文字までが正式名称って言われました。皆さん表示されてます?
この団体だけ舞台上のチューニングを許可しました。ネタをやるっていうので。
ものっ凄い低い音でチューニングするけどあってるのかどうかよくわからないというネタなんだけど、これは細かすぎて伝わらなかったですね…w
DAY1でも演奏している時のオカリナ12曲目のガノン城のモチーフと神トラの表の地上が対峙するフレーズが大好きなんですが、これをこの低音域で演奏されるとゾクゾク来ますね…!

2.チェロズの森
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド コログの森 / マスターソード~デクの樹の言葉
前の団体ほどではありませんが、こちらも低音域のチェロ10名によるアンサンブル。
チェロはコロナ禍前後で結構メンバー入れ替わりもあり、今回は新旧メンバーがどこまで一体感を出せるかというのが個人的に注目していた団体でもあります。
みんなブレワイ大好きなんだね…そりゃ、Ensamble G.A.P. TOKYO(※2)さんであれだけの企画されたら、触発されますわよね。

※2)なんか紆余曲折あって改名に至ったそうです。そのうち何があったのか聞きたいw

私、実機でのプレイはここまで進んでいないのですが、チェロの音色が森の薄暗い雰囲気にすごく合うなぁと思いました。
とはいえ、結構音域の広い曲なので、難易度はそれなりに高かったと思います。shunさんがG.A.P.での経験をリトルで生かしてくれて、チェロチームは良くまとまってきたと感じています。

3.コホリント島のいきものたち
ゼルダの伝説 タイトルBGM / エンディングBGM
ゼルダの伝説 夢をみる島 どうぶつ村 / ニワトリ小屋 / リチャードの別荘 / サルキッキのお礼 / オカリナ「マンボウのマンボ」 / マンボウのマンボ

プレコンのトリとなる大編成。すべての始まりとなる初代の曲と、前日のアンコールで10分ぐらいのメドレーを披露した夢をみる島から、ピックアップされていなかった曲たちです。といっても、DAY1アンコールの譜面が出来上がったのはこのチームの曲より後だったはず。
夢をみる島はswitchでもリメイクされていますし、switch onlineでもGBCのDX版がプレイできます。私もこないだまでそれでプレイしてました。
夢島には任天堂の他作品からのゲスト出演がいっぱいいまして、例えばリチャードの別荘のリチャードって、カエルの為に鐘は鳴るからの出演なんですよ。なんかこの曲聞き覚えある!って人もいたはず。
マンボウのマンボは、サントラで歌付き版を参考にしているのかな。他の団体よりボリュームも多く、DAY1にはなかった夢島を楽しめました。


■第1部 時のオカリナ(子供時代)
1.タイトル/大妖精の泉
昨日と途中まで曲自体は一緒なのですが、コメントコピペは面白くないので、1日目には書いていないことを書くようにします。
オカリナのメロディの出だし、なんか聞き覚えのあるフレーズだなと思っていたのですが、マリオ3の笛のメロディと同じだと知りました。
色んなゲームに触れててこそ、こういう気付きが面白くなるのですね。

両日とも、1曲目が終わってからMCを入れてもらってます。(ちなみに原稿案を書いているのは団長です)
しかしアドリブがめちゃめちゃ多いので、去年もそうでしたが原稿部分は半分以下ですねw
その分演奏終了予定時刻が少し遅くなってしまうのは否めないのですが、この後休憩まで途中入場が出来ないスタイルをとっています。
志村先生は、なるべくロビーで待つ人を少なくするために、あえてMCタイムを長めにとっているのかなと推測しています。知らんけどw
でもそういう理由だとしたら、ホスピタリティ凄すぎると思いませんか?

