第17回Rリトルジャックオーケストラ定期演奏会 参加の想い出 | パリイならてぃす

パリイならてぃす

ゲームと音楽と演奏活動の語り場。

[日時]2022/08/14 14:00~
[場所]ミューザ川崎シンフォニーホール

リトルジャックオーケストラに入団して、3回目の演奏会になりました。
今回は「Undertale」を題材とした演奏会です。
前回までと違うのは、私がいつのまにか団長になってしまったこと、一緒に入団した同期のもりゆー君が休団していること。
他にも色々メンバーは変わってますが、トロンボーンパートはトレーナーの辻田先生による指導のもと、うまくやっております。
チームワークも当初以上に出来てきた実感があり、らいぶら隊長のひろひろさんはトロンボーンパートの特長がうまく出せるように譜面を作ってくれている気がします。

毎回演奏会準備の前置きを色々書いていますが、今回は前日譚を既に書いておりましたので、まだお読みでない方はそちらも合わせてお読みくださると幸いです。

第17回Rリトルジャックオーケストラ定期演奏会 chapter0

それから、今回はツイッターの感想がものすごく充実しています。
配信もあったので、リアルタイムで細かいところを書き留めてくれた方が多いおかげだと思っています。
ファンアートも沢山お見掛けして、次から次へといいねつけて回っておりました。
ハッシュタグを団員がまとめてくれたので、そちらも合わせてたどってみてください。
これを読めば、私があまり細々書くこともないのかなと思いましたw
https://togetter.com/li/1931106

今回はアンコール含めてサントラから64曲以上抜粋しました。以上という言い方をした理由は詳細の中で解説していきます。
Undertaleのサウンドトラック(Steam版)が101曲あるので、6割以上はピックアップしたことになっています。
まあ、一部サウンドトラックには存在しないシーンのジングルなど拾っていますので、私はその辺の補完をしていこうと思います。
この場で先に言い訳させてもらいますと、16:30終演予定(プログラムに150:00とあったのは、プレイ時間になぞらえての表記)が45分も押してしまう事態になったのは、サントラベースで計算してタイムテーブルを組んだからです。
リトルジャックの譜面を作製する「らいぶら隊」は、そこにゲームの流れを盛り込んで盛り込んで盛り込んだ結果、ここまでいったのです。
あとは志村先生の厚いファンサービスの影響という声もありますが…お帰りの時間を気にしていた方もいたので、なんだかすみませんでした。
いっぱい聞けて良かったという声もいただいたので、来年の反省材料としつつ、皆様の優しさに甘えたいと思います。

今更になりますが、ゲームのネタバレを大いに含んでおります。というか、これがゲームだ!ぐらいにとことんゲーム体験を追及しております。
未プレイでコンサート聞いてみて、これからやってみようと思ってる方は、ぜひある程度プレイをして(操作が苦手な方は実況でも良いと思いますが)知見を深めてからお読みいただけると良いと思います。
曲名は、サウンドトラック英語版ベースに準拠しています。

■第1部
1.Once Upon A Time~Start Menu
ゲームスタートして、タイトル画面までのシーン。
バスドラでドドンッって鳴らしたのは、UNDERTALEというタイトルロゴが表示されるときのSE再現です。
以降、作中でロゴ表示の際は、このパターンの演出を行っています。
「このなまえで よろしいですか?」と聞かれて決定した後に、シンバルでシャーンとなるところまで入ってます。

2.Your Best Friend~Fallen Down~Ruins~Unnecessary Tension
ゲームスタートしてから、主人公がトリエルに出会って色々案内してもらうまでのシーン。
Your Best Friendではソプラノリコーダーが使用されました。どうしても伴奏が強くなりやすいので、立奏ソロでマイクにかなり近づいてました。
ソロ担当のお姉さんは縦笛横笛自在に操る達人ですが、編曲担当したヴィオラのお兄さんもリコーダーのテクニシャンなのです。
リコーダーをうまく聞かせるようなアレンジに仕上がったと思います。

