★1966年野村トーイ2代目スバルサンバーK153型 ~ ブリキ自動車コレクションから054追補 | ポルシェ356Aカレラ

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★3月としては最も気温が高くなった3月31日
数日前までコートを着る気温だったのが、3月31日(日)の東京は一転して春を通り過ぎ初夏のような陽気となり、何と3月としては観測史上最高の最高気温28.1度を記録したとのこと。まあ、しかし、湿度が低いので夏のように暑いという感じはしません。この陽気でここ10年で最も遅く3月29日(金)に開花したばかりの桜も一気に満開となるのではないでしょうか・・☆



★週刊朝日101年史
B5判・397頁・税込定価4950円・奥付に記載された発売日:2024年3月30日(実際には3月10日頃発売)・予約販売メイン。
2023(令和5)年5月30日発売の「2023年6月9日休刊特別増大号」をもって休刊(事実上は廃刊?)した週刊朝日の101年史。記念すべき1世紀を纏めた本としては、紙質が悪く内容もビジュアルが少ない上に1971年に創刊50年記念号を増刊として出していることもあってか1970年以降の101年の中の後半の歴史に大半の紙数を使っており、個人的には1960年代以前や戦前などもっと古い時代のデータをじっくり見たかったことから物足りなさが残ります。販売価格が上がっても、アート紙を使うなど紙質を良くし戦前等の古い時代のデータも含めて欲しかったというのが正直なところ。
しかし、1970年以降については全号の主な目次内容が掲載されており、例えばジョン&ヨーコがお忍びで1971年初頭に来日して京都などを訪れインタビューが掲載されたのはいつだったかと本書で調べてみると1971年2月12日号と判り、1980年12月にジョンが凶弾に倒れた後の追悼号についても12月26日号だったということが判ります☆☆


表紙右下に組み込まれたジョン・レノン追悼記事が掲載された1980年12月26日号表紙。この号は当時1冊購入していますが、どこに仕舞い込んだか現在行方不明です。


奥付



★閑話休題
今回は2020年3月22日に野村トーイ/中山商会 2代目スバルサンバーとして御紹介した「ブリキ自動車コレクション第54回記事」の追補として、その後、新たにコレクションに加わった野村トーイの1stモデル等のバリエーションをご紹介します☆☆☆



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★2代目スバルサンバー
1961年(昭和36年)2月より丸5年に亘り生産された初代サンバーは1966年(昭和41年)1月にフルモデルチェンジされ2代目となりました。初代同様にトラックとバンが用意され、空冷エンジン、リアエンドにエンジンを搭載したRRでキャブオーバーのボディ等の基本設計は初代から受け継ぎながら、初代の経験で得た種々の改良が加えられ、エクステリア・デザインは初代に比べれば平凡ながらもそつがなく飽きのこないシンプルなものとなりました。
5年で生産を終えた初代サンバーより2代目サンバーのモデルライフは長く、様々な改良を経た後、1972年(昭和47年)2月のMCで70年代初頭のデザインの流行に乗りオーバーデコレーションと言える派手なダミーのフロントグリルを付けた通称ストロングサンバーを最終型として1973年(昭和48年)2月に生産を終えるまで丸7年に亘り生産されています。
個人的にはスバルサンバーと言うと、やはり幼少時に見た初代の思い出が強烈で、私が中学生になっても末期モデルが新車で売られていた2代目サンバーには残念ながら初代サンバー程の思い入れや熱い思いや強烈なノスタルジーは感じられないのですが、さすがに生産終了後半世紀を経た現在の目で見れば初代程ではないにしても2代目サンバーも十分に魅力的な商用車と思えます。



●2代目スバルサンバー 実車カタログより

1966年デビューカタログ表紙


デビューカタログより最初期の白い運転席廻り






リアエンジン


1967年9月版カタログより


同上。可愛らしい農家の若いお嫁さんとサンバーの荷台に載せられた富士重工製ロビン草刈機が目を引きます。




1969年1月版カタログより


スバル360とランデブー


スペック&図面




【1966年ニュー スバル サンバートラック K153型 実車主要スペック】 (1966 New Subaru Sambar Truck Type. K153 Specifications)
全長2995㎜・全幅1295㎜・全高1545㎜・ホイールベース1750mm(初代1670㎜)・車重445kg(初代395kg)・強制空冷2サイクル2気筒EK32型356cc・圧縮比6.5:1・最高出力20ps/5000rpm・最大トルク3.2kg-m/3000rpm・変速機3速フロアMT・乗車定員2名・最大積載量350kg・最小回転半径4m・燃費25km/ℓ・最高速度85km/h・東京店頭渡価格30万円



