映画特集 再録 イメージフォーラム「ドキュメンタリー講座」(2008年8月) | 「ポートレート スタジオ ファイン」 =「ファイン メディア コンテンツ ジャパン」

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イメージフォーラム夏季特別講座「ドキュメンタリー」
に参加し、
ドキュメンタリー映画の製作について学びました。

特別講師は豪華メンバーです。

1.カンヌ国際映画祭グランプリ受賞の河瀬直美監督

2.「蟻の兵隊」、「延安の娘」の池谷薫監督

3.「選挙」の想田監督

4.「靖国」のプロデューサーと助監督

5.「シラトリカル」(唐十郎と唐組)の大島監督
  (大島渚監督のご子息)
などの外部講師です。

イメージフォーラムの内部講師からは、
村山先生から「ドキュメンタリ」の歴史と理論を、
かわなか先生から自作の解説による「日々撮影」「自己表現」について
を教わりました。

「靖国」の最後のクレジットにはイメージフォーラムが出てきます。
私自身は、公開反対するよりも、まず「見てから意見を言うべきだ」と思います。
いろいろな意見が出てくるでしょう。
8月15日という特殊な日の靖国神社を撮影するのではなく、
7月の大祭(東京のお盆の時期に、地元千代田区が街をあげて参加する光の祭典)
も撮影するべきだとも思います。


製作スタッフは、靖国神社については調べたようですが、
「世界全体の政治・経済情勢には詳しくない」
「過去のことは調べるが、現在をみず、未来をつくろうとしない」
「日本と中国の友好親善に配慮せず対立をあおり気味」
に感じます。

中国、日本、韓国・朝鮮は長い歴史と文化があり、
敵対した時期はごくわずかで、9割以上は友好関係です。
三地域を仲たがいさせようという策略に嵌められてはなりません。

張プロデューサーは天安門事件の直前に来日し、テレビのドキュメンタリー番組の経験が豊富です。
「過去を振り帰るのではなく未来を見て、日本と中国の友好関係を築く」
ように申し入れました。


ドキュメンタリーというと、政治的、左翼思想、社会批判、暗い、つまらない、関わりたくないというイメージがあります。

土本氏、小川氏、佐藤真氏がなくなり、一時代がすぎた感じがします。

現在では
左翼と右翼、体制と反体制というものさしだけでは計れない世の中
になってきたと思います。

一方において、
河瀬氏のように自分探しからはじまったドキュメンタリー
もあります。
自分自身とその家族と関係者が登場人物です。
もちろんたんなる日記ではなく、そこから普遍性を追求していますが・・・

今回は直接は取り扱いませんでしたが、
「不都合な真実」は環境問題、
「命の食べ方」(イメージフォーラムで長期上映をした)は食糧問題、
マイケル・ムーアはアメリカ社会の諸問題をユーモアたっぷりに風刺
しています。

この講座を受講し、代表的なドキュメンタリー映画を自分でも見て、ドキュメンタリーに関する本も読み、次のようなことがわかり、また次のように考えるようになりました。

事実は小説より奇なり。

娯楽映画、商業映画、ドラマだけが映画ではない。

マスコミで報道されない、報道できないこともある。

テレビのドキュメンタリーは予算は恵まれているが、
製作期間のしばりがあり、事前にアウトラインを決めている。

ドキュメンタリーの定義や手法は製作者によりさまざま、
こうしなければいけないということはない。

自分の身の回り、自分のもっとも興味があることの撮影から始めよう。

ドキュメンタリーの場合は、リサーチーして、台本を作って撮影する方法には限界がある。

興味のあることや撮影したい人々を日々撮影しよう。
撮影をしながら、より本質を理解して、まとめよう。

撮影する人々との信頼関係がもっとも大切。
被写体の理解者・代弁者になるが、批判精神も忘れずに。

個々の出来事そのもの(事実の羅列)から、
誰もが知りたい情報や誰もに伝えたいメッセージに変換する
ことが重要だろう。