3.Anticipation~Enemy Approaching~Ghost Fight~Determination
序盤の戦闘シーンメドレー。いわゆる雑魚戦から、戦闘必須で個別曲になってるナプスタブルーク戦、そしてゲームオーバーの曲。
Enemy Approachingは宣伝動画でも採用しました。Once Upon A Timeかこの後出てくるBonetrousleのどれにしようか迷い、団内投票を行いました。
その結果、これになりました。戦闘曲好きな団体なんですw
Ghost Fightからようやくトロンボーン参加です。いや、めちゃめちゃ早いんだけど、これをやれと?
実際やってくれたのはトロンボーントップのくまさんです。私は途中からハモるとこだけ参加。
そしてここで死ぬのかよ!ってツッコミも多数見かけましたが、個人的に何名かの団員にリサーチしたところ、割といたんですね。
確かに、リトルジャックはDQや昔のFFみたいにコマンド式のRPG好きが多いので、アンダーテールの戦闘システムに戸惑った人も多かったみたいです。
会場アンケートでほとんどの団員がゲームに触れていることがバレましたが、合奏開始時点では半数いないぐらいでした。
曲が決まってから愛を注いで本番に間に合わせる団員も結構おります。

4.Home~Heartache
トリエルさんのおうち、そして戦闘。
ここは原曲のイメージを壊さないために、ギターのエキストラさんをお呼びしました。
今回初めてのご参加の方でしたが、サントラをかなり聞きこんでこられたみたいで初回合奏から聞きほれてしまいました。
途中で、スイッチを切って電気を消す演出を入れました。スイッチは、カバサという打楽器でシャッと慣らしました。
で、実際に会場照明を落とすのですが…鍵盤打楽器奏者の手元が見えなくなるほど暗くなるというハプニング。
しかし演奏は止まらなかったので、その時は誰も事故と思わなかったです。実際、私も後から聞いてそういえば、と思ったぐらいにスムーズな演奏でした。
体で覚えてるんですよね…それだけ個人練習を積み重ねているのです。
サントラにはMusic Box版と別トラックになっているのを演出上繋げたので、実際はここで1曲カウントアップになります。65曲。
Heartacheは、前奏として原曲にはないスローリーテンポなアレンジを挟んでいます。
トリエルの戦闘前の心情を音で表現した、少しオリジナル要素と思ってください。

ここで一旦MC。以降、拍手は第3部終了まで起きることなく、ひたすら演奏を続けていくのです。
一般的なクラシックコンサートでは拍手マナーとか色々あると思うんですが、リトルの場合はゲームにのめりこむ少年少女の気持ちでいてほしいという感覚で、みだりに拍手を挟まなくていいんだよというお声がけをMCでしているんだなと、私は解釈しています。

5.Sans~Snowy
トリエル戦を終えて遺跡を出ると、雪の道が続きます。
そこに現れるのが、サンズというキャラ。このゲームで最も印象深く、色んな場所に神出鬼没で現れるキャラです。
そこから主人公は、あてもなき道をひたすら前に進んでいく、という場面。
Sansではハーマンミュートを使用しました。金管楽器の音量を抑えたり音色を変えるのに用いられるミュートですが、吹奏楽などでよく使われるのはストレートミュート。時々カップミュート。
今回、練習でこの音色を作るのにストレートでは違うとなり、ハーマンミュートを新たに購入しました。
ベルへのはまり具合が浅いので、練習中に何度か落としてしまい、本番では絶対それを避けるために霧吹きで湿らせてました。さすがにそこまで見てる人はいなかったと思いますw
トランペットとの掛け合いで、おどけたサンズの雰囲気がこの音色で伝わっていればよいのですが。

6.Snowdin Town~Nyeh Heh Heh!~Bonetrousle
スノーフルの街、そしてパピルスとの邂逅、戦闘。
パピルスとはもうちょっと早い段階で合うんですが、そこはちょっと省略して戦闘曲として繋げました。
Nyeh Heh Heh!の冒頭は木管アンサンブル。そして「あおこうげき」に変わると弦楽器や管打楽器も入るBonetrousleになります。
Bonetrousleの頭にトロンボーンを入れてくれたのは、やっぱりパピルスがホネ(Bone)だからだよね?ツクテーン