【1966年 1/12野村トーイ1966年スバル サンバートラック ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/12scale 1966 Subaru Sambar Truck by Nomura Toy Tinplate model Toy KEY DATA)
・基本素材: ブリキ
・品番(製品管理番号): No.375(ノーマル)、No.463(郵便車)、No.787(花柄ファンシー)
・発売期間: 1967年~1973年頃
・販売価格:ノーマル・郵便車 都内270円/全国300円、花柄ファンシー仕様 都内300円/全国330円
・全長: 237㎜(実車比:1/12.6スケール)
・全幅: 100㎜(実車比:1/12.9スケール)
・ホイールベース: 140㎜(実車比:1/12.5スケール)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 102×239×120mm
・動力: 前輪フリクション
・ボディカラー: クリーム・赤・青(試作品のみ?)・白(ファンシー仕様)・明赤(郵便仕様) 等
・シャシー再現: 殆どなし
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2024年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 12~20万円程度 (何れも箱付未使用美品の場合)


●野村トーイ1968年総合カタログに掲載のサンバー



●野村トーイ1971年総合カタログに掲載のサンバー各種
右上のアイボリーのノーマルはミラーやスモールライトのパーツが省かれた2ndモデル、赤いNo.463は本来の郵便車ではなくミラー取付け穴が開いているにも関わらずミラーが未取り付けのままのドアに「サンバートラック」のシールが貼られたノーマル仕様の写真が掲載されています。カマロ、マスタング、ジャガーEタイプでも造られた野村トーイの花柄ファンシーシリーズは、「反戦」「愛と平和」をスローガンに花で体を飾ったフラワームーブメントが台頭した1960年後半から1970年代初頭の時代の空気を感じますが、スケールモデルとしてはファンシー仕様よりもノーマル・バージョンや郵便車の方が魅力的です。




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 1stモデル赤 (箱付・美品)
2020年3月22日のブリキ自動車コレクション「第54回記事」の時点では未入手だったテールライトが別パーツでドアに「サンバートラック」のシールが貼られた1stモデル。野村製の2代目サンバーはフロント周りの印象把握が秀逸です。1990年代までは箱付3万円前後以下といった比較的安価で流通していた野村トーイの2代目サンバーですが、近年、箱付で状態の良い個体は殆ど見かけなくなっています。


1stモデルではリアバンパーとテールライトが付きます。
















かなり実車に正確な荷台の造形


1stモデルはドアに「サンバートラック」のシール付


1/64スケールTLV2代目サンバーとの大きさ比較




残念ながら実車の丸型2連メーターとは異なる運転席のメータ―類等のプリント




シャシー裏




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 2ndモデル クリーム (箱付・極美品)
2020年3月22日のブリキ自動車コレクション「第54回記事」で既に御紹介している2ndモデル。この2ndモデルの後に更にミラーやフロントのスモールライト/ウインカーが省略された3rdモデルが存在します。


リアバンパーとテールライトのパーツが省略されています。












1/64スケールTLV2代目サンバーとの大きさ比較




ガソリン給油口蓋も再現


残念ながら実車とは全く異なる室内プリント




シャシー裏


緩衝材入り未使用品




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 3rdモデル アイボリー (箱無・美品)
ヤフオク出品画像(2018年2月27日に5万3500円で終了)より転載。左右ミラーとスモールライト/ウインカーが省略されていることが判ります。




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 試作品? ブルー (箱無・1点物?)
シューストック2023年12月発行「日本の自動車おもちゃ」182頁より転載。市販品とは異なるホイールキャップと手描きのようなフロントナンバーが付きミラーは根元だけ残し折れているようにも見えます。この個体は試作品と思われる旨の記載があり、赤やクリームよりも2代目サンバーらしいボディカラーと言えるこのブルーの現存個体は見掛けないため、この試作品のみのカラーだったのかもしれません。




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 郵便車 (箱無・ミラー欠品・錆傷有)
テールライトが別パーツの1stモデルをベースとした郵便車。2ndモデルや3rdモデルがベースの郵便車は恐らく存在しないと思われます。郵便車の箱付美品は滅多に市場に現れません。郵便車として郵政省向けに造られた2代目サンバーの実車は、型式K163-8CBのライトバン・スタンダード車がメインと思われますが、この野村製モデルのようなK153トラックベースの郵便車も存在したのでしょうか。




