★1959年旭玩具トヨペットクラウン観音後期~ブリキ自動車コレクションから 034追補 | ポルシェ356Aカレラ

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★「朝日新聞写真館since1904」のバス画像 ©朝日新聞社
朝日新聞2024年3月16日(土)夕刊第6面掲載「朝日新聞写真館since1904」より。

◎1969年撮影 「秋田県千畑村(現 美郷町)の公民館前で名所旧跡を見学しながら川崎市のプレス工場へ向かう出稼ぎ先が用意したバスに乗り込む一行」との記載があります。メトロ窓のバスの前輪上に日産ディーゼル車を示すUDマーク、白黒画像ながらカラーリングは小田急とも似ていますが、専門家の鑑定によると地元・秋田県の羽後交通バスとのことです。


この秋田の写真より1週間前の3月9日(土)の「朝日新聞写真館」では何と旧いバス好きなら見逃せない「バスのある風景」をテーマとし、1950~1960年代の以下の5枚の画像が掲載されています。

1)1954年 金沢市兼六園の福井県坂井市内 中学校 修学旅行生一行が乗った三菱ふそうバス。窓から大勢の生徒が顔を出しています。当時中3の修学旅行生とすると1939(昭和14)~1940(昭和15)年生れあたりの世代という計算になります。このカラーリングは京阪バスのようにも見えますが専門家の鑑定によると異なる事業者のようです。


2)1960年 世田谷 小田急経堂駅近くの農大通りを軒先スレスレ職人芸のような運転で通り抜けるバス。事業者は専門家の鑑定によると明らかに東京都交通局(都営バス)とのことです。この時代のバス特有の矢印式の方向指示器が非常に魅力的です。


3)1962年 仙台~東京長距離バス運行開始。バス(いすゞ?)は派手なヘッドマークを付けています。運行した事業者はどこでしょうか。すれ違う腰の高いトラックの荷台には人が大勢乗っています。併走する荷物合造の旧型客車にも大勢の人が乗っているのが見えます。


4)1965年 大分県九重町飯田高原の標高800mのバス停で日産592型?バスを待つの園児達。麦わら帽子に半袖の服装から季節は夏のようです。


5)1965年 夜の数寄屋橋付近を走るオープンはとバス(いすゞBA341PA)。ハチマキグロリアのタクシーが併走しています。



閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」の2019年8月25日の第34回記事の追補として、旭玩具の観音開きのクラウンRS21型のカラーバリエーション(金茶メタと黒)をご紹介しますne☆☆☆



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●自動車交通教育社発行「ドライバー」1961年3月号(B5判・40頁)
運輸省の役人の辞令等の記事内容から自動車交通教育社は恐らくは運輸省系の業界御用聞き会社で、1961年のこの号が第6巻第3号と印字されていることから、1956(昭和31)年から発行されていたようです(終刊時期不明)。1964年に創刊された八重洲出版のドライバ―誌とは全く関連はなく、奥付によると自動車交通教育社の本社は神戸にあり、寺尾精逸なる人物(検索しても全く情報なし)が社長及びドライバー誌の発行人と記載されています。この号の表紙には何と旭玩具のクラウンRS21が大きく写り、目次に「表紙=子供とトヨペットクラウン」と記載されています。


裏表紙はマツダK360の広告


目次。巻頭言が発行元社長の言葉(内容は少なからず右翼的)という珍妙な構成。




●東京玩具商報1959年9月号 旭玩具製作所 広告 (国立国会図書館蔵書より複写。以下同)
萬代屋(現バンダイ)製の1959年トヨペットクラウンデラックスRS21より半年近く遅れて、この号の広告に旭玩具の1959年クラウンRS21が新製品として初登場。右上の東京タワー、右中の1959年シボレーインパラ、右下の151系こだま号など魅力的な製品群。






●東京玩具商報1959年10月号 旭玩具製作所 広告
引き続き同年10月号でも「新発売」として掲載。この号の旭玩具の広告は見開きで、もう1方の面には鉄筋地上4階・地下1階・エレベーター付・冷暖房付の最新の本社ビルが8月中旬に完成した旨が写真入りで掲載されています。「月世界へ片道35時間・サンタ印は売上げ上昇率3.5倍」のコピーが目を引きます。