7.Waterfall
雪のエリアを抜けると登場する、水が流れるウォーターフェルの世界。
薄暗い滝の洞窟みたいなシーンなので、ここはピアノや鍵盤打楽器、弦楽器とホルンだけで音色を創り上げていました。
実際ゲームをやってると、ここにいる時間結構長く感じるんですが、そのダルさというか重苦しさが演奏に表れていたと思います。

8.Bird That Carries You Over A Disproportionately Small Gap
邦題は「びっくりするほど近い距離を飛んで渡らせてくれる鳥」。演奏時間は24秒と超短いのですが、無駄に壮大な音楽w
この曲は、今回の演目を発表する前に、らいぶら隊長がサクッと作ってオンライン飲み会で流してくれました。いわゆる、最初に出来た曲です。
初回プレイ時でこの曲聞かなかったこともあり、再プレイ時にはめちゃめちゃ鳥さん多用しましたwなかなかシュールなシーンです。

9.Dummy!
ぷんすかマネキン戦。
序盤のGhost Fightとよく似た曲ですが、それよりもテンション高めです。
本番は予想通りというか、もうテンポ速くてついていけませんでした…。でもノリノリで突き抜けることだけは忘れずに頑張りました。

10.Memory
ウォーターフェルの道中にある石像に、これまた道中に置いてある傘を差すと流れる曲。
演奏は打楽器パートが主役となり、雨が降っているシーンなので雨音を再現。
そして傘を差す演出も当日思い付きで決定。
ちょうど本番当日は、台風が過ぎ去った後の小雨で傘を持ってきていた団員も多く、試しに差してみました。
「おおっ…!雰囲気はいいぞ!でも色が黒だと地味だな」
「原作だと赤ですね」
「柄物ですが赤っぽいのならあります」
「いやちょっとイメージと違うな…」
「団員の中に赤い傘をお持ちの方はいませんかー!」

みたいなやり取りを経て、最終的に団員関係者に現地調達をしてもらいました。
好評をいただいた演出で良かったです。

11.Undyne~Run!~Spear of Justice
アンダイン登場から戦闘まで。
戦闘の難易度的にもここが一つの節目だろうということで、第1部の締めになりました。
リズムが結構難しい曲なので、練習始動の初期からコツコツ取り組んでいました。多分一番時間をかけた曲だと思います。
編曲者が真っ先に譜面を出してくれたおかげで(途中改定は入ったけれども)完成度が高まり、反響の大きい曲の一つになったと感じています。

■休憩1
休憩中にハッシュタグ追いかけてたら、パスタってコメントを見かけて何のこと?と配信見たら、休憩画面になんか凍ったパスタが!

…ちょうどいい間が出来たので、らいぶら会議で惜しくも選考から漏れたサントラ曲を、私が記憶している範囲で紹介します。
・Uwa!!シリーズ:これはどのシーン…?あ、設定?…うん、さすがに物語の展開に組み込むのは難しいよね。
・戦闘イッヌシリーズ:開幕前にロビーコンサートとしてやれたらいいね、と思ったらコロナ落ち着かないから出来ねぇぇぇ!
・ウォーターフェルのその他:これ以上この雰囲気やるとお客さん眠くなるよな…というのは半分冗談で時間の都合。
・ナプスタくん家:ブルブルの曲好きなんだけど…あっ、時間の都合で寄り道はカットっすね。仕方ない。
・手ミー!シリーズ:これやるならコーラス欲しいよね。CCMさんとかグノーシナさんに声かけるとしてもこのためだけというのはちょっと…あと飛沫とかまだちょっと気になっちゃうし…。

■第2部
12.Another Medium
ホットランドの曲。
ゲーム中では先にアルフィーのラボに入るんですが、この先の音楽的な構成を考えて、この曲からスタートになりました。
水の世界から灼熱の世界へ移ったのを、音色だけでなく音の長さをベッタリするような奏法に変化させることで工夫しました。
トロンボーン的には、2度目のハーマンミュート登場。ただし、ステム(※1)を外しての奏法です。

※1)ハーマンミュートの中に挿し込んでる支柱のこと。この穴に手を当ててプワプワいう音も出せます。ただしトロンボーンでの曲演奏は難しい…少なくとも買ったばかりの自分にとっては。