2.ガノンドロフ登場/デクの樹のテーマ/妖精ナビィ/家の中/コキリの森
DAY1を一通り聞いた後に、もう一度妖精ナビィを聞くと、拍子の取り方に共通するものを感じられるようになりました。
もしかして、ナビィとガノンドロフには何か関連性が…?
ガノンドロフの中にわずかに残っていた人間性というか良心が分離した存在なのかな、と練習中に妄想してました。
それだと、最後の闘いで強気になったのに結局何もできなかった部分も辻褄が合いそうな気もしますし。偶然なのか、狙ってるのか…?

3.デクの樹ダンジョン/戦闘/ボス戦闘
SE多めの体験型ミュージック(?)です。
ボス戦闘からは4分の6拍子が続くのですが、油断していると数え間違える…指揮も時々間違えてたけど(ぉ
1日目がかなりスパッと入れたので、それを超えるような意識で頑張りました。結果、2日間とも個人的にはミスしませんでした。
ハートの器ゲットのところ、クラリネットがフォンフォンやってるのがスゲーって思ってました。
フルートやヴァイオリン、あとはヴィブラフォンをコントラバスの弓で擦って神秘的な音を表現していました。
この先で触れる機会が無いので今のうちに行っておこうと思いますが、森の神殿のファントムガノン戦後、ハートの器を取り忘れて出ちゃう人いません?私3DS版でも64版でも両方それやっちゃったのが、この曲の想い出です。

4.ケポラ・ゲボラのテーマ/ハイラル平原メインテーマ
ファゴットはよしのさんソロの歌い方が本当に上手。ぱぱんださんはハーモニーとリズムの安定感が最強。リトルで最も安定しているパートの一つとも言えます。
そこからのハイラル平原。パンフレットにも記載していましたし、志村先生もMCトークで触れていましたが、1日目と構成が違います。
百聞は一見に如かず、アーカイブで聞き比べてみてください。…細かく解説するのが大変だからですw

5.城下町~お店~的当て屋~ハイラル城中庭ゲーム~ゼルダ姫のテーマ
ちょっとアーカイブ聞きながら感想書いていますが、お店のトロンボーンのところ、1日目よりちゃんと鳴っててよかったです。
実は気になってアーカイブを見たら、ちょっと上パートが強くてバランス悪く感じたんですよ。
遠慮しないで音をぶつけるぐらい強めに吹くとちょうどよかったみたい。
という感じで、他のパートも振り返ってたのか分かりませんが、全体的に1日目よりブラッシュアップされた演奏に感じました。
単純に、1日目はリハ時間長すぎて夜本番の体力が足りてなかった説もありますがw
そしてファゴットのよしのさんがオカリナを持ち出して2人で吹くところ、単純に音域の問題でそういう形に収まったのですが、感想コメント見ていると「ゼルダ姫がリンクに曲を教えているような演出」っていうのを複数見かけて、ゼルダオタクの皆さんの解像度すげーなぁ!となりました。

6.迷いの森
のちに、MCで触れられることになるのですが…初日の音間違いを指摘くださった方がいました。
お名前はここでは伏せておきますが、結構有名な動画配信者でした。ニコニコ大百科の記事があるくらい。
元団員が終演後に、熱く語っている配信のことを教えてくれたので聞いていたら、
「ファラシー ファラシー ファラシミレー シドミ『ド』ソー になってたんですよ。あれは絶対『シ』なんです。」
って熱弁してて。この話は深夜1時を過ぎていたにもかかわらず、団内Slackで広まりました。
朝7時ごろ。らいぶら隊長が修正譜面を展開していました。マジか!
ということで、その違いもアーカイブで聞き比べてみてくださいw
2DAYSだからこそ対応できた修正です。通常だったらこの対応しなかったので、これもトライフォースに導かれた者同士の出逢いなんでしょうね。

