★1961年イチコー縦目のセドリックカスタム 赤ボディ ~ブリキ自動車コレクションから029追補 | ポルシェ356Aカレラ

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★新聞購読数の激減
長年、毎朝通勤の電車内では朝刊を読む習慣なのですが、近頃は電車内では大抵の人はスマホを見ており新聞を読んでいる私のような人は非常に少ない気がします。それもそのはず、新聞の定期購読者数は21世紀初頭前後の四半世紀前からほぼ半減し、現在の購読率は約25%で何と新聞を購読しているのは概ね4軒に1軒とのこと。最近は年7%程度も購読者数が減少しており同率で減少が続くと12年後あたりに新聞の購読者数はゼロとなる計算とのことですから、電車内で新聞を読む人も減っている訳ですが、その代わりみなさん新聞は紙媒体ではなく電子版をスマホで読んでいるのか?と思いきや電子版の購読者も決して多くはなく新聞という媒体自体の需要が激減しているようなのです。従来の新聞に替わる最新の政治/経済から三面記事、各週刊誌の広告に至るまでの広範囲に及ぶ社会の情報は紙の新聞を購読していない人達がどのように得ているのか新聞の電子版の購読者も多くはないことから個人的には魔訶不思議なのですが、2024年現在、朝日新聞の購読料は月4900円ですので、月30日として計算すると1日当たり160円強位、平日は朝刊と夕刊を朝夕2回自宅に配達して貰えることを考慮すると個人的には決して法外に高いとも思えないのですが、「新聞を定期購読して月に5000円出すならトミカの新品を月に10台位買うとか、ホットウィールのレギュラー品を15台位買うとか、TLVを1~2台買うとか、月に1度だけでも少し豪華な食事でもするとかした方が余程いいわい!」と考える向きも多いということなのでしょうか・・・。
個人的には新聞に限らず紙離れが急速に進むこの時代の中で、私が小学生の頃、1960年代に購読を始めたTMS(鉄道模型趣味)といった長年購読している雑誌にしても、現在のトレンドともなりつつある定期発行物の紙媒体の発行を失くす「完全電子化」はして欲しくはないというのが本音であったりもします・・☆☆


★閑話休題
今回は2019年7月7日に1961年イチコー縦目のセドリック カスタム として御紹介した「ブリキ自動車コレクション第29回記事」の追補として、先日新たにコレクションに加わった1stモデルの赤ボディをご紹介します☆☆☆



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縦目のセドリック
かつて国産高級車と言えば、クラウン・セドリック・グロリアが御三家でした。御三家の中で一番遅くデビューしたのが1960年(昭和35年) 4月1日に発売された初代縦目の「セドリック」。
発売当初のセドリック は当時の小型車枠内の1500ccのデラックスおよびスタンダードのみ。1960年(昭和35年)9月に小型車規格が排気量2000ccに引き上げられたことに伴い、同年11月に全長及びホイールベースを各100mm伸ばした1900ccのカスタムが追加発売されています。


日産広報誌「LIGHT CAR」1960年4月号(B5判・32頁)
初代セドリックデビューした際の日産広報誌。表紙は横浜バイパスの白/茶とアイボリーの2台の縦目。2台共に地名表記のない都内登録の5ナンバー車。


小公子誕生


川又社長の挨拶。セドリックデビュー後もオースチンのパーツ補給を引き続き行う旨も話されています。




★縦目のセドリックの玩具・模型 ~イチコー製縦目のセドリック
最初のセドリックはタテ4灯の印象的なヘッドライトから「縦目のセドリック」として広く親しまれ、リアルタイムで夥しい種類の玩具・ミニカー・プラモデル等の実車を模した立体造形物が製品化されています。金属玩具(ブリキ玩具)は、イチコー(一宏工業)、米澤玩具(ヨネザワ)、萬代屋(現バンダイ)、増田屋斎藤貿易(マスダヤ)、SSSインターナショナル商事(サンエス商事)で競作され(SSSは大中小3サイズ発売)、このうち、バンダイ製はオペルレコードの金型流用、マスダヤ製はプリムスあたりのアメ車の金型流用という手抜き商品でした。
そのような中でイチコー製はディテールやプロポーションの良さで一番優れ、古くから初代セドリックの玩具の決定版的な位置付けが為されています。イチコーの初代セドリックの箱には1960年11月に発売されたグレード「カスタム」の印字があることから、恐らく1961年(昭和36年)に入ってから発売され、以降、1962年式・1963年式・1964年式と実車のMCに則した(1965年式のみ発売なし)、計4種ものMC版が市場に出ています。年式違いが4種ある上にカラーバリエーションも全貌の把握が困難な程多いため、イチコーの初代セドリックをカラバリも含めてコンプリートにコレクションすることはハードルが高いと言えます。
今回はイチコー製の初代セドリックの中でも前期・縦目時代の1961年式 5ナンバー付 初版の新たにコレクションに加わった赤色をご紹介します。