この音色とピアノの掛け合いが良かったという感想を見かけました。ここも音作りに結構苦労したので、上手くいって良かったです。

13.Alphys~It's Showtime!~Metal Crusher
アルフィーのラボでの一連の出来事。
It's Showtime!はトランペットと一緒に楽しく吹かせてもらいました。
ハンドクラップはトロンボーンの譜面にはなかったのですが、本番のクラップが異様にでかくて、後半の休符タイムでつい一緒にノってしまいました。
Metal Crusher、当初はテナートロンボーン→バストロンボーンのバトンだったのですが、検討を重ねた結果、コントラバストロンボーン1本でつなげてやることになりました。
アシストでコントラファゴットにも入ってもらってましたが、よくこの音域の幅を一人で吹けるなと呆気に取られてました。マジでリトルの誇るバストロ奏者です。

14.Spider Dance
マフェット戦!個人的にこの作品で一番好きな曲です。
メロディの一部のハモリをやらせてもらって、短いけど楽しかったです。ホルンと被ってるところね。
色んな楽器がおいしいフレーズ持ってて、バスクラのソロが好きです。

15.Oh! One True Love~Oh! Dungeon
メタトンのオペラ。からのパズルでどんちゃん騒ぎの曲。
これはもうFF6のオペラをオマージュしているなぁと思ってます。でかいフォントで書かれるヒドい歌詞も好きですw
ゲーム画面が無いととてもいい曲なのに、あの画面がちらつくとニヤニヤしますね。

16.CORE
ホテルを抜けて目的のお城までの道のり。
ベースラインが結構大変そうなことやってました。
トロンボーンはピアノのリズムに乗っかった地味な基礎練みたいな曲だったので、ハモリをしっかり整えることに意識集中しました。

17.Last Episode!~Oh My...~Death by Glamour
メタトンEXの一連。Oh Myはサントラと調も違えばテンポも違うのです。ぜひ聞き比べてみてほしいです。
そこからのDeath by Glamour、ハーマンミュート3度目の登場です。
ここではステムをギリギリまで抜いて、音をビリビリさせるようにしました。
今回はキーボードを入れないで徹底的に管楽器の音色で勝負していこうというらいぶら隊の気迫を感じるアレンジでした。
音色はそんな感じなんですが、そこに16分音符で細かいスライド操作の嵐。ミュートしてるから音を鳴らすのに通常よりも息が必要になり、毎回酸欠気味になりました。
個人練は一番やったところなので、もう動きは体に染みついてますw

18.Undertale
本作の全容が見え始めるシーンで流れ続ける大事な曲。泣かせに来てます。
原曲の雰囲気を重視しているので、トロンボーンは出番ありませんが、顔を抑えて涙ぐんでいると思われるお客さんが舞台上から見えました。

19.Small Shock~Bergentrückung~ASGORE
アズゴアに出会った時から戦いの時まで。
Small Shockってどんな曲だっけなーというぐらい個人的には印象が薄かったのですが、ツイッターでしっかり反応してる人が何人かいる…すげぇな、愛が深すぎる。私浅くてすみませんって感じ。
ここからはゲームプレイ時に流れるSEも再現しています。鳥の鳴き声は小物打楽器でそういうのがありまして。みんな上手いなぁ…こんなにあの部屋に鳥いたっけ?ってぐらい鳴いてたw
アズゴアの声はチェロのトップ奏者が担当。あのセリフの音数ですが、いつぞやの練習の時にらいぶら隊長とコンマスが英語版で確認しているみたいな話をしているのが通りすがりに聞こえて、こだわりがハンパないと思ったのです。
今でこそ日本語版でプレイする環境が整いましたが、初期は英語版しかなくて、非公式の日本語化パッチを当てて遊んでいたと聞いてます。
でも英語から日本語訳にした際に違和感のあった訳がいくつかあって、英語のまま遊び続けている人もいるという情報も知り、それで両者納得できるように調整していたと知ると、これは自己満足の世界ではなくみんなが納得できる世界をとことん追求しているなと感じたのです。
槍を出したりする音も打楽器とか使いました。ボワンという音は、バストロンボーンでラバーカップ使って表現。ラバーカップって、いわゆるトイレのカッポンです。
そんなこんなでクライマックスに向かう熱い戦闘の流れでした。