7.時の神殿~マスターソード~ガノンドロフのテーマ
ガノンドロフの高笑いを演じた堺さん、第1部終了の際に拳をグッと握るしぐさをやってくれました。
これ、スマブラで勝利した時のポーズじゃないですか~!こういうアドリブ入れてくれるの、マジでゲーム好きって感じがします。
そして打ち上げで聞いたエピソードなのですが、コーラスマスターの榛葉さんが堺さんへガノンドロフの声のオファーを出した際、既読が付いたのにしばらく返事が無くて逃げられたか?と不安になってたら、突然音声ファイルのみポンと送られてきて、あの高笑いが入っていたそうです。それで即採用だとか。

って書いてるうちに、ツイッターで公開いただいてました。

 


■第2部 時のオカリナ(大人時代)
8.シークのテーマ
この曲、最初はバイオリンソロとハープのデュオで楽譜が書かれていました。
アレンジャー的には、シークとリンクの会話のつもりだったと思います。
でも、演奏効果的にバイオリンを強めにした方がよいと提案してくれたのは、志村先生。
メンバーはどうしてもゲーム的解釈を強めに譜面へ起こしがちですが、これを機にプレイしてみようという逆パターンの人もいるわけで、今回は演奏面の効果強めに急遽変更されました。
バイオリン1stメンバーはリトル歴の長い人が多く、コンマスに合わせていくのにはそれほど時間を要しませんでした。

9.ロンロン牧場
ストーリー攻略に必須な場所ではないのですが、色々ドラマがあり、のどかな音楽をBGMにいろんな出会いがある場所です。
ここはヴィオラのあんどぅさんによるソロ。
ヴァイオリンだとちょっと音色に艶が出すぎてしまうし、チェロだと逆に深みがありすぎてしまう。その中間の音色として、完璧に弾きこなしてくれました。
実はヴィオラパートは1年前から結構メンバーが入れ替わっているのですが、パートリーダーとしての取りまとめもしながら、自身の技術向上も熱心にされていて、今回の2DAY実現に無くてはならない一人なのです。
それを言い出すと全員無くてはならないのですが。2日間ともミスもなく素敵なソロでした。本番への度胸強さも感じましたね。

10.カカリコ村2/風車小屋
この曲をアレンジしたのはフルートのメンバーであるぷーさん。
木管アンサンブルは、やっぱり木管楽器を演奏する人が演奏すると、よく響くアレンジになります。
弦楽器や金管楽器の人がアレンジしても、なんか演奏効果が薄くなりがちなことが多くなります。
餅は餅屋といいますか。リトルは各セクションで譜面をかける人が揃っているから、全方位スキのない「らいぶら隊」として長年やってこれているんだなと、私は出番の無いこの曲をしっとり聞きながら感じてました。

11.ゲルドの谷
当日の朝、少し早く起きた…というより興奮で眠りが浅かった私は、運営権限で1日目のWEBアンケートをこっそり眺めていました。
その中で、こんなコメントが。
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ただひとつだけ残念だったのは、公式では言及されてないので不正確かもしれませんが、ゲルドの谷のクラップ(拍手)のリズムは、16分音符が刻まれてる中で右と左で異なるアクセントを叩くことで、1つのフレーズとして聴こえるようになってるはずです。皆で同じクラップではなかったと思います。ぜひイヤホンで右耳と左耳で分けて聴いてみれば分かるかと思います。もし次演奏する時があれば、実現して欲しいなと勝手に期待しておきます(笑)
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紹介OKということで、ちょっとこちらで紹介させてもらいました。
支度もあったので聞き比べる時間は無かったのですが、急いでらいぶら隊長へこのメッセージを転送。
その1時間後、ホテルのメモ用紙に3パターンのリズムを手書きで書いたものが届きました。
次演奏する機会なんて今しかないという考えが共鳴し、リハでちょっとさらっての本番で変更でした。
このアンケート書いてくださった方に、変わったのが届いているといいなぁ。
配信だとマスタリングされているのもあり、ちょっとわかりにくいと思います。でも、会場では、ちゃんとサラウンド効果が出ていました。気づいたお客さんはいたかな?

