© 朝日新聞社 警視庁本部
 

 政府の観光支援策「Go To トラベル」で旅行者向けに発行される「地域共通クーポン」の詐欺事件で、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された職業不詳の相田卓也容疑者(30)=神奈川県藤沢市=が警視庁の調べに対し、「SNS上の情報を参考に犯行に及んだ」と話していることが29日、同庁への取材でわかった。

 

 詐取したとされる、専用サイトで発行される「電子クーポン」を巡っては、チェックインや会計を済ませる前に受け取れる仕組みが悪用される事例が相次いでいる。

 

警視庁は、相田容疑者がネット上の書き込みをもとに犯行に及んだとみて「安易に詐取すれば犯罪になる」と注意を呼びかけている。

 

 捜査2課によると、逮捕容疑は10月上旬、ネット上で大手宿泊予約サイトを通じ、東京都内のホテル4カ所にそれぞれ1週間以上の宿泊予約を5回繰り返し、都内や隣接する県で使えるクーポン約54万円分を国から詐取したというもの。「泊まるつもりはなくクーポンを取得するためにやった」と述べているという。

 

 予約時に偽名を使うなどし、同じ日に複数の予約を入れることもあった。

 

いずれも無断でキャンセルしており、ホテル側に本来支払うべき総額は計約500万円にのぼるという。