20.You Idiot~Your Best Nightmare~Finale
アズゴア戦を終えた後の流れ、つまりNルートのラスボスと対峙する流れです。
ここは細かいことは語りませんが、オープニング曲のバグったシーンからの再現です。
多少戦闘は省略していますが、必要なフレーズは全部拾われていました。
そして大きな反響をいただいたのが、笑い声。弦楽器って喋ったり笑ったりできるの!?って思った人たくさんいると思います。私もその一人です。
これはもうプロじゃ出来ない、アマチュアならではの原作再現だと誇れるシーンです。
こういう展開が矢継ぎ早に変化していく曲なので、サントラ聞いてるときはそうでもなかったのですが、大編成で演奏して楽しさを感じられるようになりました。
攻略後に表示されるテロップをバスドラで5回やって締めくくりです。

21.An Ending
その後の話をあるキャラが語るシーンになります。
ここはどういう攻略をしたかによって数えきれないほどに分岐していきます。
なので、タイトルも一つのエンディングという意味になっているのです。
本当にこの結末でこの作品を終わらせていいのかい?と問われているような気分になる曲調です。

■休憩2
休憩中にハッシュタグ追いかけてたら、バタスコってコメントを見かけて何のこと?と配信見たら、休憩画面になんかバタースコッチシナモンパイが!(使い回し)

ここで惜しくも選考から漏れた曲パート2。
・ハードモード:構成上難しいのでロビコン…あ、無理でしたかー。
・メタトンの他の番組:「メタトン関連の曲が他のキャラより多いのでどれに絞ります?」「やっぱオペラでしょ。」「FF6やりたい…」ですよねー、リトルですもんねー。
・ホテル周り:ここまで演奏してきたモチーフのアレンジがほとんどということもあり、時間の都合上泣く泣くカット。
・Long Elevator:音楽と言い難い効果音大好き集団だけど、前後の繋がりが難しいのでしょうがない。
・特定のハードで追加された曲:プレイしたのに知らない曲がある!という不公平というか、共有できない要素は省く方向で。

この休憩が終わりそうなタイミングを見計らい、私は一人でパイプオルガン側の客席扉前にドキドキしながら移動してました。
チューニングが終わった辺りを見計らって、階段に座ります。

■第3部
22.Dating Start!~Dating Tense!~Dating Fight!
Pルートの展開で必要なデート3連発。
デートスタートの曲は全員共通なので、各キャラの個性が出る曲が盛り込まれました。
6月某日の練習後、コンマス直々に声をかけられました。
「サンズがトロンボーン吹くデッデッデーのソロ、パリイさんが適任だと思うんですよ。」
そう、私のアイコンがソレなのを知っててニヤニヤしながらの依頼でした。
何度かセッションでお披露目したこともあるし、何なら楽団でのウォーミングアップでコッソリやってますからねw数え切れないほど吹いてきたフレーズです。
しかし!満席のコンサートホールで吹く機会が来るなんて想像していなかった!
サンズ好きが、アンテコンサートでサンズの真似をするなんて、こんな運命あるんだなとワクワクしました。
普通に吹くだけだと面白くない、というか伝わりにくいので、ビジュアル的に何か仕掛けたいと提案します。
最初はチューブラーベルの裏からサッと現れて吹いてサッと引っ込む案でした。
しかし、後方席から見えない…どうせならもっと目立たせようという話になり、客席側から吹く案に当日変更。ついでにスポットライト追加。
スライドはやりすぎなぐらい動かしたほうが良いと言われて、実際の音より揺らした感じにアレンジしました。
そして青パーカーも当日のサプライズでした。一部の人と話してて、持ってるなら着たほうが面白いと言われて。
あれは他の演奏会でコスプレするために買ったもので、1回しか使ってなかったんですよ。残念ながら公式のものではないし、サイズ小さめでパツパツでしたが、リサイクルできて良かったです。
楽屋で「いい感じだけどもっと太ってきて欲しかった」とダメ出しされたのはここだけの話ですw
本番はカホンで鳴らしたドア開ける音とのタイミングがバッチリだったと言われ、大変好評だったみたいで、サンズ好きとこのシーンの再現を分かち合えて嬉しかったです。もう思い残すことはない…。

 

余談ですがリハ中にこの写真上げたのは、デートでイッヌ出てくる前振りでした。って分かりにくっ!