12.ガノンの塔
3年前に演奏会が中止になった時、この企画を復活させるには欠かせないものがありました。
ひとつは、2日間連続で取れるホール。もうひとつは、パイプオルガンのあるホール。
ご存じでない方もいるかもしれませんが、大規模なコンサートホールは、約1年~1年半前ぐらいからの予約制となっていて、人気のあるホールは抽選になります。
もし去年、抽選に負けていたらこの企画もありませんでした。最低もう1年以上待たされていたと思ってくださいwなんなら2024年は8月取れなくて9月開催になったからね…コロナ禍明けて一気にみんなやりだしたのかな
それぐらい、私たちはみなとみらいホールのパイプオルガンでやりたかった。だから、去年は改修中だったので1年待ったのです。
さらにもうひとつ、欠かせないもの。奏者です。さすがに団員にパイプオルガン弾きはいません。
4年前、コナミ回でお世話になった井上さんに、ゼルダも弾いてほしいとお願いをしていたのですが、お話は流れてしまいました。
あれから3年経って、団運営もメンバーが変わって、当時の約束をもう一度引き受けてくれるのか気がかりでしたが、快諾していただけました。私たちと同じように待ってくれて、同じ気持ちで参加してくれたことが何よりありがたいです。井上さんだけでなく、オカリナのRyutaさんも、ギターの加藤さんも。
きっとコナミの時より和音が複雑で難解な譜面だったと思いますが、ネクロードとは違った力強さと迫力の音色でソロを弾きこなしていただき、感謝です。

13.ガノンドロフ戦闘/ガノン城脱出/ガノンドロフ登場/ガノン最終戦
楽譜的には、途中まではDAY1とまったく一緒です。一度やられるところも一緒です。
ただ、今日は昨日の生かして妖精のビンをちゃんと持って行ってました。ハート11個分全快です。迷ったり兵士に見つかったりと初見プレイだから、ハートのかけら集めもちゃんとやっていないという設定なのです。多分。
今度はしっかり攻撃を見切って撃破。城からの脱出もちゃんとやります。ここ、神トラの冒頭のフレーズが使われてるんだなと練習して気づきました。
再び登場したガノンドロフ、そしてガノンとなって最終決戦。これまで複雑だったリズムもハーモニーも消え去り、でも重圧感はすごく感じる曲調で。大きな3拍子に変わったのが、スケール(物理的にも)大きくなった感じを表現しているのでしょうか。
そして勝利…!

14.六賢者封印/賢者の間/時のオカリナ/スタッフロール
リトルジャックは、原作の雰囲気を大切にします。だから、オープニングとエンディングはなるべく省かずに丁寧にやるのです。
ついでにいうと戦闘曲も大事にするので大体リピートします。熱いの大好きだからですw
というのは半分冗談半分本気ですが、省略できないもの、必ずプレイヤーが触れるもの、頻繁に耳にして印象に残るものを主体に構成を創り上げていきます。
このゲームをクリアした人には、きっとエンディングの映像が浮かんだことでしょう。
本当に忠実に再現したと思います。ゴロン族の声かな?パーカッションの待山さん(金髪のお兄さん)が何かを擦ってずっと研究していたのですが、最終的にファゴットのぱぱんださんがそれっぽく楽器を鳴らす方法に変わってました。
どの音色も心のこもった音なのですが、こういうこだわりを見せるお二人が僕の中ではこの曲中では一番印象的でした。

