★1958年旭玩具/イチコー&野村トーイ 悲運のエドセル ~ブリキ自動車コレクションから223 | ポルシェ356Aカレラ

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★引続きコレクション整理のため委託出品中!!
手許のコレクションの中から不要なモノを2024(令和6)年6月5日(水)終了のヤフオクに鉄道模型(16番)を中心に色々委託出品していますので、是非ご覧ください(以下は抜粋・赤字クリックでヤフクオクに飛びます)☆☆



1)鉄道模型HOゲージ16番 珊瑚模型店 国鉄キユニ07 キット組立品・元箱無(代用箱)
車両名称や模型の製作メーカーが判らずこの場でお伺いし、珊瑚模型店のキット組立品のキユニ07と御教示頂いたものです。灯火類の点灯ギミックはありません。中野・方南町の珊瑚模型店は家から自転車で1時間程度の距離にあり、高校生の頃によく行っていましたが、惜しくも2018年12月に閉店しています。





2) 鉄道模型HOゲージ16番 ピノチオ 国鉄マイテ58⁻2展望車「つばめ」箱付 専用ビニール袋付 難有
東京都大田区東六郷のピノチオも惜しくも2013年に閉店しています。以前、16番の青大将編成を作ろうと集めた時の1両。台車が1つ外れて床板に止めるネジを紛失したため応急的にテープで止めてあります。ネジが入手できれば車体と床板を外す必要がありますが器用な人なら比較的簡単に直せそうです。尾灯・室内灯等の電灯類の点灯ギミックはありません。




展望デッキにはフィギュアを立たせたい衝動に駆られます♪





3)鉄道模型HOゲージ16番 ピノチオ 国鉄スハニ35⁻8 箱付 専用ビニール袋付
これも青大将編成の1両。何とも魅力的な荷物扱い旧型客車。室内灯や尾灯の電灯類の搭載は元々ありません。







4)鉄道模型HOゲージ16番 メーカー不明 国鉄52系電車 第3次車モハ43038~43041半流「合いの子」モーターなし先頭車2両セット箱無
ヘッドライト/テールライト点灯(1両はヘッドライト不点灯)。先頭車のみで残念ながら中間車はありません。これも車両名が判らず、この場で伺って車両名称が判明したものです。製作メーカーはひかり模型あたりでしょうか?





5)鉄道模型HOゲージ16番 カツミ 国鉄ディーゼル特急キハ82⁻19難有・初期箱付
モーター不動・ルーフパーツ1個欠。大量に売れたようで最も中古市場で見掛けるカツミ製品の1つと言えますが大抵は青銀色の箱に入った時代のもので、この白系の初期箱は少ないと思います。


室内灯点灯




★閑話休題
今回も国産旧車ファンの方には「何じゃらホイ?」(笑) 的な車種となりますが、ブリキ自動車コレクションの第223回記事として旭玩具/イチコーと野村トーイの2種の1958年フォード エドセルをご紹介します☆☆☆



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★エドセル (EDSEL)
フォード社が社運を賭けて1957年9月に発売した中級車で車格は大衆車フォードとマーキュリーの中間に位置し、3種のホイールベース、345hpと303hpの2種のエンジン、サイテーション(CITATION)・コルセア(CORSAIR)・ペイサー(PACER)・レンジャー(RANGER)・ステーションワゴン(STATION WAGONS)の5シリーズで18種ものボディ型式を持つバリエーションを誇りましたが、「horsecollar:馬の首」というニックネームの付いた個性的なフロントマスクが不評を買い、マッハ号のようなハンドル中央の自動変速機切替ボタンなどの斬新な機構も一般のユーザーには受け入れられませんでした。
1959年型へのMCに際し18種あったバリエーションを10種類に減らし、更に1959年9月から11月19日まで僅か2ヵ月半に2809台のみ生産されたエドセル最終の1960年型では8種類とバリエーションは大幅に縮小され、その最後の1960年型に至ってはフォード・ギャラクシーのボディシェルを流用したエドセルとは全く別のクルマとなり、フォードが当初エドセルに掲げた販売目標 年20万台には遠く及ばず、生涯合計で約11万台を生産して僅か2年2ヶ月の生涯を終えています。フロントグリルに関して言えば、1960年代後半にポンティアックがエドセルとよく似たデザインで成功していることを考えれると、エドセルが時代よりも進み過ぎていた故に大衆に受け入れられずに終わった悲運のクルマだったと言えます。


★エドセルのミニチュア
実車は売れなかったものの鳴り物入りでデビューした当初にブリキ玩具として多数のメーカーが競作しています。古くから傑作モデルとして評価の高い旭玩具/イチコーの28㎝サイズを始めとして、米澤玩具/新生の27㎝サイズ、万盛玩具(haji)の28㎝サイズ(2ドアHT/コンバーチブル/ステーションワゴンの3種)、野村トーイの23㎝サイズの2ドアHTと28㎝サイズのステーションワゴン、KTSの20㎝サイズ等と夥しい種類が製作・発売されており、エドセルのブリキ全種類の蒐集はカラーバリエーションまでは追わない場合であっても容易ではありません。
フォードのノベルティの1/25スケールサイズを除けば当時物のミニチュアは思いのほか少なく倉持商店のコレクトーイの8㎝サイズとSikuの9.5㎝サイズ程度で現在流通しているモデルは後年、往年の名車として製作されたミニカーが大半となっています。