23.Here We Are~Amalgam
真実のラボあたり。
楽しいデートの直後に聞くから、その落差は余計に感じますね。
トロンボーンはバッキング的なことをちょいと参加してるのみ。
お見せ出来ないのが残念ですが、指揮者用スコアに音符に被さるぐらいのデカいしにがみちょうが乗っていました。

24.Fallen Down (Reprise)~Don't Give Up
プログラムには表記ないですが、冒頭に金管だけでBergentrückungのアンサンブルを入れてます。
Nルートでは弦楽器で戦いから逃れられない緊張感を表し、Pルートではブラスの優しめな音色で戦う意思はない主人公のケツイ表明を表してるのかな、と勝手に解釈してました。
最後はPルートのラスボスにつながる流れとなります。

25.Hopes and Dreams~Burn in Despair!~SAVE the World~His Theme~Final Power
曲に入る前に、名乗るシーンからのスタート。
プレイした人には非常に心に残るシーンだと思うので多くは語りませんが、非常にオケ映えのする曲ですのでいい感じのアレンジにしてもらいました。
トロンボーンはひたすらリズムを刻んでいる、基礎練習的なところが若干ありましたけど。
Final Powerは逆再生しても聞こえるような弾き方をしてね、とお達しがあったので何のことかと調べたら…ああ、そうなんだ!
ご存じなかった方は検索してみてください。私がここでネタばらしするのは野暮かなと。

26.Reunited
クリア後にエンディングへ向かう前に、今まで歩いてきた道を振り返る時の曲。
主要モンスターとだけ話して先へ進むもよし、戻れるところまで戻って隠しキャラ(SwitchとXbox版のみ?)と戦って死んでもよし。
この曲が原作とサントラで調が違うことをパンフレットで触れてますが、気づいていたコメントも見かけてファンの熱量すごいなぁと思いました。

27.Respite~Bring It In, Guys!~Last Goodbye
そして大団円。
ピアノ連弾で地底を後にすることになります。
リトルのピアノは初期の頃から参加してくださっている方なのですが、実はコロナ前に休団届を出されていました。
しかし3年も空いたので、今回復帰してもらえたのです。そういう意味では、コロナが無かったらこの演奏会はこの形で成立しなかったかもしれません。
他にもピアノを弾ける方がいまして、リトルファンにはおなじみの鍵盤お姉さんことちゃろさん、そしてEnsemble G.A.P.でピアノを弾くうにさん。
今回はこの3名がいなければ、この構成では出来ませんでした。本当にメンバーに恵まれています。
Bring It In, Guys!は各キャラのモチーフが明るいアレンジになっているので、色んな楽器で賑やかに。
トロンボーンはパピルスの場面で単独メロディいただいてます。ここのユニゾンがピッタリ決まって気持ち良かったです。
Last Goodbyeの最後、チェロでポン、ポンと入れてるのですが、これサントラでは聞き取れないんですが多分ゲーム版収録時のノイズかなんかだと思うんですよね。
最後まで、この演奏会はサントラをただ耳コピしたわけじゃないんだよ、というらいぶら隊のメッセージが込められているのです。

■アンコール
・The Genocide Route
Menu (Full)~Battle Against a True Hero~Power of -NEO-~Megalovania

今回、構成の段階から本番直前までみんなを悩ませたのが、この存在。
まず、Gルートをやるかどうかというところから議論が始まります。
ゲームとしてPのまま終わりたいという声があるのは知ってますし、我々の中でも意見が割れていました。

他のコンサートの感想で、Gは触れてほしくなかったという感想も見かけました。
最終的には、本編では触れずにアンコールという形にしようと落ち着きました。
しかしその後も、間髪入れずにアンコールでやると、聞きたくなかった人に対する選択肢が無いなど意見が出てきました。
悩みに悩んだ結果、たとえストーリーとしては目をそむけたくなるものだとしても、いい演奏をして感動させられたらこれはこれでと割り切って受け止めれくれると信じよう、という結論に至りました。ただしMCでちゃんと説明するという条件付きで。