【1961年ニッサン セドリック カスタム G30型 実車 主要スペック】(1961 Nissan Cedric Custum Type.G30 specification)
全長4510mm・全幅1680mm・全高1510mm・ホイールベース2630mm・車重1240kg・H型水冷直列4気筒1883ccエンジン・最高出力88ps/4800rpm・最大トルク15.6 kgm/3200rpm・コラム4速MT・6名乗・最低地上高190㎜・ガソリンタンク容量44ℓ・馬力当たり重量14.1kg・日本車初の後席専用ヒーター装備・シャシー開始番号G30-L-00001・タイヤサイズ6.40-14-4P・最高時速140km/h・販売価格112万8000円


【一宏工業(イチコー) 1/18スケール 1961年・1962年 ニッサン セドリック カスタム 主要データ】

・基本素材: ブリキ
・一宏工業品番(管理番号): No.2161
・発売時期: 1961年(昭和36年)~1963年(昭和38年)頃
・販売価格: 都内250円/地方最低小売270円
・全長: 25.0cm (実車比:1/18.0スケール)
・全幅:9.6cm (実車比:1/17.5スケール)  
・ホイールベース:14.2cm (実車比:1/18.5スケール)
・ボディカラー: 黒・赤・青メタ・赤茶(ワイン)・紺・茶メタ・青銀メタ・クリーム/赤・赤/クリーム・空色/クリーム・青/水色・緑/黄緑 等 (現存が確認出来たものだけで計12色。他、イチコーカタログに掲載の白は試作品のみ?)
・動力: 後輪フリクション
・箱のバリエーション: 1961年式・1962年式 共用1種?
・バリエーション: ウインドパーツに無色と青の2種。1961年式に5ナンバーとCEDRIC文字ナンバーの2種。ワンオフの構内タクシー仕様イチコー試作品。
・入手難易度: 10段階評価で7程度(1961年式5ナンバーの初版は8程度、1962年式は9~10程度)
・2024年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 1961年式16~25万円程度・1962年式25~38万円程度 (箱付未使用ミントコンディションの場合)


●一宏工業(イチコー)総合カタログ1963年版に掲載の縦目セドリック
この白1色は現存個体を見たことがないため、メーカー試作品のみの可能性があります。





●東京玩具商報1962年8月号 (国立国会図書館蔵) 一宏工業 広告に日野コンテッサ900等と共に掲載の縦目セドリック・ツートン
キャッチフレーズは「自動車玩具ならイチコーへ」。セドリックはクリーム/赤メタ?でしょうか。






●1/18スケール1961年 セドリック カスタム 赤ボディ 初版5ナンバー(箱無ながら遊ばれた形跡のない美品)
1961年式の中で初版はナンバープレートの文字がCEDRICではなく、「5ゆ7280」のシングルナンバー。














1/64スケールTLVとの大きさ比較




正確な運転席廻りのプリント


リアトレイのMADE IN JAPANの印字。工場出荷時にルーフに楕円形のイチコーの紙シールが貼られたものの本体にはイチコーの商標は見当たりません。


シャシー裏




●1/18スケール1961年 セドリック カスタム 初版5ナンバー 3色の並び
黒・青メタ・赤の魅力的な初版5ナンバー3色の並び。












【ヤフオク出品画像にみる1/18スケール1961年 セドリック カスタムの未入手カラー】
残念ながら当コレクションでは欠けている未入手カラーを以下にヤフオク出品画像より抜粋。現存が確認されている12色中、過去約35年で8色入手し、現在4色(赤茶・紺・空色/クリーム・緑/黄緑)が未入手です。但し、これはイチコー縦目の年式違いについては無視して数えた場合の数で、稀少な1962年式については、いまだに2色(茶色・赤/クリーム)しか手元にありません。

(1)1/18スケール1961年 縦目セドリック カスタム 初版5ナンバー赤茶(ワインカラー)
2015年7月27日35万円で落札された箱付/タグ付スーパーミント品。平成の初め、1990年代前半にイチコーの縦目セドリックの箱付は30万位はしていたことを考慮すると妥当な金額でしょうか。







(2)1/18スケール1961年 縦目セドリック カスタム CEDRICナンバー 紺色









(3)1/18スケール1961年 縦目セドリック カスタム CEDRICナンバー 空色/クリーム
なかなか綺麗なカラーリングです。










●1/18スケール1961年/1963年/1964年 セドリック カスタム 赤ボディ3台の並び
左から1961年・1963年・1964年。イチコー製初代セドリック3種の年式の赤ボディの並び。イチコー製の中で最も稀少な1962年式の赤ボディは見たことがありません。




東京玩具商報1963年5月号の表紙は当時の新製品1963年式横目のセドリック赤ボディとマツダキャロル緑ボディ。


当時の新製品のため当然ながらメッキが光り輝くビカビカの新品






●1/18スケール1961年セドリック カスタム 赤ボディ1stとクリーム/赤2ndの並び
1961年式の初版1stモデルは5ナンバー、2ndモデルは右のクリーム/赤ボディの通りナンバーには「CEDRIC」の文字がプリントされています。1961年式の2ndモデル以降は1962年式/1963年式/1964年式まで全てイチコー製の初代セドリックはCEDRIC文字のナンバーとなります。






