写真については、フィルムが現在でも発売されているし、
フィルムで撮影するカメラも発売されています。
デジタルカメラになっても、ニコンのRAW、キャノンのRAWは、ずっと続いています。
多くの写真家はJPEGに変換したり、TIFFに変換して保存、
なかにはアドビのソフトのフォーマットで保管している人もいるでしょう。
フィルムは劣化しますが、どこのフィルム会社もフィルムであることには変わりがなく、
フィルムをスキャナでデジタル化することも可能です。
プリントした写真は劣化するものの、長期間保存が可能、
古い写真であっても、それを新しい写真に変換して、救済ができるようです。
私自身はやったことはありませんが・・・・
問題は映像データや映像ソフトです。
新しい規格ができるのは技術の進歩ですが、
古い規格との互換性がなく、
変換する機械もソフトも発売されていません。
アマチュアの映像として、かつて普及した8ミリフィルムは、
すでに撮影するカメラの新品はなく、
映写についてもできるかどうか・・・・できないでしょう。
デジタルビデオカメラになっても、
ごく最近まではミニDVテープでデータを保管していました。
作品にしたものを、DVDに焼き付けた人はいるでしょうが、
ほとんどはテープで保管していたのでは・・・
ミニDVテープ専用の再生機は発売されなくなっているし、
テープ使用のデジタルビデオカメラがなくなってしまいつつあります。
ミニDVテープは再生が不可能になってしまいます。
パソコンはUSBしかなくなり、
新しいパソコンにはIリンク(IEEE1394)はついていません。
テープをファイル化するためには、
パソコンの編集ソフトで長時間かかります。
そのファイル化したデータが確実に再生できるかも不安です。
各家庭でビデオカメラで撮影し、テープで保存されている、
わが子の成長記録、
結婚式とその後の家庭の記録、
亡くなったお父さん、お母さんの記録、
そのような想い出を記録しているテープが
再生不可能になってしまう。
ビデオカメラで撮影した映像を、パソコンで編集せずに、
そのままテープで残しているカメラマンが多いということを、
ソニーも、パナソニックも、キャノンも、ビクターも
知っているはずなんですが・・・
実は映像・映画については、
もうひとつ大きな問題が起きています。
現在でもレンタルビデオ店が貸していて、顧客が借りているVHSビデオ、
ソフトとして大量には販売し、顧客が購入したVHSビデオ、
それを再生する機械が、もはや販売されていないのです。
映像では3Dだ、ハイビジョンを超える4K、8Kの開発、
それらの最新技術の開発も重要ではありますが、
顧客ニーズがどれだけあるのかは疑問。
くだらないテレビを高画質で観る必要があるのか。
今まで蓄積した家庭の記録が観ることができなくなっているのに、
新しい技術にカメラマンは飛びついて買うのか。
かつてのように、顧客が飛びつく新製品を開発していない。
アップルのような製品がソニーで創ろうとしたけれども、
実現できなかったと聞いています。
電機会社は顧客ニーズの把握、市場調査をやっているのか、
きわめて疑問。
必要な機械が提供されず、
ごく一部の新しがり屋しか買わないであろう製品に全力を挙げています。
ソフトがなければ、ハードは売れません。
電機会社の経営業績が非常に悪く倒産の危機です。