同じファンならこの気持ちをきっと理解してくれるだろう…。そうだといいな、と。

それとは別に、演奏時間の問題も出てきました。
曲の終わらせ方を巡って意見が交わされ、Megalovaniaを何回やるか、という話になりました。
実は3回やる案で譜面が出来てました。が、アンコール単体で15分になってしまったので、今回は分散退場もあるから少しでも短縮しておこうという話で2回に落ち着きました。
幻の3回バトル譜面もやりたかったな…限界に挑戦して、「おまえ そうとう やんでるな…」とコメントされる世界も見たかったです。
2回にすることで演出も変わりました。今回色々あって聞けなかったdog songがここで救済。
気づいていた方もいたようですが、「みのがす」とこうなるんです。

ショートカット攻撃も再現。予想通り沢山の反響をいただいてますが、上記の通りギリギリまで演出が定まらなかったので、あの止まる練習をやったのは本番リハ含めて3回だけです。
動きをピタッと止める練習も全員集まった当日に集中して行いました。リハ時間押して開場遅くなってすみません。

私はただ息を止めるだけじゃなく、鼻でブレスをとって動かないようにしました。
トロンボーンにはドラムと一緒にやるブラスター攻撃も与えられました。ストレートミュートで低音域(専門的に言うと6ポジションのC)のフラッターフォルティシシモ。ここもまた毎回酸欠になる奴…。本番ではベルアップして音を聞こえやすいようにしました。
コンマスが指揮者の前に表れてビタンビタンをパフォーマンスしたのは、当日リハからのサプライズです。私なにも聞いてませんでした。家で密かに練習してたんだろうなー。

そして最後は、カッコよく決まるアレンジでバシッと決めて終了。


今回はYouTube Live配信も試みました。
その布石として、YouTubeチャンネルを作り、過去の演奏会でやったクロノクロスを公開、今回の宣伝動画も作成。
リトルジャックは人気タイトルの回だとチケット争奪戦になり、悔しい思いをされる方が出ていたと聞いてます。そういう方にリトルの音楽を伝える術がなかったのです。
元団長からも、いずれ配信はやってほしいし自分たちの活動の記録としても残していった方がいいと思う、と言われてました。
そんな先人たちの想いを受け継いでの初配信でした。
24時間限定の公開でしたが、のべ5万8千人の視聴があったそうで、多くの人にリトルジャックの魅力が伝えられた演奏会になったと思います。
 

…本番翌日に有給を取れず、配信を自らチェックできなかったことだけは唯一の心残りですorz

運営において技術委員長 兼 団長として神出鬼没に動き回る様は、自分のことをサンズのように重ねていました。
でも実際に動いてくれたのは、他の団員です。私はただただ、みんなに支えられてただけなのです。最終ジャッジを下す最後の審判役だっただけです。去年も他所で審判やったけど
演奏もそうです。ここまで残ってくれて一緒に舞台に乗ってくれた仲間がいる、それは私にとってのPルートです。
見守ってくれた元リトルメンバーの人にも感謝しかないです。皆さんが作った礎があって、今回の演奏会が生まれたのです。

色々あったけど、ま、いい演奏会になったんじゃね?とサンズのポーズで締めくくろうと思います。

■おまけ
本番に向けて、グッズを製作してもらいました。


舞台上では、指揮者と管楽器以外の方はマスクをしてもらうようにしました。
…指揮者がマスクを忘れてワタワタしていたのはご愛敬。
マスクケースも貰いました。演奏中はここにしまってました。
そしてタマシイのアクリルバッジ。7色ありましたが、赤と青が人気でしたね。あとは紫も。
サンズを演じた団長とコンマスが青で被っていたので、俺たち分かってる~ってニヤッとしました。

これ、よくみたら文字の中に他のカラーのタマシイが埋め込んである!

T・A・O・R・R・Aに青以外の色が。

ってことは、自分が持って行った色以外のカラーが埋め込まれてるってわけ!?なんて細かいんだ!!!


これは当日の舞台裏の様子。
ちょうど同日がコミケと重なってたので、「設営完了」「あか完売です!」など飛び交っていましたw

 

(chapter.119)