■第3部 ムジュラの仮面
昨日はずっと置きっぱなしだったマスターソード&台座、ムジュラなので仕舞ってもらいました。

1.タイトルデモ
穏やかな雰囲気の音色で始まるオープニング。しかし、ラストで急に不穏な感じに。
この後も出てきますが、仮面の不気味さを表現するのに用意されたのが、色んなサイズのチャイナドラ。
よく見かける銅鑼はゴワーンって感じの音(個人の感想)ですが、チャイナドラはもうちょっと音程が高くてハッキリしています。
バイーンとかビヨーンみたいな音(個人の感想)がします。
音を言葉にするのも相当難しいですが、原曲を聞き取って適切な音を探し出すパーカッションチームには頭が上がりません。
編曲者によって差はあると思いますが、効果音に関してはざっくりと欲しい音を書いて、あとはパーカッションの人たちに研究・創作をお願いすることが多いです。
リトルは毎回、膨大な打楽器の量が注目されます。最近は配信も始めたので細かいものが見えるようになりましたが、打楽器を近くで見たくて横や後ろの席を選ぶ方もいるとかいないとか。

2.時計塔/クロックタウン1日目/タルミナ平原
物語の中心となる街、クロックタウンです。
ご存じな方が多いと思いますが、ムジュラの仮面は3日間システムというものでお話が進みます。
簡単に言うと、3日目までに問題解決しろよ!っていうことです。出来なかった時は、それなりの対応をしないといけません。
個人的にはクロックタウン1・2・3日全部やってほしかったのですが、流石に時間的に難しかったみたいです。
ピッコロによる軽快な音色は、朝の目覚まし代わりのような鳥のさえずりにも聞こえます。
そしてフィールドのタルミナ平原。なんだかんだでよく聞くフレーズ。冒頭のチューバがめっちゃ元気なところと、ホルンやファゴットの対旋律がエモくて好きな曲です。

3.ロックビルの神殿(表)/ロックビルの神殿(裏)/ボス戦闘
紆余曲折を経て、最後の神殿となるロックビル。他の曲も捨てがたかったのですが、コーラス・オカリナ・ギターがフルで活躍出来る曲はやっぱこれでしょう、ということで神殿シリーズからチョイスされました。
天地がさかさまになるというダンジョンの仕掛けは、今やっても色褪せない面白さを感じます。どうやってこんな仕掛けを考えたんだろうと驚くばかり。
その反転した仕掛けを、編曲にも盛り込んでいます。分かりやすいところで言うと、表ではコーラスが男声だったのを、裏では女声にしたり。弦楽器も低弦から高弦という感じです。
あと、不気味な風の音はスプリングドラムという楽器で表現しています。
ボス戦闘は久々にトロンボーンの見せ場。オクターブ上の1stがどうしても強く聞こえるので、音が割れすぎない限界まで吹きましたが、やや力不足…本番ではちょっとベルアップして少しでも目立つようにとあがいてました。
変拍子のところ…といってもこの曲全体的に変拍子なんですが、バストロが8分音符で刻むところが大好きでした。

4.終末
3日目の夜ということで、ここも照明暗転演出。前回のアンテほど細かくやりませんでしたが、ハイラル平原夜とここは効果的だろうということでアレンジャー案を採用いたしました。
ただ、パイプオルガンへのスポットは何も指示をしていなかったので、配信を見て、これはまるで月のようだ…と思いました。
演奏の都合上だったとは思うものの、結果的に作中イベントを彷彿させるような演出に出来たと思います。
ちなみにアンテの時は、電子譜面の明かりが目立ったという声があったので、今回は対策してもらうよう使用者に呼び掛けておりました。
この曲の時だけスリープにしたり、最初から明度を落としていたり、紙で隠したりなど様々な対応を取ってもらっています。

最後は誓いの号令を奏でて、いよいよ最終戦へ…!