●旭玩具製作所 総合カタログ1961年英語版より
品番3421のクラウンは旭玩具の輸出向けカタログに何と堂々と「SIMCA」と記載されています。旭玩具に名前を使われた1958年頃のシムカ・ヴデットはサイドモールやフロントグリルの意匠にクラウンRS21との若干の近似は見られるものの全長4753㎜、全幅1770㎜とクラウンより二回り位大きく当然ながら各部の意匠も大きく異なります。萬代屋(現バンダイ)がRS21の輸出向け製品は実車同様に左ハンドルのRS22Lをモデル化し箱にもきちんと英文でトヨペットクラウンと印字して輸出したのとは凡そ対照的に「商品名がクラウンでは知名度が低過ぎてクラウンって何??という話になり売れないだろうから輸出向けはシムカの名前で売ってしまおう」という論理だったものと思われます。あろうことか、旭玩具製のクラウンRS21は輸出向け製品では、あえてSimcaの箱に入れ替えて船積みされていたのです。


2001年発行コレクター向け資料本「Toy Cars of Japan and Hong Kong 」(ISBN 0-7643-1196-4)より転載。



2004年発行コレクター向け資料本「The Big Book of TIN TOY CARS 」より転載。入手難易度7、箱付ミントの評価額は1800ドルと記載されています。




●旭玩具製作所 総合カタログ1962年日本語版より
品番3421 RS31ノーマル「’61トヨペットクラウンデラックス」及び品番3577 RS31「最新警視庁パトロールカー」。価格はRS21時代の全国220円から20円引き上げられ、全国240円と記載されています。ノーマルよりパーツ点数の多いパトカーも同価格となっています。




【1959年トヨペット クラウン デラックス RS21型 実車主要スペック】(1959 Toyopet Crown Deluxe Typ.RS21 Specifications)
全長4365mm・全幅1695mm・全高1540mm ・ホイールベース2530mm・車重1250㎏・R型 水冷 直列4気筒OHV1453ccエンジン・最高出力58ps/4800rpm・最大トルク11.0kgm/2800rpm・変速機3速+オーバートップ・乗車定員6名・最高速度110km/h・販売価格110万円


★旭玩具(アサヒ) 1959年トヨペット クラウン デラックス RS21
1958年秋の実車のMCを受けて、まず1959年(昭和34年)春に萬代屋(現バンダイ)がRS21をリリースし、旭玩具製RS21は萬代屋製より半年程度遅れてリリースされています。2社がほぼ同スケール(旭玩具の方が若干大き目の1/18程度)、同価格で競作した形ながら、実車の印象把握、細部の造りなどスケールモデルとしての仕上がりは萬代屋製の方が数段上と言えます。旭玩具製はヘッドライトが小さく左右が離れている点、テールフィンが実車以上に尖り過ぎている点等のウィークポイントがあるもののカラーリングは実車通り再現され、MC版のRS31ではバンダイ製RS31がRS21の室内意匠を変更しなかったのに対し、旭玩具製では室内意匠も実車のMCに合わせて変更されていること、実車カタログの絵を流用した箱の絵柄が魅力的であるといった美点も見られます。



【旭玩具 1/18スケール 1959年 トヨペット クラウン RS21型 主要データ】
・基本素材: ブリキ
・旭玩具 品番(管理番号): 3421番(パトカー3577番)
・発売時期: 1959年(昭和34年)8~9月(1961年3月頃まで生産され、RS31にMC)
・販売価格: 都内200円・地方最低小売220円(RS31では各20円値上げ)
・全長: 24.0cm (実車比:1/18.2スケール)
・全幅: 9.5cm (実車比:1/17.8スケール)  
・ホイールベース: 12.7cm (実車比:1/19.9スケール)
・箱サイズ: 縦100×横241×厚さ81㎜
・ボディカラー: 青灰メタ、金茶メタ、黒、等(MC版のRS31では黒、青メタ、金メタの3色)
・動力: 後輪フリクション
・シャシ―再現: なし
・箱のバリエーション: 国内向けと海外向けSimca箱の2種類
・入手難易度: 10段階評価で7 程度(RS31パトカーは9)
・2024年現在のアンティーク玩具市場の推定評価額: 20~30万円程度 (箱付未使用ミントコンディションの場合。RS31も同程度、RS31警視庁パトカーは現存数少なくノーマルより高額)



●旭玩具1/18スケール 1959年トヨペット クラウン デラックス RS21型 金茶メタ (箱無・オーバーライダーに薄錆あるも遊ばれた形跡のない美品)
















室内プリント


シャシー裏


川端企画J-43及び旭玩具モデルペット1番の同カラーとの並び






●旭玩具1/18スケール 1959年トヨペット クラウン デラックス RS21型 黒 (箱付・タグ/保証券付・値札付・緩衝材薄紙付・窓枠に薄錆あるも経年/時代を考慮すればスーパーミントに近い美品)
















1/64TLVとの大きさ比較


タグ・値札付


タグには「引合 昭和34年10月12日」のスタンプ(筆者の誕生日より13日前)。このサンタ印のタグが保証書も兼ねており、裏面にお買い上げから3ヵ月間無償修理との記載があることから、10月12日に販売された際に買上げ日として押されたものと思われます。