●五十嵐平達氏が撮影されたリアルタイムの1958年エドセル外交官専用車
二玄社1971年12月24日発行 五十嵐平達 編著 世界の自動車 第47巻「リンカーン」付録エドセルより転載。五十嵐氏によればリアルタイムに都内で見られたエドセルは大使館や在留米人の僅か数台だったとのことで、本国でも販売不振だったため日本に上陸した数は非常に少なかったようです。



●のりものえほん「じどうしゃ」(B5判・12頁)
ひかりのくに昭和出版発行。絵:中島 清 画伯、文:大浜鉄男。1958年エドセル・コンバーチブルが表紙に描かれた珍しい絵本。未使用デッドストック品。


この絵本には何と中頁にも三菱のガソリンスタンドでお父さんと男の子/女の子が乗車したエドセル2ドアHTが給油をする場面が描かれています。



●1958年 エドセル 本国版カタログ(縦253×横305㎜・英文22頁分)
1957年9月発行の折カタログ。折ではなくホチキス綴じの本カタログが別に存在するのだろうかと、「1958 EDSEL brochure」をKey Wordに検索しても、このカタログ以外はヒットしないため、実車同様に斬新なデザインの折カタログでもあり、これが本カタログだったのでしょうか。




最上位グレードのサイテーション&コルセア


下位グレードのペイサーとレンジャー


ステーションワゴン


マッハ号のようにハンドル中央にオートマチックトランスミッション切替ボタンの付いた斬新な運転席


スペック




●1958年 エドセル日本語版カタログ(縦150×横211㎜・日本語8頁)
千代田区霞が関三丁目7番地に存在したニューエンパイヤモーター発行の貴重な日本語版カタログ。カタログは作られても、当時日本に新車で輸入された1958年のエドセルは非常に少なかったようです。勿論、外車輸入自由化前の時代であり、当時、日本人は購入出来ずエンパイヤから購入出来たのは在日外国人のみということになります。


サイテーション4ドアHT


コルセア2ドアHT


ペイサー4ドアセダン


レンジャー4ドアセダン。最下位グレードのレンジャーはボディ前半分のサイドモールが付きません。


中央にオートマ切替ボタンの付いた斬新なハンドルとダッシュパネル


7つの新機構


スペックと輸入元ニューエンパイヤモーターの印字




【1958年エドセル サイテーション 2ドア ハードトップ 実車主要スペック】  (1958 EDSEL Citation 2-Door Hardtop specifications)
全長5559mm・全幅2028mm・ホイールベース 3151mm・車両重量2040kg・FR・F-475型水冷V型8気筒OHV6718cc・圧縮比10.5:1・最高出力345ps/4600rpm・最大トルク54.7kgm・変速機3速コラムAT・乗車定員6名・最高速184km/h (114 mph)・日本国内輸入代理店:ニュー・エンパイヤ・モーター株式会社



●東京玩具商報1958年5月号 旭玩具製作所 広告(国立国会図書館の蔵書より複写)
初代トヨエースのスタンダードサイズがホロなしトラックが都内230円/地方最低小売250円、幌付が都内270円/地方300円に対し、エドセルは都内450円/地方500円とほぼ2倍の価格となっています。エドセルではなく、「エゼール」と記載されています。





●旭玩具1958年発行 自動車玩具宣伝リーフレット(B4判・両面印刷)
このカラーリーフレットではエドセルは今度はエゼールではなく何と「エゼル」と記載されており、日本語での車名が確定していなかったことを物語っています。人工着色写真ながら、実際の製品に近い色味が再現されており、エドセルは実際に市販されたピンク/オレンジツートンとなっています。





●velocebooks/UK「TINPLTE TOY CARS」に掲載された旭玩具1958年エドセル
2008年4月発行のコレクター向け洋書に掲載された旭玩具のエドセル。プライスカテゴリーは11=3000ドル以上と記載されています。


上箱左下には製造メーカーであるイチコーの商標が確認出来ます。




●旭玩具/イチコー 1/18程度 1958年エドセル 2ドア ハードトップ 緑メタ/ペパーミント(Asahi Toy/Ichico 1958 EDSEL 2-Door Hardtop Tinplate Model Toy)
多数の国内メーカーが競作した1958年エドセルの中で古くから造りの良さから評価の高い旭玩具/イチコーのエドセル。手元にあるのは、箱無ながら殆ど遊ばれた形跡のない美品。本体はシャシー裏にATC旭玩具の商標のみが刻印され、イチコーの刻印は見られません(元箱の上面にはイチコーの商標が印刷されています)。全長約280㎜(実車比1/19.9程度)・全幅約115㎜(実車比1/17.6程度)・ホイールベース162㎜(実車比1/19.4程度)・旭玩具品番:2999・当時定価 都内450円/地方最低小売500円。残念ながら斬新な運転席廻りの意匠は再現されていません。カラーバリエーション(全てツートンカラー):薄空色/アイボリー・ピンク/オレンジ・緑メタ/ペパーミント・アイボリー/薄黄緑 等。入手難易度:10段階評価で9程度。2024年現在の市場評価額28~40万円程度(箱付未使用美品の場合)。