フロントには郵便マーク等がないため、前からの眺めはノーマルと同じ。


リアナンバー部分には白地にスバルサンバーの赤文字が入り、のっぺらぼうのノーマル仕様よりも実感的です。


秀逸な荷台の造形






シャシー裏




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 「ファンシースバルサンバー」 アイボリー (箱付・美品)
ヤフオク出品画像(2024年3月29日に14万2000円で終了)より転載。2ndモデルをベースに野村トーイ1971年版カタログでノーマル/郵便車より1割高い新製品として掲載されたファンシー仕様。ミラー付ながら3rdモデルと同様にフロントウインカーも省略されているため、2ndモデルと3rdモデルの中間的な造りにフラワープリントを施した形のモデルとなっています。箱付美品が割合沢山残っている印象ですが、2021年8月にヤフオクに現れた際にも16万円強と高額になっています。スバルサンバーの実車に即したコレクションとして見れば、個人的にはまずは1stモデルのノーマルか郵便車を入手し、更に余裕があればバリエーションとしてこのファンシー仕様も入手するという形が良いように思います。










シャシー裏


1971年の新発売時の定価300円の2倍「600円」の価格がマジックで記入された箱底面。1973年のオイルショック後の物価高騰時に野村トーイのサンバーも定価が2倍に跳ね上がったのかもしれません。




●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 3種の並び
左から、1stモデル赤、2ndモデル クリーム、郵便車(1stモデルベース)。手前は大きさ比較用1/64TLVの2代目サンバー。








ノーマルの箱2個




●野村トーイ1/12スケールと中山商会1/15スケール1966年スバルサンバートラック K153型の並び
1/12野村トーイ1stモデル、1/15中山商会1stモデル、1/64TLV各2代目K153スバルサンバーの並び。中山商会製は荷台中央下部を別室のキ―付ロッカーとし、荷台中央上部に板を渡してフルフラットとした二段高床式をモデル化しています。中山商会製も2ndモデルではスモールライトやエンブレム等のパーツが大幅に省略されプリント表現に変わっています。










●野村トーイ1/12スケール1966年スバルサンバートラック K153型 と米澤玩具1/14スケール1961年スバルサンバートラックK151型の並び
くろがねベビーの金型改修により発売された米澤玩具K151初代スバルサンバー(右端)との並び。野村トーイの2代目サンバーの方が少しスケールは大き目です。

















★オマケ(その1): MINI GT新製品 642番 1/64スケール1963年ポルシェ901 アイボリー左ハンドル
2024年3月発売新製品。税込定価2200円。ミニGT品番642。1963年フランクフルトショー出展時のプジョーが三桁の真ん中ゼロの数字を商標登録していたために911と車名を改める前の901名称だった車両のモデル化。レトロトイズ様からの情報によると、マッチボックス新製品としてポルシェ356Aクーペ白(何とリアボンネットフード開閉アクション付)とポルシェ911タルガ(最新の992型)が発売になっているようですが、近場の店舗は全て完売しているようで特に356Aは個人的に好きなクルマのため開封用と保存用の2台は入手したいところなのですが、定価での入手はハードルが高そうです(大汗)。


品番642








★オマケ(その2): ローソンオリジナルトミカ1/60トヨタGR86 青緑メタ
2024年3月29日(金)ローソン限定発売の新製品。税込定価825円。発売日の朝、入荷店となっていた通勤途中のローソンで購入。1店に1ロット4台と入荷数が少なかったようです。なかなか綺麗なカラーリングながら、ドアさえ開かないのはやはり残念です。










★オマケ(その3):今日のビートルズ「I Should Have Known Better」 (邦題:恋する二人) 1964
映画A Hard Day's Nightより。この曲でもジョンのボーカルが何とも魅力的。邦題が秀逸です。手元には規格番号OR-1139のジャケット違い2種のレコードがあります。これは何とも古い感じがナイスな1stジャケット。レコードはありふれた黒盤。


左が1stジャケット東芝音工オデオン(330円定価)、右が2ndジャケットの東芝音工アップル盤(400円定価)。


ジャケットは2つ折で内側は映画A Hard Day's Nightのスチール写真を散りばめてあります。


歌詞カード


I Should Have Known Betterの歌詞


アイドル時代のビートルズの魅力が炸裂した何とも魅力的な映像です♪