タグ裏面:保証修理券。お買い上げ3ヵ月以内の破損は上限2900円まで無償修理と記載されています。当時の2900円は現在の貨幣価値では軽く10倍以上と思われますが、例えば窓のクリアパーツなどは子供が遊べばすぐに破れてしまう可能性が高いため、実際にはどのような場合に無償修理となったのでしょうか。


220円の値札。円形の下部に「光」の文字が入った標章(商標)から仙台駅前に存在した丸光デパートの値札である可能性が高いようです。




室内プリント


シャシー裏


シャシー後端にATCサンタ印の旭玩具ロゴの浮彫


タグ(保証券)、値札、緩衝材薄紙付の箱から出された形跡のない完品


川端企画J-43、旭玩具モデルペット1番の同カラーとの並び





魅力的な箱絵は実車カタログよりRS21のみを写し、背景は新たに描き起こしたもののようです。


J-43同カラーとの並び


元となった実車カタログの絵には2種類あり、RS21最初のカタログではこの右側に海が描かれた絵が掲載されています。


増刷版カタログならびに1959年夏の60psへのパワーアップ版のカタログでは、RS21の絵は替えずに背景のみ川をバックに左後方に五重塔が書かれた絵に変更されています。


箱横長辺。箱の他の面もカタログのイラストが流用されています。


箱横短辺




●旭玩具1/18スケール 1959年トヨペット クラウン デラックス RS21型 3色の並び
既紹介の青灰に金茶メタと黒を加えた旭玩具製RS21の3色の並び。






モデルペット1番同色との並び






●旭玩具1/18スケール 1959年トヨペット クラウン デラックス RS21黒と1961年 RS31黒の並び
黒で揃えた旭玩具製RS21とRS31の並び画像。左:1959~1960年クラウンデラックスRS21型、右:1961~1962年クラウン1900デラックスRS31型。





















★オマケ(その1): トミカ 2024年3月新製品
3月16日(土)はトミカ新車発売の第3土曜日ということで一通り入手してきました。今月のトミカ/トミカプレミアムはセット物が2つあり、以下の通り計12台と結構な台数が発売されています(税込定価計9900円)。
今月のイチオシは、誰もが気になるスカイラインセット以外では、やはり日立建機リジッドダンプトラックでしょう。1/185というNゲージ以下のスケールでこの大きさとズッシリと重いことから実物が如何に巨大であるかを実感できます。

1)トミカ16番トヨタ シエンタ(通常:茶系色、初回:グレイ:各税込550円)
2)トミカ103番1/185日立建機リジッドダンプトラックEH3500AC-3(オレンジ:税込550円)
3)トミカ142番(ロングトミカ) 1/109程度 いすゞギガ重機運送車(税込1045円)
4)トミカプレミアム10番1/65トヨタクラウン パトロールカー(税込1045円)
5)トミカ スポーツカースペシャルセレクション(4台セット:トミカ60番1/62日産GT-Rニスモ白・トミカ117番1/60トヨタGRスープラ赤茶・トミカ76番1/62スバルWRX S4 STI Sport R EX青メタ・トミカ78番ホンダシビックタイプRグレイ:税込2640円)
6)トミカプレミアム日産スカイライン3モデルス コレクション(3台セット: 1/61ハコスカKPGC10赤・1/61ケンメリKPGC110白・1/63ジャパンターボGT-E・Sシルバー:税込3520円)






スカイライン3台セット






★オマケ(その2): デアゴスティーニ 1/64スケール 日本の名車 第39号 1955年トヨペットクラウン
2024年3月5日(火)書店発売の新製品。税込2199円。クラウンRSの黒は10年以上前にTLVで出ていますが、今回の日本の名車シリーズのモデルと比較すると一長一短があり、ナンバープレートがノッペラボウではなく車名が印字されている点やテールライトの表現などは日本の名車が上、フロント周りのメッキがギラギラし過ぎずしっとりとした印象はTLVの方が良く、全体のバランスでもTLVに軍配が上がるように思います。




今回の39号の冊子に掲載されている魅力的なRS31の画像。


左が日本の名車、右がTLV






台座付の日本の名車はTLVに比べて嵩張るもののプレミアム感を引き上げている印象があります。




★オマケ(その3): 今日のビートルズ「SOMETHING」1969
言わずと知れたジョージの名曲。簡単なようでいて同じニュアンスで弾くのは意外に難しい間奏のギターやメロディアスなベースが印象的です。手元にあるのは前回UPした「Come Together」と同じシングル・レコードですが、東芝EMI 500円定価時代の黒盤(規格番号AR-2400)。


歌詞


パティや洋子さんも登場する魅力的なプロモ