●1/18スケール1961年セドリック カスタム 赤ボディ1stと1962年式赤/クリームボディの並び
大盛屋チェリカフェニックスPHE-1の縦目セドリックバンの2ndモデルと同様、1961年式の初版5ナンバー車よりも稀少なイチコー製1962年式セドリック(右)との並び。






●縦目セドリック ブリキ赤ボディ4台の並び
左からSSSインターナショナル商事の大サイズ(約1/15スケール・約30㎝)、イチコー(約1/18スケール・約25㎝)、SSSインターナショナル商事の中サイズ(約1/25スケール・約17.5㎝)、SSSインターナショナル商事の小サイズ(約1/32スケール・約14㎝)。SSSインターナショナル商事製は大中小 3サイズ何れも稀少価値はイチコー製以上に高いと思います。










●1/18スケール1961年セドリック カスタム 1st/アサヒ玩具1963年クラウンDX/イチコー1963年プリンスグロリアDX 国産高級車 赤ボディ3台の並び
左からセドリック、クラウン、グロリア。3車共に国内向けの実車に純正の赤ボディは存在しないと思いますが(グロリアなど輸出向けには赤も有)、こうして並べてみると目に鮮やかな赤の高級車というのも悪くありません。実車はほぼ同サイズの3車の中でイチコー製のグロリアは他の2車より一回り大きく、セドリックとクラウンは若干小さ目です(実測値はアサヒ玩具クラウンとイチコーグロリアは共に概ね1/17程度)。














※縦目のセドリックの実車カタログについては2012年9月23日の自動車カタログ棚からシリーズ第59回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): TMS(鉄道模型趣味誌) 2024年6月号 通巻989号
5月21日(月)発売新刊。税込1000円。TMSを筆者が小学生の時(1960年代後半)に最初に購入した際はまだ通巻200番台だったと思いますが、あと11号で何と記念すべき通巻1000号です。


星晃氏の161系「とき」等の画像


カワイモデル60形に纏わる記事。何とカワイモデルが戦前に発行していたTMS以前の鉄道模型誌である「模型鐡道」の1936年発行 創刊号の巻頭に35ミリゲージの60形が掲載されておりカワイモデルと60形との歴史は長く縁が深いとは恥ずかしながら知りませんでした。※川井は川合の誤植のように思われます。




★オマケ(その2): ホットウィール ドンキホーテ限定ポルシェ356Aクーペ「OUTLAW」赤メタ#2
2024年5月18日(土)午前10時よりドンキホーテの一部店舗にてホットウィールを3000円以上購入すると貰える「2024コレクターエディション」が何とポルシェ356Aクーペということで、各店の入荷数が4~5台と少ないと伺いましたが、意外に人気はなかったのか?10時の開店から30分位経ってドンキに行っても楽に入手出来ました。モノがポルシェ356ということから、ブリバリ用と永久保存用の2台を確保しましたが、貴重なミニカーだけにブリバリするのは何となく勿体ないような心持ちになってしまい、まだブリバリ出来ていません(大汗)。

モノが個人的に一番好きな自動車である356ということから2台確保。








ブリスター裏


3000円クリアのために入手したミニカー達は基本ホットウィールは集めていないため100円スタートのヤフオクで処分するつもりですが、コルベアなどはそそられるものがあり手元に置いておくかもしれません。




★オマケ(その3): トミカ2024年6月新製品
2024年5月18日(土)はトミカ新車発売の第3土曜日でしたが、ホットウィールのドンキ限定ポルシェ356の方がトミカより優先的に入手すべきアイテムのため、ドンキの後で買いに行ったのですが、19番の1/65プリウス(初回ダークグレイ、通常 黄土色)とトミカプレミアム24番の1/62プレリュードはまだしも24番の三菱 デリカミニについては縁も所縁もなく全く関心のないクルマで実車のカタログも貰っていないため購入を見送りました(実車カタログを持っているという理由からプリウス2種とプレリュードの3台のみ購入)。現在、過去15年位の間に集めた膨大な量のトミカはバスなど特に思い入れのある車種を除き基本100円スタートのヤフオクで手放す方向で整理を進めており、先週終了のヤフオクに出品した鬼滅の刃のトミカが軒並み150円程度、イオンオリジナルの各国警察仕様のトミカが400円程度で落札されていることから、最近のトミカは限定品であっても売れば売る程損をするという図式になっていることやドア等の開閉ギミックがないというミニカーとして魅力不足という致命的な問題もあり、トミカなら新製品は基本何でも買うという方針を改め、今後トミカの購入は車種を選んで(ポルシェやバスなど好きな車種のみ購入)という方向になりそうです。なお、今月のトミカリミテッドヴィンテージの発売については全く失念していたため(汗)、芸風範囲外のNEOではない1964年式デボネア2種のみ購入して次回のオマケにでも御紹介したいと思います。










★オマケ(その4):今日のビートルズ「Chains」 1963
ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングが創り1962年に女性3人のボーカルグループ「クッキーズ」によってシングル発売された曲を翌1963年にビートルズがカバーしたバージョン。リードボーカルはジョージ。イントロのハーモニカはジョン。印象的な1曲でこれも例によってビートルズバージョンがオリジナルを超えている感じがします。