5.ムジュラの仮面戦闘/ムジュラの化身戦闘/ムジュラの魔人戦闘
今回のムジュラ曲で、一番最初に譜面が出てきて練習していたのがこの曲。和音の音程が地味に取りにくい高難易度譜面だったと思うのですが、バトル大好き団員はそこまで苦にしていなかったように見えます。
魔人戦は総力戦。自席からはほとんど聞こえないのですが、ホルンの吠えっぷりが素晴らしいですね。
あと、2ndバイオリンがディレイ演奏しているのですが、バシッと弾く姿がキマッててかっこいいです。
ついつい主旋律や打楽器など、目立つところに目が行きがちですが、配信ではオイシイパート全部見れますので何度でも見返してあげてください。
ラストでバスドラがどんどん迫ってくるのが怖かったと、トロンボーン1stのくまさんが言ってて、配信見たらマジで迫っててちょっと笑っちゃいましたw

6.月消滅/巨人去る/スタッフロール
巨人が去っていくあたりかな、しばらく休符だったので本番中に天井を見上げていました。
ああ、この演奏会が終わる…本番1か月前にクリアしたこともありますが、この3年間ゼルダに繋いだ想いが昇華されていくのを作中のシーンと重ね合わせていました。
スタッフロールのゾーラバンド・ダル=ブルーは、普段リトルのメンバーはあまりやらない曲調なのでみんな研究していました。
トロンボーンパートは、トレーナーの辻田先生がこういうジャンルも得意なので、原曲を聞きながら音の出し方を丁寧に指導してくださいました。
そしてセクション練習でもイメージを統一させたので、金管セクションの普段との対比を感じてもらえたら幸いです。
ラストのオカリナ、ゲームをプレイしたからこそ一層沁みる響きです…。

■アンコール
今日は茶番なしにいきなり1曲目突入です。

ENCORE1.ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム メインテーマ
昨日が神トラ→夢島の流れだったので、ムジュラの後にトワプリを期待されていたコメントもありましたが…こっちでしたー!
実は2日目のアンコールに何をやろうかしばらく定まっておらず、GWぐらいにらいぶら隊長とコンマス2人、私で話し合いをしてました。
MCでも語ってましたが、最新作をやりたくて用意していたものが3年を経て最新作では無くなったのです。
悩みに悩んだ結果、ティアキンが発売されたら実際にプレイして、アンコールにふさわしそうな曲を選ぶよというコンマスの熱い思いを採用することに。
実際に、1週間程度でクリアして、そこからメインテーマをチョイスしてくれました。
終盤の方は流石に未クリア勢もまだいるだろうからとの配慮で、今回はお預け。いつかできるといいね。
ちなみにマスターソードを指揮者がもってきてコンマスに渡し、振りかざすというのは当日リハ終わった後に突発で決まったことでした。
トワプリ予想は把握していたので、剣を右手で持って掲げずに振りかざすしぐさによって、ブレワイ・ティアキンのシリーズへ持っていくというメッセージが伝われば良いという案でしたが、伝わったでしょうか?
ちょっとコンマスが勢いよく振りかざしたので、隣にいたトモさんが焦って避けてましたけどw

ENCORE2.ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 3rd トレーラー/魔獣ガノン戦/覚えていますか?/エピローグ
作品順番的にはティアキンの方が後作なのですが、最後の最後に演奏してより一層余韻が残る方と考え、順番を逆にしました。
3rdトレーラーは個人的にはとても思い入れがあります。2年前の演奏会が出来なかった年。
団内限定の有志アンサンブルをやった際に参加しました。譜面は用意いただいたのですが、トロンボーン1本だったのでもっと効果的な音を拾った方が良いと結構しっかりめに耳コピしました。
その時のリーダーさんが、仕事多忙もあってちょっと体調崩されて。でもゼルダ演奏したくてリトルに入団してくれた人だったから、何としてでも今日まで繋ぎたかったのです。
2年後に、フルオケでしっかり演奏出来て、あの時に発信していた小さな光はちゃんと大きくなりました。報われて良かったです。
そして、MCで触れなかったラスボス戦からの流れ。言い忘れたのか、反響を予想してあえて言ってなかったのかは分かりませんが、後者の可能性もあるんだよなー、志村先生の場合。そう思わせるだけの力量をお持ちの方だし、だからこそコロナで諦めずに立て直したいと思ったのです。
熱のこもった演奏になりました。ピアノがすごかったです。普通は連弾でやらないと難しい曲を、一生懸命練習してくれていました。
弦も体が仰け反るぐらいの入れ込み具合。