ルーフ右後方の剥げて見える箇所は光の反射。






フロントグリル中央には実車同様にEDSEL文字


A-8178のナンバーの意味は不明




全長約8㎝・1/70程度の倉持商店コレクトーイとの比較




残念ながら実車通りではない運転席廻りのプリント。ハンドルはブリキ製。


シャシー裏


シャシー裏前方にサンタマークATC旭玩具商標の刻印




●旭玩具/イチコー 1/18程度 1958年エドセル 2ドア ハードトップ ピンク/オレンジ(Asahi Toy/Ichico 1958 EDSEL 2-Door Hardtop Tinplate Model Toy:ヤフオク出品画像より転載)
2022年12月5日(月)にヤフオク26万4000円で落札された際の出品画像。箱内の緩衝材も含め工場出荷当時のままの美品。上掲の旭玩具が当時出したリーフレットと同色。過去にヤフオクに出品された箱付は恐らくこれ1台のみ。箱付でないモノやジャンクであっても殆ど見掛けません。
















シャシー裏








●野村トーイ 1/24程度 1958年エドセル 2ドア ハードトップ 薄水色/青(Nomura Toy 1958 EDSEL 2-Door Hardtop Tinplate Model Toy)
国内向けの日本語箱が魅力的なモデル。全長約230㎜(実車比1/24.2程度)・全幅約95㎜(実車比1/21.3程度)・ホイールベース125㎜(実車比1/25.2程度)・箱サイズ:縦105×横235×厚さ75㎜・野村トーイ品番:不明・当時定価:不明(都内130円程度と推定)。小ぶりで少々ズングリしたプロポーションながらエドセルのディテールは再現されています。残念ながら野村製も斬新な運転席廻りの意匠は再現されていません。カラーバリエーション(全てツートンカラー)は他にアイボリー/朱赤 等。入手難易度:10段階評価で6程度。2024年現在の市場評価額3~4万円程度(箱付未使用美品の場合)。










リアナンバーの「M-2633」に何らかの意味があるのかは不明。


箱にはエドセルではなく「エヅセル」と印字されています。


全長約8㎝の倉持商店コレクトーイ・エドセルとの比較




残念ながら実車に忠実ではない運転席廻りのプリント






●1/18旭玩具/イチコー&1/24野村トーイ&1/70倉持商店コレクトーイ 1958年 エドセル 3種の並び
大きい方から旭玩具/イチコー、野村トーイ、コレクトーイ。














※補足情報: 今回の記事で殆ど再録していますが、エドセルの実車カタログについては、2012年7月2日の自動車カタログ棚シリーズ第15回記事をご参照ください。 






★オマケ(その1): MINI GT新製品 1/64スケール 1973年ポルシェ911カレラRS 2.7 黒/赤ストライプ
懐かしの商用車コレクションの最新号Vol.83の1982年パルサーADバンは年式が新し過ぎて芸風範囲外という理由から購入を取りやめ、代わりにこのミニGTの73カレラの新色を購入。MINI GT品番688。まだTLVより安価なものの税込定価は2310円と少し値上がりしています。






既発売の白との並び






★オマケ(その2): YSDヨシダモケイ製作所1/80国鉄クモニ83形荷物制御電動車 木製キット
作る訳でもないのに荷電好きのため新入荷したキット(汗)。箱サイズ:縦50×横265×厚さ20㎜。ヨシダモケイ製作所(長岡市台町1-8-1:既に廃業?)の1960年代末頃の製品で図面、クモユニ74と共通の組立説明書が付いています。完成させるには別途、台車、モーター、パンタ等々を用意する必要がありますが、今更作れない古いプラモと同じように未組立の状態を眺めてニヤニヤするという楽しみ方もありでしょう。

学生時代の筆箱を思い出させる箱です。




図面。前面パーツなどよく出来ています。


作り方説明


手許にある16番1/80荷電コレクション。左から、クモユニ74湘南色(カツミ)、クモニ83湘南色(ロコモデル)、クモハユニ64スカ色(ロコモデル)。カツミのクモユニは昭和の終わり頃に新品で入手したまま車番等のシール類も未貼の状態です。他にもカワイモデルやつぼみ堂のクモユニ81等も手元にありますが、荷電には何れも愛着がありコレクション整理で手放すことはまだ少し先になりそうです。







★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Eight Days a Week」 1964
気付けば口ずさんでいることのあるビートルズの1曲。多くの他のビートルズナンバー同様、この曲も古びず、リリースから今年で丸60年が経っているとは思えませんyone☆☆