ラストのフルートソロは本当に心に沁みました。ツナさんの姿勢がまたすごく美しいのです。
演奏後、またコンマスにマスターソードを手渡す志村先生。困惑しながら、また振りかざしました。今度は予告なしだったせいで、トモさんに直撃してましたw
気合い入れすぎたのはこの熱量のせいです。


■おまけの創作物
今回は、私もちょっと本番を盛り上げるための創作をいたしました。

・ナビゲーション別紙
昨年、webアンケートや終演後の案内にアクセスできるQRコードを別紙で配布していました。
アンテだったこともあり、キャラを彷彿とさせる言い回しなど工夫されていました。
今回はどうする?という話になったので、プレコンの紹介もあるので私が引き受けました。
こんな感じに仕上げました。ちょっと用意した画像が現地版のを引用した途中経過の奴なので、まあイメージはこんな感じってことで。

ナビィというキャラを生かして、それっぽく書いてみました。
ナビィのイメージイラストを描きおこしてもらう時間が無かったので、フリー素材で漫画の集中線を拝借し、枠に小さくして置いてみました。
ロゴはゼルダ風フォントという、フリーで配布されているものを使用して雰囲気だしてみました。
プレコン紹介枠は、初代ゼルダのデータセレクト画面をちょっと意識。さすがにLIFEとは書けなかったので、MEMBERにしました。

・台座
twitterでも進捗を報告していたのですが、急遽台座を用意しました。
本番1週間前、コンマス私物のマスターソードをどう置くかという話が上がり、指揮台に括りつけておく?っていう意見もありましたが、それは見た目的にちょっと…と思ったので作成を試みました。
昨年、別団体で色々小道具を作った経験もあったので、チャレンジ。なんとか本番前日に完成しました。
素材は、スタイロフォームという発泡スチロールみたいなものを使ってます。
ホームセンターで売ってたのが小さくカットされていたものだったので、剣がぐらつかない程度のバランスにするために作中の比率とはちょっと違ってます。
リハ開始前に飾ってみてパイプオルガンをバックに撮影してみたら、なんか…いいですね!



・団長挨拶
プログラムの紙面に、ちょっとした挨拶を寄稿しました。
去年は初めてだったのと、サイズが小さかったのであんまり大したことは書きませんでしたが、今回は500文字程度とツイート3回分ぐらい沢山もらえたので、少し凝ってみました。
時のオカリナで、マスターソードを初めて抜いた時の作中会話を若干トレースしています。


自分が運営になって本当に良かったのか?と思う日々でした。実際、活動停止になった時は、一度団を解散させて新しくやり直した方がよいのでは?という手厳しい意見も言われました。
それでも私は、リビルドではなくリフォームを選びました。ここまでに団が積み上げてきたものを、壊すのはもったいなかったから。
もし一からやり直したとしたら、3年では足りなかったと思うし、何年かけても出来なかったかもしれない。
リトルジャックという形を残したから、出来たと思ってます。離れた人も沢山いたけど、残ってくれた人はそれ以上に沢山いました。3年間何らかの形でリトルジャックに関わってくれたすべての皆様のおかげで、この2DAYSを無事迎えることができました。ありがとうございました。

3年間待ち続けた、という声を沢山見ました。私が見知らぬどなたかの心の拠り所としてこの企画があったのであれば、やり切った甲斐があります。
任天堂様のご厚意により、この2日間の記録は団が続く限り残しておくつもりです。
ゼルダ好きの誰かの心の支えになること、ゲーム音楽好きの誰かが将来楽器をやりたいという活力になることを願って。

(chapter.127)